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魔剣蒐集録Ⅰ  作者: 健康な人
5章:異質と虚飾の寓話
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【妖刀:噂絶ち】

【妖刀:噂絶ち】


 ある所に、それはそれはよく切れる一振りの刀があった。

 骨どころか鉄すらも簡単に切り裂くその刃は、

 いつしか悪い噂すら切り裂くのだと噂されるようになっていた。



 そしてある時、その刀の持ち主が本当に噂を切ってみたそうだ。

 ――噂を切れると噂されているのだから、この刃を振ってみよう!


 ぶんっ、と振るわれた刃は何も切らなかった。

 ただ人々は、こう思ったそうだ。

 ――おお、これで噂が切れたのだろうか。


 その日から、町から一つの噂が無くなった。

 消えた噂は「噂断ちでは噂を切る事ができない」という噂だった。



 しかし暫くすると、別の噂が流れるようになった。

 「噂断ちは、噂を隠しただけじゃないのか?」

 噂断ちの持ち主は再び刃を振るった。

 刀は何も切らなかったが、やはり噂は収まった。しばらくの間は。



 噂は、語りを変えて品を変えて次から次へと湧いてくる。

 しばらく噂断ちは何も切らなかったが、

 やがて妖刀は持ち主にこう囁いた——と噂されている。


 ――そうだ、悪い噂を流しているやつを絶てばいいじゃないか。


 そして、あくまでも噂だが。

 その日、刃は何かを切ったそうだ。

 美しい断面には、赤い花が咲いていた――らしい。




 ~~~~~~~~~~~~~~~


 人を物の怪に変えると噂される、美しい刀。そのひと振り。

 これは噂を絶つ事ができると伝わるが、

 噂というものは後から後から際限なく湧いてくる。

 やがてこの刀を持った人物は、刃の振り先を変えるのだと――今でも、噂されている。


 ~~~~~~~~~~~~~~~



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