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118/119

118ボウリング屋でプロムが留守番していたが夫に連れていかれる

ただでさえ、モンスターがあちこちにいる場所に暮らしているのになにを得たいのかさっぱりわからない。


ここでの生活はかけみたいなものでは?


いつ、襲われるか不明なところとか。


「やぁ!代わりに留守番してたよ!」


ボーリング屋に舞い戻ると何故か店主側の席に座っていたSランク。


プロムはなにもなかったようにボーリングの道具を触っているが、彼は衛兵らに連れて行かれたと思っていた。


コレス辺りが牢屋に入れろといいそうだ。


「お前、水の国のSランクらしいな」


腕を組み威圧感を醸し出す男が問いかける。


「あ!君!君もSランクなんだね?エレラさんもすみに置けないなぁ!夫がSランクなんてっ。水の国のSランクではあるけど契約はしてないよ?」


「プロムなんでいるの?」


「釈放されたのさ」


「釈放されたのやつの態度じゃないね」


プロムの見た目は子犬系だ。


だれかたぶらかしてないだろうな。


「Sランクの先輩たちを物見遊山しようかと」


「Sランクの恒例行事」


笑った。


だれもかれもがやるらしい。


同じことをした自覚のある隣の男は己のことを勿論棚に上げていく。


「もう見終わっただろ。さっさと帰れ」


「えー、もうちょっと見る」


「そうか」


コレスの返事があっさり貰えて嬉しそうにしたプロム。


しかし、そんなわけもなくあっさりSランクの首をわしづかみ、男は空へ跳んだ。


「えーっ!なにーっ!」


驚いているけど、焦りのない声に流石はSだとある意味納得した。


向こうに声が聞こえて消える。


次に会ったときにどうなっているのかは、コレスのみぞ知るのだろう。


「いってら」


手を振っておく。


ボウリング屋を続けた。


やはり回転率は良くないが、客の満足度は高い。


利益や金銭を目的にしてないので、儲けが少なくても構わない。


別のところで稼ぐからね。


コレスが大会の優勝者ではあるが、それに関しては辞退していた。


つまり、大会も大会のトロフィーなどの授与式も。


あくまで出たいだけだったらしい。


元々出る予定ではなかったけど、こちらが大会を見に行くからと、見て欲しいだけの欲望で出場した男だ。


「ふぅ、取り敢えずボウリングも順調だし……変なSランクもどこかに行ったし、平和だ〜」


家に帰ったら温泉でまったりしよう。


休憩時間に屋台を回る。


「美味しい。サクサクしてる」


てくてくと歩いていると、いい匂いもしたのでそこへ向かう。


「安いよ安いよー」


「うちは直接取引しているから新鮮だよ!」


「ぷりぷりでうまいぞ!」


「来れ!我が飯を食えっ」


(一人、違う世界観の売り子がいる……!)


エレラはそこが気になって寄る。


その売り子の売り文句が気になるからね。


「おう!ありがとう!ははっ」


「ラーメン!?美味しそう」


「ん?これを知ってるのか?」


「初めて見ましたけど似たものを知ってます」


「え?本当か?なら、味噌醤油という言葉を知ってるか?」


ラーメン店主が見せたのはボロボロになった本。


「味噌なんてここら辺にあるのか……私も探してはいるのですが見たことはないですね。醤油に似たものはあったのですが」


悩みつつ、告げる。


それでも彼は嬉しそうであった。


その本は古本屋にあったもので、その本を元にラーメンを制作したらしい。


「なに?醤油があると?も、もしよければ分けてくれないだろうか?勿論お金は払うゆえ」


「無償でお譲りしますよ」


「いやっ、それは悪いので」


お互い引かず困った。


(どうしよう)


そうして言い合っているとコレスが隣に戻ってきた。


「それなら特許登録して、売ればいい。作り方も公開すればいい」


「あ、まぁそうなんだけどさぁ」


醤油に関してはコレスの発酵の魔法が基礎になっていて、コレスにしか今の所できない。


「発酵の魔法なら、特許で一緒に登録するから気にするな」


「えっ、いや、そんなことで貴重な魔法陣を」


構わないと彼は優しく目尻を緩くさせて、こちらを説得しにくる。


「決まりだ。お前は好きなだけ好きなことをしろ。それがおれのしたいことなんだからな」


(泣かせにきている)


「うーん、でも」


流石に好意にあぐらをかいているようにしか感じない。

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