表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/119

47愛し子制度と愛し子登場

今までももしかして、そんなふうに読めたけど周りが正しい読み方を知らなかったから、知られることなくここまできたっことか?


古代語は現代風に言うと古典のようなもの。


ほとんどの人は知らないだろう。


エレラとて知らなかったのに読めたけど、不可解だ。


「この国が妖精のいる国だから、お前を気に入ったのかもな」


「ふうん」


「なかなかないことだから、楽しめばいい」


妖精がいるのなら、姿を現して欲しい。


こちらを一方的に、知られるのもなんだし。


童話みたいに、何か話せばわかりやすいというのに。


話さないのか、とコレスに聞く。


「おれも妖精を可視化したことはない。見えても意味がない。見えない方が楽だしな」


妖精の愛し子でもない限り、妖精のことを気にする必要がない。


と、説明を受けた。


確かにまあね。


空気が可視化できても学者とか専門家しか用はない、的な感覚だな。


妖精が見えても見えるだけ。


視界に余分な情報が入ってくるから、見えない方が精神的に楽。


「じゃあ、好かれてなにかいいことあるの?魔法が使いやすくなる……以外で」


エレラの場合、攻撃しないので威力が上がっても宝の持ち腐れ。


「愛し子認定とまではいかないが、そうなったら愛し子候補予算がどうたらと、あった記憶がある」


「予算……愛し子を発見しやすくなる制度か。まあ、関係ないし、今はいいや。それよりもこの武闘大会、見に行く?」


娯楽を考えれば観に行くしかない。


娯楽といえば戦うこと、が異世界らしさではある。


非戦闘の人間の娯楽は、魔法と戦いを見ること。


面白いけど。


肉弾戦もいいけど、特殊な魔法が見られてお得感あり。


オリジナルなものを期待されているものの、特許の問題もあって披露されることは滅多にない。


例外は王侯貴族かな。


昔よりは平均的になったけれど、それでも貴族が平民よりかは上の国は未だ存在する。


それでもSランクに手を出してはいけないという認識は同じらしい。


脅威を知らない人がやらかすのだ。


前例を並べるのならば宝石を寄越してきた老婦人と令嬢だろう。


なんらかが起きて再起不能状態に陥ったに違いない。


特許が必要ないような、オリジナル要素しかない魔法は今や見つけるのが困難である。


ありふれた要素を掛け合わせるしかない現在の魔法は、擦り切れていた。


なので、コレスの現代における魔法の再現はかなり夢中になってやっている。


エレラの魔法も現在は、新しい花ということになるので、どれを出しても注目される。


ドライフラワーにしたのは無難な花ばかりで、派手な花は選んでない。


また出かける準備をして、公衆浴場へ赴く。


別にコレスは毎日入らなくてもいいと言ってはいるが、律儀に共にそこまで付いてきて男湯に入る。


しかし、烏の行水かなというほど先に出ているので、入っているのかは謎。


中に入ると特になにかいうこともない公衆浴場の見た目だ。


下をくり抜いたという感じで、洞窟っぽさがある。


普通の温泉なので、心地良くはある。


(個人温泉欲しいなあ)


上がると、コレスが待っていた。


女の子に声をかけられていたので、眉間に皺がよる。


公衆浴場にまできて、なにをやってるんだ彼女は。


せっかく入ったのに気分が台無しである。


エレラの感覚では無闇に何の関係もない異性へ髪を濡らしたまま近寄るのはあまり、という気持ちだ。


異世界だから違うというわけでもないので、彼女の行動は相手が伴侶ありの場合白い目で見られるのである。


「まさか、会えるとは思いませんでした」


しかし、この世界で伴侶がいるかいないかの判断は今の所決まってない。


「あの、お名前うかがっても」


指輪をはめる習慣もないので。


「はぁ」


面倒だとため息を吐き、そのまま自宅のある方向へ向かう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