⑥ 結束
えー、正月明けで何や彼やと有りまして…
大分、執筆に時間が掛かってしまいました…
また、少し長文になってしまいましたが、何卒、最後まで宜しくお付き合い下さいます様に…
翌朝…と言っても、もう昼前位か…?
私は政重様に叩き起こされて剣の稽古を付けてもらい、昼飯まで御馳走になってから「千代王」と共に石毛城を後にした。
吉沼の栗崎城に戻ると庭先で未だ幼い原家御嫡男の与五郎様と私の奥さんが楽しそうに遊んでいた…
私は千代王から降りて身体を洗ってやっていると与五郎様が近付いて来た…
「重兵衛、千代王に乗って何処へ行って参ったのじゃ?」
「はい、石毛城へ行って参りました!政重様と大事なお話をして参りました!」
「千代王に乗れるのは父上と道鎮だけじゃと思っていたが、重兵衛も乗れるのじゃな?」
「ははぁ、恐れ入りまする!」
ブルブル…ブルルルルッ…
「千代王は強き者しか背に乗せぬと父上が申されていたが重兵衛も強いのじゃな?」
「いや、滅相も御座いませぬ!」
ブルルッ…
「父上と道鎮以外は皆、振り落とされて居ったぞ!」
「ははぁ…」
「私も千代王に乗れるように成れるかのう重兵衛?」
「勿論です!与五郎様なら…いづれ…きっと…」
ブルッ…
すると私の奥さんが来て…
「まぁ、この仔、目がクリクリしてて可愛い!」
と言いながら千代王の鼻面を撫でた…
ブルンッ…
千代王は私の奥さんの頬をベロンと舐めて尻尾を振ってジッとしていた…
そこへ外記様と道鎮殿がやって来た…
「重兵衛、帰って参ったか?」と外記様。
「はい、只今戻りまして御座います!」と言って私は片膝を着いた。
「石毛のお屋敷はどうであった?」
「はい、とても居心地が良くて、つい長居をしてしまいました…」
「政重様と随分親しくなったようじゃな?」と道鎮殿。
「はい、一晩酒を酌み交わして、お互いに随分と解り合えた気がします。」
「そうか、それは良かった!あの方は強面だが根は優しくて皆の事を考えてくれる立派な御方じゃ。」
「はい、領地・領民の事、治親樣や御家中の方々の事、そして対多賀谷の事等…誠に深く良く御考えの様子、重兵衛感服致しまして御座います。」
「対外的には、あのように威勢良く振る舞って居られるが、実は物事を見抜く目、先々を考える力に長けた御方じゃ!無論、剣の腕は相当なもので、合戦での勇ましさは常陸一とも言われる程じゃ!」
「左様に御座いますか、誠に頼もしき御方に御座ります!」
そこへ私の奥さんが来た…
「道鎮殿だって威勢の良さじゃ負けないです!」
「左様、威勢の良さと剣の腕なら我が吉沼の道鎮も中々のものじゃが…こちらの方はいささかな?」と言って外記様は頭を指差した…
「と…殿ぉ…それは…あんまりでござるぅ…」
と言って道鎮殿が眉を下げて訴えた…
ぷぅーっと、皆吹き出して笑った…
その時、私は心の中で思った…
(史実では…この方達は…皆…もう直ぐ…多賀谷勢に急襲されて…亡くなられる…こんなにも優しくて…素晴らしい方々が…そんなの嫌だ…絶対に御守りせねば…例え…歴史と言う魔物に…どんな仕返しをされようとも…)
常総市の歴史を調べていると、吉沼(現つくば市)での原親子自刃は1536年(天文5年)と記されていた…
<一説に1483年(文明15年)とも…>
が…私見では1554年(天文23年)頃かと思っていた…
今は1552年(天文21年)…時は…あと2年…ある…。
翌朝、私との朝稽古を終えた道鎮殿が言った…
「重兵衛、今日は…わしが石毛城に行って参るぞ…」
「はい。」
「政重様が、わしに、ちと話があるとか…」
「左様に御座いますか?」
「うむ…ちと…多賀谷が静か過ぎるのが不気味じゃ…呉々も留守を頼むぞ!」
