大丈夫、平気
会話の中でよく耳にする「大丈夫」「平気」
この言葉って魔法、時には呪いみたいなものがかかっていると私は思ってしまいます。
私は双極性障害を持っていて、よく気分の波が変わってしまいます。
Ⅱ型と呼ばれるもので躁状態、わかりやすく言うと落ち込んでしまっている期間が長いことがあります。
そんな時、落ち込んでいるからこそやる気がなくなっていつもできることができなくなったり些細なミスが増えたりしてしまいます。
気分的な問題ではいなくなりたい気持ちや泣き出したい気持ちになっていることがほとんどです。
これを書いている今も実はその状態ではあります。
ただ、この病気と何年も付き合っているうちに言葉に秘められたものに気づき、それがもしこれを読んでくださっている方、または周りの方の支えやヒントのようなものになればいいなと思い書いています。
「大丈夫」「平気」は本当にそう思って言っている場合と、
今の私のように落ち込んでいるときは誰かに迷惑をかけたくなかったり不安にさせないために無理をして言う場合があります。
聞き分け方なんて本当に相手の心の中身がわかるほかにありませんが少しサインはあると思います。
会話の流れでその人の精神状態や最近の出来事を聞くことがあると思いますが、聞いている側が何か引っかかる、不審に思うことがあるときがあると思うのです。
「あれ、本当に大丈夫なのかな」「無理していないかな」って思う時がありませんか。
そんな風に感じる「大丈夫」「平気」は助けてほしいのサインのときがあります。
実際私も、何度も経験しましたが「何かあったらいつでも頼ってね」といったような優しい言葉をかけられても実際には言うことなんてできません。(あくまで私は、です)
誰かに相談するとか助けを求めるって結構勇気のいることで、どれだけの信頼関係があってもなにか足枷のようなものを感じて言えないんです。
だから私は言ってしまいます。「大丈夫、平気」だと。
どれだけ心がズタボロで壊れてしまていても相槌のように簡単にこの言葉が出てしまいます。
言ってしまう側と言われる側の両方を経験したからこそ発信できることがあって
それが何かというと、何かつらいことがあって落ち込んでいるとか、支えになってあげたいと読んでくださっているあなたが思う誰かがいたら、「大丈夫?」とか「平気?」とは聞かず
「何かできることはある?」「話聞くよ」など
相手の話を引き出すような聞き方をしてあげてください。
上手くいくかは分かりませんがもしかしたら心の内に秘めている悩みを吐き出してくれるかもしれません。私は実際にそう聞かれて言いたかったけど言えなかったこと、少しは言えたような気がした時がありました。
そんな経験があり、私は自分にうそをついてしまっているときのこの言葉たちに呪いのようなものを感じていたのです。
では逆に、魔法の言葉に感じる「大丈夫」と「平気」とは何か、というところですが。
Hilcrhymeさんの楽曲で”大丈夫”という曲があります。
この曲を聴いたときは私は涙が止まりませんでした。
そう、相手を安心させる誰かに言われる「大丈夫」だったんです。
歌詞を少し抜粋させていただきますが
「魔法の言葉を君に送ろう」
「安らぎを与え、不安を消し満たす君のその孤独も」
このフレーズがすごく刺さりました。
「そうか、呪いだけじゃない。自分が誰かに向けて発することで安心させてあげられる魔法の言葉に変身するんだ」って思えました。
この曲に出会えていなかったら、私の中でこの言葉たちは単に自分の気持ちを隠してしまう、その場しのぎで言ってしまう呪いの言葉のままでした。
上手くまとめられませんが何を言いたいかというと
落ち込んでしまっている、不安な時はこの言葉たちを間違って使ってしまいます。
言ってしまうんです。ほんとはねって言えたらいいんですけど言える人がほとんどではないということを知ってほしいです。
また、逆にこの言葉たちを相手に向けて行ってあげることで不安やしんどい思いを少しでも取り除き、和らげることができると私は思っています。
周りにかけてあげられる言葉ってたくさんありますがその中でも簡単に言ってしまいがちな言葉の裏に潜むもの、表にある光のようなものに触れてみました。
上手く話せたかどうかは分かりません出来たが、最後まで読んでくださってありがとうございます。
読んでくださったあなたと周りの方に幸せが訪れますように。
柊 雨雪