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おっとりの秘訣は夫を窓から落とすシミュレーションをしているから〜一人旅で出奔、のはずがずっと夫がついてくるので〜  作者: リーシャ


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48花火を作ることを考え始めた

ここで妻たる己がきたら、彼女の憎々しげな目や顔を向けられることになる。


そんなことをされに行く趣味はないので、彼を伴わず一人で進む。


「ああ、暑い」


夜はマシだけど、やはり気候的に温暖だ。


温泉上がりにはキツい。


ドンっと、先ほどの温泉施設付近から響くような音が耳に響く。


「なっ、なんだぁ?」


「ひぃ!」


「攻撃かっ!?」


周りも騒然とする。


これ、コレスが練習していたカミナリ落としの音と同じだ。


国に行く道中に教えて、時間時間を作ってまめにやっていたらしい。


初めて聞いた時は太鼓でも鳴らしたのか、花火でも打ち上げたのかと思った。


あ、そうだ。


花火がいいかもしれない。


火の国に花火は似合う。


今回は商品が比較的自分の手がかからないから、ほかになにをやろうかと考えていたところだ。


花火作りなんて良さげ。


火薬は手に入りやすいが、問題は鉱石かな。


色合いの良い岩石が欲しい。


「花火、いいねぇ!」


掘ってる時に出てきてくれまいかと記憶を探るも、洞窟でもないので記憶のどこにも掠らない。


隣で軽い音がして、横目で見ると夫が何食わぬ顔で立っていた。


あの女を振り切ってきたのだろう。


「花火ってなんだ」


「いや、その前に教えるっていうか、報告ぐらいしてほしい。どうなったのか結末は知りたい」


「何の話だ」


「今声、かけられてたことだってば」


「あいつは、おれたちがこの国に入った日に助けたのに図々しく後ろからうるさく声をかけてきたやつだ」


「え、なんか聞き覚えあるなって思ったけど、そうなの?えー、なにそれ?怖っ」


怖いというか、得体の知れない怖さ。


感謝を感じるのは自由だけど。


助けてくれた人が明らかに避けたのを知ってるのに、声をかけるところがもう心情的に近寄ってきてほしくない。


「カミナリ打ち込んだんだ?」


「まだ未完成だったから、近くにあった石に当たって焦げた」


恩人に後ろ足で、砂をかけていることに気付かないとは。


なんだか特権階級くさい。


「雷と言っても今のところ小さい放電って感じだから当たってもやけどが精々なんだけど、さっきのは威力強かったね」


「この国は乾燥してる。威力が上がったか、それとも、おれが妖精に好かれて、愛し子になりかけてるのかもしれん」


まさかのヒロイン化!


「嘘!?えっ?ふっ、ぷ!」


エレラではなく、コレスが少女漫画展開になるとは予想外だ。


思わず大笑い。


「待て、愛し子は男女ジョードーだ。女だけに限ったことじゃない」


「仮にそうでも、Sランクに火力与えて、領土を灰にでもしたいの?」


妖精の考えていることがわからない。


「もしかしたら妖精って、新しいもの好き?」


「そうかもしれない……な」


エレラもコレスも、新しいことしかしてない。


二人が妖精付きになったのも、頷ける考察だ。


では、他の妖精の愛し子達もなにか、珍しいことをしたのかもしれない。


風呂上がりなのでエレラはなにか飲み物欲しいなと、周りを見回す。


「の、飲み物ない。やっぱりない」


「持ってきたから飲め」


「あ、ありが、つ、冷たい?」


ひんやりしている。


「湧き水を入れておいた」


「温泉は?」


というか、こんなに続くなんて。


「湧き水だけだ。温泉があったら今頃お前は個人の温泉に入れてる」


残念。


それにしても、入れ物が竹なのだが、保温と保冷の持つ割合が高い。


密封がうまくいっているみたいだ。


「あの女、自分を愛し子と名乗っていた」


ごくりと飲む。


「ふーん。私達には関係ないね」


「この国にいる限りそうとは限らないみたいで、有権者みたいなことを周りがヒソヒソ言ってたぞ」


「えーっ。最悪」


そんなに力を持つなんて。


知ってたら、エレラがフライパンでコレスを殴って、あの時助けるのを阻止したぞ。


今のところ、この人が一方的にトラブルを招き入れているように感じる。


「責任とって、最後ちゃんと片付けてね」


「ああ。愛し子から妖精を離反させる。そうすればあの女はどこにでもいるただの小娘になる」


小娘て。


言い方言い方。


「私達とそこまで歳離れてないよ」


「嫉妬か?」


「どの意味で?竹は硬いから頭殴れば意識失うかも」


どちらの意味で使ったのか尋問。


「?……お前一筋だから、安心しろ」


「だから、どっちの意味で言ったのか聞いて、って。手を握るな」


急に手を掴んでギュッと話さなくなる。


もしかして、さっき会話してたから相手に嫉妬している、という前提で今までの会話は進んでいたと思われてるのか?


そんなバカな話はないです。


存在してません。


「妖精も邪魔してきたら魔力の網で捕らえてぶん回すから、敵じゃないな」


「えっ、妖精見えるの?」


「魔力の塊みたいなのがいる。それに、妖精がついたせいか、微かにわかるようになった」


「私には、これっぽっちだって感じないんだけど」


「それは、五感の問題だと思うぞ」


「知りたい。割と見たかった」


「もっと数を集めれば、いずれ可視化されていくんじゃねえか?」


「そうかも、ね。気が遠くなるから考えるのやめる」


今どうにかなることじゃなかった。


明日から、竹の水筒の販売のための数を得るために作り始められそうなので、ちょっと忙しくなる。


引き続き、コレスに水源の発見を進めてもらおう。


まだまだ滞在する予定だ。

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