「はぁっ、心得ました!」
一緒に昼飯を戴いた後、道鎮殿は「北斗王」と言う焦げ茶色の馬に跨がって栗崎城を後にした…。
程無く石毛城に到着した道鎮殿を政重様が木刀を振りながら待っていた…
「おう、道鎮、良う参った!久々にどうじゃ?!」
政重様が道鎮殿に別の木刀を放った…
「はあっ、喜んで!!」
と言って道鎮殿は放られた木刀を掴んで「北斗王」から降りた…
二人は構えて見合った…
両者ピクリとも動かない…
一分程過ぎた時…
道鎮殿が鋭く踏み込んで籠手を狙いに行った処を政重様は素早く払い、喉元を突くも道鎮殿これを間一髪交わし…また両者睨み合うこと二分…
「お主、また腕を上げたな?」
「政重様こそ一段と!」
二人は木刀を下ろした…
「さぁ、上がってくれ!」
「はあっ!」
二人は石毛城内に入って行った…
一番奥より一つ手前の間に入り、向かい合って着座した…
「道鎮、今日はお主に折り入って話が有るのじゃ。」
「はぁっ。」
「実は、お主の処に預けている重兵衛の事なのじゃが…」
「重兵衛が如何しましたか?!」
「うむ、昨夜…重兵衛と様々な話をしたのじゃが…お主、何か聞いては居らぬか?」
「はい…特段…聞いては居りませぬが…」
「左様か…重兵衛は四百七十年も後の世からこの戦国乱丗の吉沼の地に迷い込んで参ったと申して居ったな?」
「はぁっ、何か…強い衝撃を受けたとかで…その弾みで…時空の歪みとやらに入り込んでしまって…この時代…天文二十一年の吉沼に迷い込んで参ったと…。」
「その様な話…普通なら…とても信じる事など出来はせぬが…兄上が申していた通り…あ奴が嘘をついている様には…わしにはどうしても思えぬのじゃ…」
「某も同様に御座ります!!」
「うむ、それで…あ奴…そこで何をしたと思う?!」
「重兵衛の奴が…何か仕出かしましたか?!」
「道鎮、あ奴め…ここから庭にぴょんと降り立ち、あの一番大きい岩を片手でひょいっと持ち上げて見せたのじゃ!!」
「なん…と…あの…大岩を…片手で…」
「おうよ…そうかと思えば道鎮…あ奴…今度は庭にしゃがんだまま…屋根迄ぴょーんと飛んで見せよったのじゃ!!」
「や…屋根に…しゃがんだまま…で御座りますか?!」
「うむ、そして…また…ぴょんと庭に舞い降りたかと思えば…すっとお主の座っている処へ戻って居ったわ…」
「なん…と…」
「この時代に迷い込んで参ってから…その様な力が備わっておったと…申して居ったぞ。」
「はぁ。」
「そして、その力…当家の為だけに余す事無く使う所存と申して居った…」
「重兵衛が…その様に…」
「道鎮、気にするでない!重兵衛は苦しんで居ったのじゃ…この様な事…申した処で誰も信じてくれる筈も無い事と…また人々を驚かす事になるやも知れぬと…先ず…勇気を出して…わしにだけ教えてくれたのじゃ…」
「ははぁ…」
「そして、これから起こる事を…先ず…わしだけに話に来てくれたのじゃ!」
「これから起こる事…で御座いますか?」
「うむ、これから起こる事じゃ。」
「重兵衛は…この地の歴史は…書物があまり遺されて居らず…よく判らんと申して居りましたが…」
「あ奴め…四百七十年後の世で…この地の歴史や…当家の歴史を…毎日…一人で…黙々と…調べて居ったそうじゃ…そして昨夜…あ奴の知り得る事…全て…わしだけに話してくれよったのじゃ。」
「さ…左様で御座いましたか…して…これから…一体…何が起こるので…御座いますか?」
「うむ…やはり多賀谷の奴等…攻め込んで参る…が…その前に…常楽寺、修理、大炊、掃部、右京、小治郎と…六人衆が皆…多賀谷に…寝返りよるらしい…」
「何と?!…六人共…多賀谷に…」
「うむ…そして…」
「そして?…そして何で御座りますか?!」
