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おっとりの秘訣は夫を窓から落とすシミュレーションをしているから〜一人旅で出奔、のはずがずっと夫がついてくるので〜  作者: リーシャ


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75水筒が大好評なのでギルド員雇用

水筒が売れ、また次に売りに行くと店を開始する前から、人が大波のように押し寄せてきた。


「な、ななな、なに!?」


どもりながら言う。


「離れろ……近い」


コレスがズズイと前に来て客達を押しやる。


気配の威圧だけで。


空気が重くなったのを自分も感じ取れた。


凄く濃いなにかが背筋を通る。


威圧感が凄い。


こういうものを出せたら、バトルモノじゃかっこいいよねと言う感想。


「離れろ」


「いや、あの、水筒を」


「は?」


「ハイ」


Sランクの眼光を受けた人達が、すごすごと後ろに下がる。


「なんでこんなに来てるんだろう」


「大方、性能が良くて皆欲しくなっただけだろ。気にするな。新しいモノ好きっつうのもあるだろうしな」


解説、ありがたい。


「そんなに性能について皆、広めたんだね……」


(私ならその情報は独占する)


内心、思ってはいけないとわかってるんだけど、やはり独占して誰にも知られないようにする。


ひねくれとは言わないで、情報を安易に発信しない口が固い人物と評価してもらいたい。


「お願いします。売ってください」


「こっちにもお願いします」


か細い声が聞こえる。


まだ販売する予定の時間ではないが、こんなに並んでいるのならば売りはじめるべきか。


コレスの殺気じみたものをすり抜けている人もいる。


軽い感じだったから、すり抜けられる人は実力者なのかも。


冒険者の中には、コレスよりもランクは低いがコツコツと力をつけてきた人達も沢山いる。


そんな人達がこの中にいるようだ。


夫は腕を組み、後方へ下がって……はいかない。


「そこは後ろに下がらないのね」


ははは、と笑う。


先ずは水筒を並べて、開店させますねと周りに声を張って知らせる。


「今日は今から売ります。是非買っていってくださいねーっ」


という言葉を伝える、と周りの客達のワッとなる歓声が聞こえてきた。


「おお、早く買いたいぞ」


「早く使いたいなぁっ」


「子供達からも買うように、言われてるのよね」


などなど、と声を聞く。


「お待たせしました。どうぞ」


次々購入されていくものを捌いていく。


コレスもいつもの雰囲気になり、淡々と配っていく。


相手の恐々とした顔など、ものともせず。


水筒はもっとないのかと、問われる。


「そうですねぇ」


次に売る時に、もっと増やしておくと述べる。


直に売るのが大変だし、自動販売機にやらせるつもりなのだがそうなると個数制限が面倒だ。


「ありがとうございました」


「買えたなんて幸運よ」


最後の商品を売り終わる。


「疲れたー。もう動けない」


見送ると会話を始める。


今まで売るのに忙しく、話している暇がなかった。


「おぶって帰ってやるから安心しろ。背負うぞ」


「背負うの大好きだね?」


「無条件に触れられるだろ」


「そういえば、それもそうか」


とはいえ、背負われて帰れるのは大変助かる。


くたくたな時に。


かなり自分的に好評。


「今日も完売してよかった」


「売れない理由はねえからな」


「保冷時間が長いって言ってたよね」


買っていく人達の中で買いたい理由が保冷できる時間。


冷たい水のまま、次に飲む時に冷たい状態で飲めると話題になったらしい。


「コレスも使ってるの?」


「話題と宣伝用に。そうしたら声をかけられるまではないが、なにかと気になると思って」


それによって、広告塔になっていた。


彼は誇らしげに笑う。


「確かに凄い効果だったね。ありがとう。助かった」


「いや、そんなことをしなくても売れたけどな」


確かに水筒は画期的なものなので、売れることは売れる。


「エレラ、お前は楽しいか?」


「勿論。とっても有意義な人生を送れてる。異世界に来てよかったってね」


「結婚してたことには驚いてたよな?」


「まあ、ね……びっくりした。気付いたら窓枠にしがみついてたから」


思い出すと改めて、凄い時に記憶がよみがえったものだ。


「でも、楽しいし。異世界サイコー」


「最高……?」


拳を握って、嬉しさを表す。


コレスは真似するけど、意味がわからないままの仕草を浮かべる。


それに、よく真似するなと思い出す。


知りたいからやる。


「さて、売り切ったけど明日から売り方を考えないとね」


そういうところが見受けられる。


「自動販売に切り替える予定は」


「人が多すぎて」


「なら、ギルドで募集して雇えばいい」


「そんなやり方もあるね」


商人などもそういうやり方をする。


この露店でも半々以上の店がギルド員らしい。


コレスが見たことある、と指摘。


「結構多いかも。もしかして、雇うのはそんなに割高じゃなかったり?」


「売り子をする時の値段を、予め決めている奴らは多い。ここにいる奴らは、安い金額で長い期間雇われているんだろう」


それならば、ギルドで雇いたい。


地元ならばお金を回せるし、一石二鳥。


というわけで、帰りにギルドへ寄る。


ギルド施設の中に入るのを非常に嫌がったものの、さすがに雇い主となる人が謎は無理だ。


エレラはギルド内に入り、コレスを伴っていく。


「はい、こちらギルド……え!?」


「露店の従業員を探しています」


「は、は、はい」


この見方、もしかしてコレスが単に後ろに並んでいると思われているのだろうか。


「で、ここは、こうで、お願いします」


人数、金額を確認して明日から雇うことを告げて後ろへ下がる。


「コレスさん、お待たせしまーーえっ」


次に来るのだろうSランクを待っていたら、エレラと肩を並べて帰っていく様に受付はぽかんとする。


二人は気にせず、ギルドを出た。


雇うギルド員は露店で顔合わせすることになるので、そこで落ち合う。


その日の夜は、まったりしながら今日のことを話し合う。


「上手く売れたね」


「当たり前だな」


「約束された成功ってやつ?うまいこと言うね」


「おれは一言もそんなことは言ってないんだが……酔ってないよな?」


「これお酒じゃなくて果実だから。ジュースだよ、ジュース」


アルコールは入ってない。


ふふん、と売れ行きに満足して寝落ちした。


寝具へは夫が運んでくれたとさ。

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