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32ボウリング進化と引っ越し

コレスは十分な美しさだと評価するのだが、エレラ的には納得できない。


もっともっと、繊細で力強さを表せられていないからね。


真紅もいいけど、有り得ない色もやりたい。


緑とか、水色とか、金色とか。


前の世界ではなかった色合いをこの魔法のある世界ならば再現ができる。


「よし、またおれがやる」


かもしれない。


黒い薔薇もオーロラ色の薔薇も可能かもしれないのだ。


やっぱり赤が基本なのだが、せっかく異世界にいるのだから他の花の色を再現したい。


「うん。好きにやっといて」


この世界では初のゲームスポーツなので、誰も文句なんて言わない。


ゲームの制限がないので、無制限で延々とできるのだ。


その日から数分、うちの前ではゴロゴロとボウリングをするコレスがボウリングをやるのを眺める日ができた。


自分も健康的な意味で体にいいからやっている。


時間が空いたらやっているので、日々上手くなっている。


ピンも、コレスが形を知るとそのままの形で彫ったり飾ったりして、作っていくので数も増える。


ゴロゴロ、と音が聞こえてくる。


今やレーンは引かれてないけど、ピンがあちこちに置かれていて今や全てに当てて倒している。


そして、ピンにかけた魔法がピンを、即座にきっちり元の場所に戻すようにしていた。


さすがは最強だ。


魔法もすぐに思いついたし。


ピンを立てる魔法は異世界では自動でピンを並べてくれる機械みたいなものなので、違和感はない。


似たような光景だ。


彼はもうボウリングマスターだ。


プロだろう。


それでも飽きてないらしい。


日々、ボウリングを繰り返している。


なにか障害物を置くことを提案。


それはいいと、嬉しそうに木の幹をどんと置いて飛び越えさせる。


ボウリングというより、ビリヤードっぽさがある。


どんどん障害物を増やしてエレラの知るボウリングとは違う風景になってしまっている。


自分はまだ普通にできるようにしてあるので、どんどん上手くなっていっている。


しかし、コレスとやるには次元が違いすぎてやる気はない。


接待になるし、異次元なのはわかりきっているから結果は見えている。


ということは、第三者にしてもらうしかないよね。


その第三者がいないから黙々と、二人がボウリングを一人でする他ない。


淡々と、本当に一人でやっていく。


これはボウリングなのだろうかと、スポーツの意義が揺らぎそうになったので、雑貨屋のエレラにゆっくり戻ろう。


そもそもボウリングは、片手間にやろうと思っていたからいつやめてもよかったのだ。


コレスに引きずられたみたい。


現在かなり精巧になってきた薔薇にグラデーションをつけていた。


赤は赤でも色の薄い部分を足している。


これでいければ発売もいけるかもしれない。


それと、そろそろ引っ越しを始めらのもいいかもしれない、と思い始めている。


ドライフラワーやその他の商品の売れ行きがよすぎて、思っていたよりも早く資金が貯まったのだ。


「身辺整理しようかな」


家の中は大丈夫だが、借り家なので早めに解約しよう。


どうせなら次の家は買いたい。


小さくていいから。


コレスがボウリングの日課を消化して隣の席に座る。


ボールのときは集中したいからと離れていたけれど、今は終わっているので反動が強くまたここにいる時間が、前より少し長い。


「なんだ。なにか考えているのか?」


唐突に聞かれる。


まさに色々、将来のことを考えていたから。


「なんでわかるの?」


「外にいた時身辺整理すると言っていただろ」


(聞こえてたの?耳すごいな)


エレラは絶対にその距離は聞こえない。


「そうそう。引っ越しもそろそろ考えないとなぁって」


高位のギルド員や強い人とは、そんな身体能力を全員当たり前のように持っているのだろうか。


「ついてく。朝起きたら居なかったということはしないでくれ」


今まで、ミリもセンチも気にならなかったから、聞いたことがなかったなぁ。


「したくても隣にいるときに出ていくの逆に可能って思う?無理無理」


前に若干成功した時は、コレスが少し遠い場所に仕事をしに行っていたから、成功した。

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