「うむ…」
「まさかっ?!まさか外記様もっ…で御座りますかっ?!」
「たわけ道鎮!あの御方は生粋の東武士ぞ!!物腰は柔らかい御仁だが、剣の腕はわしらにも劣らぬ!戦場でのあの勇ましさは、お主が一番良く知って居ろうが?!」
「は…ははぁっ!」
「だが…。」
「だが…何で御座いますか?!」
「だが…其が仇となって…外記殿と与五郎は立派に戦い抜き…大祥寺にて…親子で…自刃を…」
「な、何と言うっ!何と言う事をっ!某はっ?!某は一体…」
「お主は…一人、栗崎城にて籠城し、獅子奮迅の働きを見せるが…如何せん多勢に無勢じゃ…外記・与五郎親子と女・子供を城外へ逃がした後、孤軍奮闘も虚しく…お主は…小貝川と栗崎城の間にある…坂の上で…討ち死にしたそうじゃ…」
「さ…左様で御座いましたか…」
「お主のその勇敢な最期に胸を痛めた領民たちは、いつしかその坂を「道鎮坂」と名付けて、お主の死を悼んだそうじゃ…その下りを話している時、重兵衛の目からは涙が…ぽたぽたぽたぽたと流れておってな…わしも…貰い泣きしたもんじゃ…」
「重兵衛の奴…某の為に…泣いたのですか?…泣いてくれたのですか…?…」
「おぉっ、泣きよった!二人で…大泣きじゃったわ…大の男が…二人揃って…ボロボロと涙を流してな…うっ…うっ…」
「政重様っ…」
「重兵衛は…この世に迷い込んで来る数日前に…四百七十年後の吉沼の地を訪れたそうじゃ…道鎮坂を訪ねにな…坂はいくつもあって…どれが道鎮坂だか中々判らなかったそうじゃが…小貝川迄通じる…ある坂の上に立った時…真っ赤な夕焼けが重兵衛を照したそうじゃ…まるでそこが道鎮坂じゃ!と…お主が教えてくれたかの様じゃったと…そして…その時、重兵衛はそこが道鎮坂であると…悟ったそうじゃ…。」
「そ…某の…最期の場所を…四百七十年後の世で…重兵衛は…訪ねてくれたのですか?」
「うむ…そして…原外記・与五郎親子の最期の場所である大祥寺にも訪れて参ったと申して居ったぞ!原親子の潔い最期に胸を痛めた領民達の手で親子地蔵が奉納されて居ったとか…お主等は真に領民達に慕われて居ったのじゃなぁ?!」
「外記様と与五郎様の…親子地蔵が…領民達の手で…有難い…真…有難い…」
「その様な事が起こるのは…重兵衛の話では…約二年後だそうじゃ…」
「年端もいかない…与五郎様の命が…あと…たったの二年で…」
「左様…。わしと重兵衛は、寝返る奴らはどうでも良い…ただ…あ奴等にも事情が有ったのであろう…じゃが、お主等…原家の者達だけは何としても救いたい…そういう思いで一致して居る。しかし…重兵衛の話では…歴史を狂わしてしまうと…必ず…それ相応の代償を支払わねばならぬらしい…」
「代償…に御座りますか?」
「うむ、例えばじゃ…」
「はぁ…」
「例えば…お主を救ったとして…」
「はぁ…」
「お主を救えば…歴史は…あいみつを取る為に…お主と同格の者の命を奪おうとする…と言うのじゃ…」
「はぁ?」
「例えばじゃ…例えば…お主を救ったとして…歴史は…換わりに…外記殿や…重兵衛を…滅ぼそうとするやも知れぬそうじゃ…」
「何と…その様な…その様な大事な方々が…滅ぼされてしまうのであれば…某…某は…喜んで…この命…歴史とやらに…くれてやりまするっ!」
「ならぬっ!それはならぬっ!お主や原親子の様な真っ直ぐで清らかな心を持つ忠義の侍を、みすみす見殺しにしたとあっては、武門を尊ぶ当家にとっては末代迄の恥となろう?!」
「はぁっ、しかし…」
「しかしも案山子もねぇっ!…なぁ、道鎮よぉ、俺とおめぇは、幼き頃から共にこの地で生まれ育ち、互いに剣の腕を磨き合ってきた仲じゃねぇか?おめぇさん一人を死なせやしねぇよぉっ…なぁ道鎮、死ぬ時ゃぁ…俺達一緒よぉっ!!」
