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おっとりの秘訣は夫を窓から落とすシミュレーションをしているから〜一人旅で出奔、のはずがずっと夫がついてくるので〜  作者: リーシャ


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112/119

112Sランク全員を見に行ったらしいけど気付かれなかったらしい

人が己より強い存在を指標にするのは、異世界でもよく見られることだ。


「当主の印、ないことに気付くかな?」


「遅くなるだろうな。これは強固な金庫にあったから、確認も月に一度やっている程度だった」


「見に行ったのかぁ。どうだった」


確かに言っていても不思議じゃなかった。


「三男を叱りつけていたが、あれはまだ事態を把握してないから軽かった」


王に呼び出されて、平民落ちを言い渡されて漸く後悔を知ることになる、ということか。


「おっそいな。もっとしゃっきり然るべき対応をやるべきなのに。人を脅して、襲わせようとして、私兵を使ったのに見通し甘すぎ」


くどくどと言いたいことを好きただけ垂れ流していると、コレスがうんうんと頷く。


相打ちで「滅ぼしたい」「平民落ちだけじゃ納得できないよな」「わかる」「親バカじゃなくてバカなんだぞ」「可愛い」「そうだな」などなど、似たことを言い合う。


それにエレラも同意だと共感し合うと、話が別のところへ移る。


「Sランクって、会合みたいなことしないの?」


「個々の奴らがそんなつまらない集まりには集まらない」


「誰か企画しそうだけどなぁ?しない?面白そう」


「やっても構わないがほぼ集まらないぞ」


「バトルするっていうエサは?食いつかないかな?」


「するとは思うが……昔、Sランクに要請が来た時に、三人ほど集まったのが最大だろう」


「少ない!」


「どうしたらくるかについては直ぐには言えない。考えたことなんてねえしな」


「なんでも手に入るもんね……その、世話焼きそうなSランクっている?」


「見た感じ、治癒魔法特化でSランクの女が常識的にだった」


「もしかして、全員見に行った?」


コレスから見学しに行きそうだ。


「した。誰も気付かなかったから直ぐに撤収した」


「気付かれたらどうしてたの?」


「話して、世界を壊す思考をしているか確認するつもりだった」


「あー、闇落ちの確認か。それは大切なことだ」


確認しないとエレラも落ち落ち寝ていられまい。


確認されるのならしたいだろう。


で、気付かれなかったのなら彼らはコレスの存在を感知できなかった、ということなのか。


「強さは把握したが、少なくとも気配を消して近付ける。一つおれの弱点がなくなった証になるぞ?」


「なにかあっても、安心だね」


笑みを浮かべたまま答えると彼はこちらを困ったように見ている。


「おれがこんなに強くて嫌にならないか?」


そんなことを聞かれるなんて。


「とんでもない!モンスターがうじゃうじゃいる世界なのに、強ければ強いほど、私は最高に嬉しいだけだけど」


「そうか!」


喜ぶコレスは今更確認してくる。


Sランクと隠さず求婚されたのだ。


Sランクの中で一番強くても弱くても誤差。


元からそういう存在と理解していて、結婚したのだ。


当然、そういう心持ちで生きている。


本当に今更ながら確認されても、逆になんで今更なのかと思うだけ。


「コレスこそ、私弱すぎるけどいいいの」


「弱さなんてカバーできる」


「だよね」


「おまけに日々妖精が増えている。おれだけでも単体で火力が違う」


それは思っていたけど、国を跨いでもついてきてくれるのか疑問が残る。

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