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魔剣蒐集録Ⅰ  作者: 健康な人
3章:伝承と喪失の寓話
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【冒険を中断できる羅針盤】

【冒険を中断できる羅針盤】


 この世界では、一人で旅をしてはいけないと伝わっている。

 襲撃を警戒する野営、話し相手がいない孤独、困った時に差し伸べられる手がない等々。

 理由はまあ何とでも言えるのだが、これ自体は唯の警句である。



 そしてこの羅針盤を使えば、

 なんと冒険の途中で安全な場所へと戻る事ができるのだ。

 しかし対価に、羅針盤を使うため「冒険した記憶」を捧げる必要がある。

 つまりこの羅針盤、冒険を中断できるのだが、中断するまでの冒険を忘れてしまう。



 羅針盤を使った者は、自分が冒険を中断した事実を覚えている。

 しかし同時に、「どこで中断した」かを覚えていない。

 命の危機に瀕したから戻ろうとしたのか。

 休憩するために戻ったのか。

 足りない道具を求めて戻ったのか。

 サッパリ何も覚えていない。



 だから結局、この羅針盤が正しく使われる事は殆どない。

 再開された冒険があったかどうかを、覚えている者はいない。

 ただ一つ知られていることは、この羅針盤は一人用だということだ。


 要するにこの羅針盤を持つ者は、必ず一人で冒険することになる。

 おそらくそれが、ただ一つの欠点だ。




 ~~~~~~~~~~~~~~~


 古い見た目の羅針盤。

 冒険を中断できる不思議な効果を持つのだが、

 この羅針盤が魔剣に分類される理由は別にある。

 一人用のこの羅針盤を持ってしまうと、人は古い警句を無視してしまう。

 その結末がどうなるのかを、羅針盤だけが知っている。


 ~~~~~~~~~~~~~~~




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