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18花占いと花冠

人間だって、自分達は人と呼んでいるがエレラの知る人間とはきっと別だろう。


魔法が使える点からして、同じ人類ではない。


火を使ったあと、どう進化したら魔法が使えたのか。


いや、人類の前の類人猿の時から、もっと前の哺乳類から使えたのかも。


野生動物でも使える種は確認されてるから、そうかもしれない。


サクラを想像するだけで、心に哀愁がくる。


下手に思い出さないようにしよう。


寂しさで胸が埋め尽くされてしまう。


コレスはこちらの機微を察したのか、背中をゆるりとさする。


ちょっとしんみりしてしまった。


エレラはもう平気だと告げる。


「お前の世界の遊びを知りたい。攻撃力の上がる可能性のある知識も気になるが」


言われてそうだなぁ、と頭に浮かぶ数々のあれやそれやを彼へ教える。


流用してくれれば、こちらの生活水準もぐっと良くなるかもしれない。


なにか良いのはないのかな、とエレラはうーんを腕を組み、どれにしようかと選ぶ。


色々あり過ぎて悩むんだよね。


それを座して待つコレスは、こちらの背中を撫でるのを持続中。


今は指摘しなくてもいいや。


なんとなく慰められてるし。


ないよりもあった方が気が紛れる。


彼もそれを軽く見越しているらしく、遠慮なく絶妙な力加減とリズムでしていた。


あやすのが上手い。


遊びと言われたので、知識を思い出す。


トランプとか、あやとりとか。

身近なものを使うのなら花占いかな。


遊びとはちょっと違うけど、娯楽の少ない場所ではとっても流行るだろう。


花を魔法でふんわりと出現させる。


異世界での占いだと説明。


一枚一枚ぷちぷちと違っていく。


これはエレラの魔法なので、野生の花を無駄に違って資源を失わせているわけではない。


かなり自然界に配慮した方法。


夫は妻の出した花を掴んで花占いをする。


好きとか嫌い。


そんなシンプルさでやれば、彼は「これはオオウケするぞ」と述べる。


だろうね。


自分もそう思うので花占い用の花を置いておくのもありかなと思う。


レジ前に置いておけばいい。


買えば取れる仕様にしておき、花占いを普及させられる。


レジ前に置くために、ドライフラワー化させておけば枯れまい。


なんとよいアイデア。


いける、いけるぞ。


段々店内の構想が固まってきた。


気がする。


「男もやるから多めにおいとけ」


「え、やるの?」


「おれならやる。毎日」


「ま、毎日……?」


男女が同じ数やると語る、彼の言葉が信じられなかった。


己の世界では女子の使用率がダントツで高かったので。


しかし、言われてみればこの世界では性別差など、出産に関することくらいかもと日々の暮らしを思い出す。


貴族はまた違ったルールがあるみたいなので、省く。


モンスターの狩りを行う冒険者も、半々の割合い。


占いもそうなるかもしれない。


「恋占いの部類なんだけどね、これ」


「恋関連じゃなくても使える」


「花に背負わせ過ぎな気が」


一輪になにをやらせる気なんだろうか。


花にも限界はある。


男はしかし、それを気にせず花をまたプチッとやっていく。


気に入ったらしい。


「枚数が決まってるから逆算すれば」


「あーっと!それは言っちゃダメ」


彼の口を両手で塞ぐ。


種も仕掛けもない。


種は花だからあるけども!


「言わぬが花」


「……まあ、別にいいが」


さすっていた手を止めた彼は、あっさりと言わない方向へ。


それを見届けて口に当てていた手をどかす。


「あとは、花を使って冠を作る」


「冠ってのは、頭にあるあれか」


「そうそう」


花を編み、輪にして完成品を見せる。


手に取るとじっくり見るコレス。


「リーフ冠っていう葉の部分だけで作れるものもあるから」


花だけではなく、ツリー種もできるので葉を出す。


それを取って繋げていけば、リーフだけでできたカンムリができあがる。

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