表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔剣蒐集録Ⅰ  作者: 健康な人
4章:本質と異質の寓話
40/50

【誰にでもなれる仮面】

【誰にでもなれる仮面】


 この仮面は、思い浮かべる事さえできれば誰にだってなれる。

 既に死んだ人にも。愛し届かなかった人にも。

 御伽噺の英雄にだって。

 あるいは……姿を描けるのなら、神にだってなれる。

 勿論、自分にだってなれる。


 そしてこの仮面がなれるのは、姿だけだ。

 何かの力を得る訳でもないし、賢くなる訳でもない。

 性別が変わる訳でもない。

 要するにこの仮面、「誰かに見えるようになっている」だけの仮面である。

 つまり、自分で自分の姿を見る事ができない。


 しかし、人の世には鏡という便利な道具がある。

 これがあれば、なんと自分で自分の姿を見る事ができるのだ。

 そして、鏡は珍しくない。

 この仮面がひそかな人気になるのも頷ける。


 元来、人は「何かになりたい」と思っている。

 しかし本当に「誰かになりたい」と考えた時、それはきっと呪いになる。

 だって「誰かになると」願うほどに、仮面は固く張り付くそうだ。

 故に、これはきっと呪いである。

 だって、外せるのに外そうと思えなくなるのだから。




 ~~~~~~~~~~~~~~~


 誰にでも見えるようになる、と伝わる仮面型の魔剣。

 人に害は与えないが、しかし外すと付けていた者が嫌がるそうだ。

 故に皆、変わったなと思いつつ、やんわりと外すように促すそうだ。

 やがて優しさの中で、人は仮面の下の素顔を忘れるという。

 あるいは使用者本人でさえも、それを望むように。


 ~~~~~~~~~~~~~~~



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