46魔法石を電池のように&古語
かなり苦しそうでもうやらなくていいと頼む。
「おれはお前を、あまり見られたくねえんだよ」
それはよく知ってる。
他の人に見られると嫌そうに見ているから、相手の対応を観察してるなとわかりやすい。
市場を一応回ったので家に帰る。
やはり安いから壁が薄い。
そこをコレスがかなり色々こちら監修でやってくれた。
例えば、熱くするとか。
そこは植物性を使った遮断材を使い、熱さを和らげる。
彼が持つ超貴重な冷たさを放出する石を家の中に設置。
そこからエアコンっぽく作る。
行き渡るように風邪を回す。
最近、彼が魔法石を電池のように使おうと試みている。
この世界じゃ魔法石の使い道は限られていて、普通に使われているわけじゃない。
エレラにも魔法石を使っても、それを使う道具を作る知能がない。
それができたらきっと、コレスから独立できる。
ので、使えなかったことが残念でならない。
なかなかうまくできない彼はこの国の次は機械工学が盛んな国に行きたいと願う。
しかし、この世界にそんな高度な文明を持つ国はない。
魔法が栄えると機械は栄えず。
魔道具という位置づけにしても、その魔道具が作られてない。
特許が有料ばかりな時点でお察しだが、知識財産は所有者独占。
つまりは、広まることなく進んだ世界。
みんなが知れば新しいものが生まれるというのに。
それとも、コレスは魔道具の強い国をどこか知っていてこちらに教えているのか。
「あったら良かったんだがな……なさそうだ」
「別に異世界レベルの高度な差はなくても、近いような魔道具とか、集まってるところ、ない?」
「あったら良かったんだがな」
さっきから同じことばかり。
そんなにないんだな。
あったら良かったんだがな、と三度目の呟きに、手に握られているもの。
扇風機っぽいもの。
貴族独占の具師や、個人でやってるばかり。
そんなんだから、不便なのだ。
お風呂関しては魔法でカーテンを作ってもらってるので気にしてない。
長年この生活なので、本当に無理だとはなってない。
慣れれば、なんとも思わなくなる。
心理心理。
コレスはこちらに来てどかりと座る。
隣に座るのが好きらしい。
何日も同じ態勢で飽きないのか。
「あ、これ、市場で盛り上がってた」
荒い素材の用紙を置いて、テーブルで見られるようにする。
「ああ、それか」
「知ってた?」
彼から、この国に来た日から耳によく入ってくると伝えられる。
耳を魔法で強化する魔法を無意識に使っていた彼に、さらなる使い方を教えたら。
さらに遠くの音を拾えるようになったと、喜んでいた。
「武道大会。こてこてな名前なのはどの世界も変わらないのかも」
「この文字はそう書いてあるのか?」
「……ん?」
「古代語だ」
「……ああ、そ」
嫌な予感がしたので読まなかったフリをした。
「これ書いた人もそう読めるように選んだんでしょ。読めても不思議じゃない」
「おれは戦う、と読めた」
「戦う大会、直訳っぽい。まあ、例え、読めても誰も知らないからなんの事件も起きない。多分。起きませんように」
彼からすれば直訳で、自分からすれば正しい意味に読めたとは。
なんで、そんなふうに読めたのか謎。




