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105/119

105王が来る。そのやり取り今いる?

さてはて何をしてもらおうか?


二人は王に願う内容を待つ時間を使用して考えることにした。


「土地とトカゲドリについてはやってもらったから、大体叶えてしまってるし、やってもらうことになってやっぱりないよね」


「そうだな……むちゃぶりでもするか」


二回目の願いの時点で、だいぶむちゃぶりなのだが。


彼にとっては、むちゃぶりでも何でもなかったみたいだ。


エレラ的にはどっちもどっちな感じがする。


今回は、王でもなかなか叶えられないからこその何かを叶えてもらおうかなと思っている。


例えば、わかりやすい権力がある相手を牽制できる何か。


王よりも上の立場。


それを証明できるものがあれば、今回のようにどんな権力者が来ても簡単に追い払えるだろうし、安易に手を出せなくなるだろう。


そうでもしないと王の悩みが今回のようにすぐに出てくることになる。


三回目になる迷惑のかけられ方は、自分たちでないと跳ね除けられなかった。


「私たちじゃなかったら普通に冤罪かけられてたね」


「正当防衛なのにな」


お互い言いたいことを言う。


と言うよりも、火の国の貴族は、男爵から侯爵まで暴虐が過ぎるのではないかと思う。


貴族関連のトラブルが、そういう意識の歪さが招いている。


そうではなかったら、男爵の娘がまるで男爵本人のように振る舞うことなど、ありえない。


「この国、早く出た方が良いのかもね」


娘は貴族籍ではあるが、男爵と同等の権力を持っているわけではない。


和力の温泉はすごくもったいないが、トラブルの数を考えたら手放したほうがいいような気がしてきた。


手放したくないけれど。


手放しはしないが、国から出て行きたくなる。


エスランクから逃げ出された国なんて、ここ位なものなのではないかと思う。


コレスは悩む顔をして、唸る。


「せっかくいろいろ用意したのに、すぐに手放すのはさすがにどうかと思うぞ」


「そんなこと言ってる場合?」


「責任は、権力のトップに自ら取らせれば良い」


「そうは言っても、王とは何の関係もないところでトラブルを起こされるんだから、責任を取らせるという言葉だけじゃ、どうにもならない気がする」


「やっていくしかない。馬鹿にはなにも把握できないんだからな」


彼の言うことはもっともなのはいいとして、貴族にはもう近寄られなくない。


あと、愛し子ね。


男爵と侯爵がトラブルを起こしたとなれば、もうどの爵位の貴族にも期待はできないようなものだ。


下から上まで見事にビンゴ!である。


もう何も叶えてもらう必要がなくなった自分たちはどうしたらいいのだろうと悩む。


でも何か叶えてもらわないと今回の割に合わない。


何かをマイナスにするというのはこちらの損害になるし、誰にとっても幸せにならないから無理だ。


「コレス殿!コレス殿ッ」


王の声が聞こえる。


その人の声を覚えてしまうくらい来ていると言うのは、あまり褒められたことではない。


悪いのは統括している国の中の貴族だし。


どうにかしてもらいたい。


問題を起こすのは、もっぱら権力を持っているものばかり。


権力を剥奪してもらいたいのは、当然の気持ちになる。


「今開ける。開けても良いか」


「うん。開けてあげて」


野ざらしは流石に可哀想。


おつきの人たちには入らないでもらいたいと王に伝える。


それに、反抗する護衛たち。


コレスがすかさず「誰に危害を加えられたか知っていても反論するのか?ああ?」と相手を睨みつける。


たったさっきまで命を踏み潰されかけた。


権力という名のタイヤで。


それなのに、さらにまた地位が高いからと上から目線で家に上がられるのは、無神経だと彼は訴える。


「いや、いい。コレス殿達のいうことはもっともだ。下がっていなさい」


「な!しかし、王!」


「今回は王家に近い家がやらかした」


静々と彼は受け入れているらしい。


確かに親戚とか、そういう関係になると思う。

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