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【約束の矢筒】
【約束の矢筒】
伝承に曰く。
この矢筒には、破った約束の数だけ矢を生み出すのだと言う。
そしてこの矢は、約束を破った者を必ず貫くと言う。
最初にこの矢筒を使った狩人は、賢かった。
最初に魔物に声をかけるのだ。
――この線を越えたら、お前は約束を破ったことになる。
狩人が守っていた村は、魔物に襲われる事はなかったという。
それから、矢筒は様々な人々の手を渡った。
使い方は基本的に、約束を破らせることだった。
しかし、この矢には当たらない方法がある。
それは「約束を忘れること」だ。
――おい、お前は約束を破ったな?
――知らんな、忘れた。
その約束を破って作られ放たれた矢は、当たる事はなかった。
約束は、双方の合意で作られる。
一方的な約束は、約束とは認められない。
しかしある時、約束を忘れていた男に矢が刺さっていた。
それは戦場で矢を受け、男が虫の息になっていた時の話だ。
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矢の入っていない古びた矢筒。
この矢筒には、約束を破った時に矢が増える。
矢筒の使い方を、様々な者が考えた。
しかしこの矢筒を最初に持っていた狩人は、
「一本も入っていないぐらいが丁度良い」と言ったそうだ。
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