表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

サイトー君はどーぶつに好かれる

 ある高校の生徒達が、校外学習で比較的近くにある動物園に来ていた。その動物園では動物達との“ふれあい”を売りにしている。もっとも、珍しい動物があまりいないから仕方なくそう謳っているだけなのかもしれないが。

 その“ふれあい場”の一つで、サイトー君が犬達に囲まれていた。佐伯さんはその様を眺めている。犬なら人間が大好きだからそれくらい普通だと思うかもしれないが、そうでもない。この動物園の犬達は、人間に触られ過ぎていて、普通はそこまで人間に寄って来ないのである。

 しかも、さっきまでサイトー君は他のふれあい場で猫達に囲まれていた。その前はモルモット、ハダカデバネズミ……

 

 「本当に、よくどーぶつに好かれるなぁ」

 

 佐伯さんはそう独り言を漏らした。

 やがて校外学習が終わった。現地解散。帰り道。佐伯さんの近くにはサイトー君がいた。話しかける。

 「たくさんどーぶつと触れ合っていたわね」

 すると、サイトー君は明るい声で。

 「そうだね。そう言えば、佐伯さんもふれあい場によくいたね。動物が好きなの?」

 少し考えると佐伯さんは返す。

 「どーぶつが好きってよりも、わたしもどーぶつなのかもしれない」

 サイトー君は不思議そうな顔でこう返す。

 「人間も動物だよ、佐伯さん?」

 「ええ、そうね。サイトー君」とそれに佐伯さん。

 どうせ伝わらないと思って言ったのだろうけど、それでも佐伯さん軽く溜息を漏らした。

これのノベライズでした。

挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