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おっとりの秘訣は夫を窓から落とすシミュレーションをしているから〜一人旅で出奔、のはずがずっと夫がついてくるので〜  作者: リーシャ


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96事情聴取と新居完成

襲われた件について事情聴取され、また普段の日常が戻る。


そして、家が完成したので引っ越すことになった。


住んでいた家より町中でなくなったことは、逆によかったのだろう。


トカゲドリを飼っているということは、近隣の住人に不安を与えるし。


今更?となるだろうが、気にしてなかったけどそろそろ誰か気付いてもおかしくない、となる。


気にしてましたという実績を作っておけば、後々なにかの役に立つかもしれない。


コレスは張り切っている。


さっきから凄い速さで荷物を運搬していて、エレラの出る幕はなさそう。


荷物は多いわけではないから、すぐに引っ越せる。


そろそろできるという報告はもらっていたので、当然整理して待っていたから。


夫が終わったぞというので二人で家へ入る。


「わー!なんか、現代の住宅建築物に近い」


「夢で見たものを再現してみた」


外装、ドア、キッチンなど家周りも含めて内装が現代の間取りに近い。


「あと、キッチンの水場についてだが」


コレスは一番自慢したいのだろう部分に連れてきて、エレラに見せる。


「し、シンク?え、蛇口?」


まさか、まさかとなる。


棒状のものを上にやると水がザァザァと流れる。


「あったかい!?これ、もしかして」


温かい。


「魔力温泉を引いている」


「えっ、えっ、どうやってこれ再現したの?」


「力技で」


難なく言うが絶対に大変だったはずだ。


どうしよう、嬉しく思っている自分が抑えきれない。


魔法があるので水を使うことは不便ではなかった。


やはり、使い心地は現代の方が慣れているのだ。


それを、この世界でやれるという意味合いは大きい。


「これでよかったか?独断でやったから変なところはあるだろうけどな」


これでよかったかなどと彼は言ってくるが、充分すぎる。


やってくれたことは、自分を喜ばせることばかり。


いつもつっけんどんとしているけれど、それに対して文句なんてない相手にはかなり我慢強いと、実は思っている。


こんな妻がいたら、離婚一択だと思う。


原因があるとは言え、切実な男であることは隣で見てきてわかっている。


「変なところなんて全くない。ここまで作れたなんて」


「大変だったが、仕組みを知ってしまえば意外と簡単だったぞ」


男は、苦労を見せずにこちらを見る。


それに対して自身はありがとうと小さくつぶやく。


何度言っても言い足りない。


「そうだよね。頑張ったよね。本当にここまでよくやれたっていうか」


彼はここまで感動していることを察して、うんうんと頷いている。


「素直に凄いとしか言えない」


「そんなに褒められるとは」


「え、いや、いつも思ってるよ」


例えついてきた状態でも一人で過ごすよりは寂しくないし、色々手伝ってくれてるし。


「男手はないよりあった方がいい。女一人暮らしは、狙われやすいと聞く」


異世界はエレラの前の世界と比べたら、比べる方がおかしいくらい治安はいい方ではない。


悪くはないけど、モンスターに襲われるからそんなことをしている暇がないのだ。


ただ、それだけ。


「よく考えたら、最強の防犯だったかな」


「だろ」


キッチンのシステム周りを見回り、水を出して止めてを繰り返す。


「これに魔力って関係してる?」


「ちょっと使ってる。だが、魔力入り温泉から引いているから魔力が枯渇して止まることはない」


本当だ、と言われて気付く。


わくわくする。


「嬉しすぎる。ありがとう。ほんとに嬉しい」


「ん?」


と、目をうっすらさせている。


それと、手を軽く上げていた。


これって抱きしめさせてくれってことか。


(ここまでされてなにもしないのは。愛し子誘拐犯から助けてもらったお礼もしてない。借りが増えていくのも考えものだし)


エレラが逃げ出した直後に、モンスターが襲ってきたときに助けられていることを思い出す。


ぐぬぅ、となる。


「家が完成した記念も含めて」


チラッという言葉にうぬぬ、となる。

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