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【名刀:鬼笑い】
【名刀:鬼笑い】
とある島国には、鬼って呼ばれる怪物が居るらしくてね。
なんでも凄い力を持ってるけど、嘘が嫌いらしいんだ。
俺も商人だから嘘が嫌いでね。
気が合いそうだと思ったから、鬼ってやつを見に行ってみたんだよ。
そしたら、まあこれが気が合うんだ。
ほとんど人の見た目をしていてね。
明日の天気の話、来週の商売の話。
来年には子どもが生まれるだろうってところまで言えば、もう大受けさ。
で、人の世の懐かしい話を聞かせてくれたお礼にって、
この魔剣を譲ってくれたんだ。
でも俺、刀は振った事が無くてね。
どうしたもんかと思ってたら、その鬼はこう言ったのさ。
――この刀を売って信念を曲げてみろ、ってね。
でもそう言われると、使いたくなるってもんだろう?
だからこれは、売り物じゃないよ。
売らないって言ったから、売れば俺が嘘つきになっちまうからね。
――おい、距離を取ることないじゃないか。
あの鬼、ほんとにいい奴だったんだって。
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人を鬼に変える――と噂される、美しい刀。
怪物では振るう事ができず、人にしか使えないそうだ。
しかし、この刃は常に怪物の手元から人に渡されるという。
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