「ま…政重様っ…」
「しかしなぁ…折角、重兵衛が遥か四百七十年も後の世から、俺達の味方として、この戦国乱世の、この地に、舞い降りて参ったのじゃ…あ奴の為にも、もちっと生きてやろうじゃねぇか?!」
「ははぁっ!」
「それでな道鎮よぉ…わしも、もちっと後で死ぬらしいんじゃ…」
「な…何ですとぉっ?!」
「其がなぁ道鎮…わしは…お主等の様に侍らしい最期を迎えることは叶わなんだらしいのじゃ…」
「えっ?」
「わしは脳卒中とか言う病で…この石毛城中にて…死ぬるらしい…」
「の…脳…?」
「脳卒中じゃ、平たく言うと…贅沢病とか言ってな…毎晩酒を飲んだり…好きなものばかり喰ろうて居ると…かかる病らしい…」
「そ…その様な…」
「突然、ここで倒れ、そのまま意識が戻らずに死んだそうじゃ…兄上が大変な時に…」
「さ…左様で御座いましたか?…んっ?!…と…殿が…殿がどうかなさいましたかっ?!」
「うむ…いや…何でも無い…重兵衛は、この様な事を…四百七十年後の世にて…一人で調べ歩き…今の、この、わし等と、同じ様な…無念さを…胸に抱き…過ごして居ったそうじゃ…」
「某達と同じ無念さを…四百七十年後の世で…重兵衛も…」
「左様…五百年もの歴史を誇る豊田家が…多賀谷の奴らに蹂躙され…呑み込まれていった歴史を…憂い悲しむ重兵衛の心…わし等と何ら変わりは無い…お主やわしが死ぬ時の話をする時の重兵衛の目からは…ぼろぼろ…ぼろぼろと…大粒の涙が流れておってな…わしは…それを見た時に…この男の申している事…全て…嘘偽りの無い真の事じゃと…悟ったのじゃ!!」
「某も重兵衛が嘘偽りを申す者とは思えませぬっ!」
「うむ、そこでじゃ…わしと重兵衛は…昨夜、二人で…これから起こる事について…いろいろと話し合い…策を講じて参る事にしたのじゃ!」
「策を…ですか?」
「うむ、先ずは、二年後の吉沼の戦に備える!お主も仲間に引き入れる事は重兵衛も承知して居る故、力を貸してやってくれ!」
「ははぁっ!」
「未だ二年有る道鎮!備えるには充分な期間じゃっ!」
「ははぁっ!」
「其迄は多賀谷の奴らめ…四箇村・北部六人衆の寝返り工作に躍起になって居る事であろう…」
「はぁっ!」
「なぁに…寝返る奴らは寝返れば良いわ…」
「はぁ…」
「吉沼の栗崎城さえ安泰ならそれで充分じゃ!!」
「はぁ…しかし…小治郎や掃部は…其の竹馬の友にて…」
「其処ら辺は重兵衛に任せてある故、心配するな!…お主の竹馬の友じゃ、悪いようにはせぬ筈じゃ。」
「ははぁっ!」
「お主と重兵衛は、来る戦に備え、吉沼一帯の防備を固めるのじゃ!」
「ははぁっ!」
「わしは別動隊に裏をかかれぬよう…この辺一帯の守りをより強固なものにする!」
「はあっ!」
「北部と四箇村はお主等に任せたっ!」
「はあっ!」
「南はわしに任せておけっ!」
「はあっ!」
「そして道鎮よ…この話…絶対に…他言無用じゃ!」
「はあっ!」
「例え、原殿であろうと、兄上であろうと、何人たりとも他言してはならぬぞ!」
「はあっ!」
「小治郎だろうと掃部だろうと…御館様であろうと…絶対に他言してはならぬっ!」
「ははぁっ!」
「わしとお主と重兵衛の三人だけで極秘に策を講じて参る、良いな?」
「道鎮、肝に命じて御座ります!!」
「うむ…それでは道鎮、久々に一献…酌み交わすとするか?どうじゃ?!」
「ははぁっ!…しかし…政重様…脳…何とかが…?」
「あぁっ…脳卒中か?…心配するな!今宵が最後じゃ!わしは多賀谷を滅ぼす迄は…もう…明日以降は…一滴たりとも…酒は呑まぬ故…」
「はぁ…しかし…」
「おーい、酒じゃ!酒と肴を持って来てくれぇっ!」
(この御仁は…全く…)
