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魔剣蒐集録Ⅰ  作者: 健康な人
4章:本質と異質の寓話
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【正しさを計る天秤】

【正しさを計る天秤】


 この天秤は、あらゆる行為の価値を数字で示したそうだ。

 善行も、努力も、勇気も、犠牲でさえも。

 その全てを、具体的に計測できた――そう伝わっている。


 やがて王も神官もこの天秤の裁きに頼り、

 人々も何かあればこの天秤での解決を望むようになっていた。

 これは平等だと皆が讃え、真実その国の価値基準になっていた。


 しかしその裏で、数値が低い行為は語られなくなってもいた。

 天秤に乗らない見えない善は、

 やがて存在しない扱いになっていた。


 見えない善は、やがて善である必要が無くなっていた。

 しかし、誰も気づかない。気にしない。

 だって、秤に乗らないのだから。

 天秤はいつしか、見えないものを信じる力を奪っていた。


 やがて国から義務の楔が消えた時、国から人も消えていた。




 ~~~~~~~~~~~~~~~


 人の正しさを数値にして図ることができる天秤。

 かつて正しさの絶対性によって、一つの国を滅ぼしたと伝わっている。


 国は正しさではなく、義務によってできている。

 しかし不思議と、義務を語る人間はいない。

 正義の重さを主張するものは、幾らでも居るのだが。


 ~~~~~~~~~~~~~~~




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