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87王はトカゲドリについて聞きたいと言いコレスはなにをくれると問いかける

それからもう一度違う声が聞こえたので、王の近くにいた護衛っぽい。


その後、本命の王が見たのか。


「なにいいいい!?」


と聞こえたので、全員見たらしい。


「今日はやたらうるさいな。黙らせに行くか?」


などと、買い物で買うものを忘れたかの様な軽い口調で述べられる。


「直ぐに静かになるよ、きっと。別に必要ないでしょ。それより、トカゲドリについて皆に知られたね?」


どうしようかと話し合わねば。


トカゲドリをなんの騒動もなく、飼い続けられることはなくなるのかも。


「黙らせる。問題ない」


「えー、本当?私もうトカゲドリの卵なしじゃ生きられない体になってるんだけど」


クッキーもトカゲドリの卵を使うだけでただの美味しいだけのお菓子だし、温泉卵美味しいし。


「色々、相手はやらかしているから貸しを貯めているんだ。簡単にトカゲドリを飼うなと普通は言えない。前にも言ったがおれはトカゲドリを解放しないし、離さない。移動したければ勝手にやればいい」


なんて、言う彼の顔はとても悪かった。


それはもう、たくらみ顔で。


やれるものならばやってみろと今にも出てきそうだ。


「ここここここ、コレス、これ、コレスどのおおお」


幽霊の様に、おどろおどろしい声音でドア越しに声が聞こえる。


「はっ!来たみたいだぞ」


「王様だよ、あの人」


という、エレラの態度も王を前にしたものではないけど。


「あ、あの場所にいる、恐ろしき生物はぁあああ」


「答えるべきか?」


「教えてもいいけどって言えばいいのかもね。そしたら、この時間を無駄だと思わないかもよ」


あまり直答したくなさげなので、したくなるような言葉を投げかける。


「王。お前の言葉に答える、おれの得はなんだ」


「なっ……」


絶句している。


「わ、わかった」


数秒して、葛藤したのか、ぐっとなった声音で答える国長。


「ならば、ならば一つ答えてくれる度に……なにか願いを叶えるのはどうだ。勿論こちらの叶えられる範囲にはなるが」


「そんなめちゃくちゃなことを言ってもいいのか?周りに怒られるだろ」


楽しんでいるらしい。


愛し子と貴族の件で、とんでもなく怒っていたままだった。


詫びで、どうにかできる怒りじゃなかったってことか。


「あ、あ、その。まあ、なんとかして、みせよう」


「お前以外がおれに文句を言っても、反撃できるからあまり意味はなけどな」


からかっている、あのコレスが。


遊び心は結構なのだけど、今ここで披露するべきではないと思うよ。


「なら、一つ目の質問は……その最恐生物の飼育許可だ」


「コレス、頭いい!」


そうだ、それはいいと盛り上がる。


褒めたからか、得意げに笑う。


「そ、そ、む、無理だっ」


「そうか。なら、勝手にする」


ムスッとした男はそう述べて、こちらへ来てまた椅子に座る。


王が勝手にするとはどういうことなのだ、と何度もコレスのことを呼ぶ。


だが、コレスは魔法を使ったのか、王の言葉が一切聞こえなくなる。


(一つ目で一気に興味を失った)


男の楽しげな顔や雰囲気が削がれた。


王からも、なにもかもどうでもよくなったらしいと知る。


「クッキー、美味しいって言われたし、私的には来てもらえてよかった」


「あれで美味しくないわけがない」


妖精達も美味しく食べてくれはするが、味に関してはあまり評価していない。


トカゲドリの魔力の有無で喜んでいるらしい。


「明日もそれ以降もいつも通り卵は取れる。気にしなくていい」


「よかったぁ。使えないなんて思いたくないよ」


お墨付きなので、安堵。


彼は椅子をエレラの方へ移動させて隣に座る。


「王はなにを望むと言っていた。他に欲しいものはあるか」


「それ以外だとあなたでもとってこれるからなぁ。王様に頼むものなんてあるのか」


うーん、と腕を組む。


その時チュ、と音がして頭に押し付けられる感覚にハッとなる。


頭にキスしたのだ。


「突然、なに?」


「うちの妻は可愛いと実感してただけだ」


「ふーん」


ちょっとびっくり。


「嫌だったか?」


「普通」


問いかけられると直ぐに答えられた。


なんだか、胸が跳ねたけど意識を別のところへやる。


「そろそろ家が完成する」


そういえば、家を建設中だった。


「あと、鉱石なんだが」


ゴロゴロといろんな鉱石を出す音。


見てみたら、見たことのない色がある。


それを手に取り、ころりと回す。


「蒼い、これ、いいねっ」


花火の鉱石の候補。


やっとちゃんとした色が出てきた。


「源泉と鉱石のある場所の土地は、取られずに済むことになったようで、よかったよかった」


「本当だな。奴らは源泉も見つけられないだろうから受理される」


源泉はこれでもかと、見つけられない様にしてあると説明される。


盛り上がるエレラ。


コレスはわくわくするこちらを優しい瞳で見守る。


「やっと、安心して国をいつでも離れられる」


不安だったのは、国に土地が取られるか否か。


「タケノコはどうする」


「タケノコもそろそろ溜まってきたし、タケノコも売ろっかな」


因みに消費はコレスがしていた。

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