明くる朝…いや、昼過ぎ位か…栗崎城に道鎮殿が北斗王と共に帰って来た…
「重兵衛、話は聞いたぞ!」
「はぁ!」
「わしの最期の場所を訪ねてくれたそうじゃな?」
「はい!」
「四百七十年後の方々も…その坂を…道鎮坂…と…呼んでくれて居るとか?」
「はい、道鎮殿が外記様・与五郎様・御家中の方々を場外へと逃がしながら、最後は一人になっても勇敢に多賀谷勢と戦い抜き、遂に御果てになった最期の場所が、丁度、小貝川へと通じる坂道となって居りまして、その坂を領民の方々が代々「道鎮坂」と呼んで道鎮殿の死を悼み、皆さん立ち止まって、手を合わせてから通られたとか…」
「左様であったか…有難い…真に有難い事じゃ…」
「道鎮殿が、東武士として真っ直ぐに生きた証として四百七十年後の世の人々に迄、語り継がれている誇り高き歴史にござる!」
「重兵衛、わしゃあ、武士としては幸せじゃ…その様に侍として勇敢に戦い、最期を迎えられたのだからな…ただ…やはり…外記様・与五郎様を御守り仕切れなかった事は痛恨の極み…この飯岡道鎮、一生の不覚じゃ…重兵衛、お主、この、吉沼の…石毛の…豊田の…悲しい歴史を変えるために…この戦国時代のこの地に舞い降りて参ったのじゃな?!」
「はい…意図して参った訳では御座りませぬが…今…こうして…この時代に…道鎮殿…あなたと…こうして…お話していると言う事は…やはり…某には…其以外考えられませぬ。」
「うむ…ならば重兵衛、わしの命、お主と政重様に預ける!外記様と与五郎様をお救いする為なら、わしは、いつでも、この命、捨てる覚悟じゃ!」
「はあっ!しかし道鎮殿、某と政重様は、あなたも死なせたくはないのです!一日でも長く、某は、道鎮殿、あなたと、この時代の、この地にて、治親様、政重様、外記様、与五郎様の為に戦って行きたいのです!!」
「重兵衛、よくぞ申した!わしゃ嬉しいぞ!!共に殿の為、領地領民の為、命燃やそうぞ!!」
「はあっ!」
「しかし…のう重兵衛…歴史を変えてしまうと…何やら面倒な事になるらしいのう?」
「はい。」
「誰かの命を救うと…歴史は、あいみつを取る為に、それ相応の誰かの命を奪うとか?」
「はい、恐らく…ただ、其を恐れていては、大切な方々の御命を救えませぬ!最善は尽くします…しかし…こればかりは…予測出来ませぬ故…失いたくない方々には厳重な備えと守りを…その都度敷いて参る所存に御座います。」
「うむ、頼むぞ重兵衛!わしも出来る限りの事は力を貸す故、遠慮のう言うてくれ!」
「はい、有り難う御座います!」
「ただ一点…いや…ちいと…頼みが有るのじゃ…」
「解っております!小治郎殿と掃部殿の事で御座いましょう?」
「お…お主…良く解ったのう?」
「道鎮殿の事です…必ずそのことを気になさっているだろうと思って居りました。」
「まさか…あ奴らめ…殿を…裏切りよるとは…」
「道鎮殿、今は戦乱の世に御座ります…何があっても不思議無い事…御家を守る為には…皆さん…他に手立てが無かったので御座いましょう…しかし、某に少し考えが御座います故…お任せ頂けませんか?」
「ふむ、お主…何か策でも有るのか?」
「はい…いや…策と言う程のものでは御座いませぬが…少々…」
「よしっ、解ったっ!この件は全て、お主に任せたっ!重兵衛…わしゃぁ…どうしても…あ奴らと斬り合うのは…気が進まぬのじゃ…」
「解っております!」
私は…下栗の常楽寺殿と、そして、誰よりも、肘谷の小治郎殿を御味方に付けておきたいと考えていたのだ…。
今回も最後までお読みいただきまして有り難う御座います。
さて、次回は下栗常楽寺殿や肘谷小治郎殿との交流を描いて参りたいと思います!
次回も「つぐみ龍の伝説」にどうぞ御期待下さい!
それでは、また…




