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魔剣蒐集録Ⅰ  作者: 健康な人
5章:異質と虚飾の寓話
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【もっとも価値のない魔剣】

【もっとも価値のない魔剣】


 その日、商人は悩んでいた。

 その理由は、以前から求めていた魔剣の使い方を考えているから――ではない。

 手に入れてから気付いたのだが、この魔剣に使い道がなかったからだ。

 商人はこの魔剣を使おうとしてそれに気づいたが、

 所謂気付くのが遅いと言うやつになっていた。


 さて、困ったと商人は悩む。

 そこに偶然、一人の若者が通りかかった。

 これ幸いと、商人は若者に声をかける。


 ――お兄さん、魔剣を買って行かないかい?



 若者が足を止めてくれたのを喜びながら、商人はそれはもう熱心に魔剣の説明をした。

 しかし、要約すると魔剣は1つのメリットとデメリットを持っていた。

 ――この魔剣は、何とでも交換する事ができる。

 ――ただし、それは売ってくれるものとしか交換できない。


 その説明を聞いた若者は、軽く笑ってこう言った。

 ――現物と交換すれば良いじゃないか。


 その言葉に、商人は頷きながら笑って言った。

 ――つまり、あんたの銀貨が金貨に化けるって意味だよ。


 魔剣は売れた。

 若者を笑顔で見送った商人は、さっさと次の町に向かうのだった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~


 本来この魔剣は、価値を見えるようにするだけの道具だった。

 しかし、人は不思議とこの魔剣に価値を見出す。

 肉と野菜を交換しませんか? と聞けば渋るのに、

 魔剣と肉を交換しませんか? と聞けば頷くらしい。

 そしてこの魔剣、価値がないと気付いた者から手放すそうだ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~



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