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ついに




 兄ちゃん、姉ちゃん、栞太かんた

 俺だよ、俺俺。

 え?俺俺詐欺だから念話を切るって?

 ダメダメ!切ったらダメ!

 俺今超あり得ない状況に置かれてるんだから。

 本当に。よくわかんねえの。

 あのさ。休日の今日にさ。注文していた神作家様の二次創作の御本を受け取りに本屋に行ったわけよ。

 身体も心も魂も、ほくほくしてね。もう、今が旬の焼き芋に負けないくらい、ほくほくほかほかしててさあ。

 もうさあもうさあ。封を切りたくて切りたくて。唇を嚙みしめてさあ、家まで我慢してさあ。駆け走って駆け走って家が見えた瞬間に、飛び跳ねたらさあ。

 あらら不思議。

 囲まれていたわけよ。

 強面の四人のお兄さんたちに。

 四人って表現が正しいのかよくわかんないんだけどさあ。

 いや、四人だよなあ。超リアルな仮装をしてるだけだよなあ。アニメか海外映画でしか見た事がない派手な格好をしていてさあ。

 ハロウィンはもう終わったんだけどなあ。

 仮装が必要な仕事をしているだけなんだろうけどさあ。


 何の用ですかって、俺、にこやかに話しかけたわけよ。

 俺を囲んでいる背が高いお兄さん四人にさあ。

 そうしたら、お兄さんの一人が俺に尋ねてきたわけよ。

 おまえは大谷栞太だなって。

 栞太が何か変な事に巻き込まれてるって思った俺は、即刻違うって言ったんだよ。

 解放されたらすぐに栞太に知らせようと思ってさ。

 別人だったら解放されるって思うだろ。

 違ったんだなあ。

 え?どーゆーことですかあ?

 何かさあ。四人のお兄さんが全員聞き慣れない外国語を話したかと思ったらさあ。

 急に眠気が襲ってきてさあ。

 睡眠ガスを使われたと思った俺は、助けてくれって大声を出しながら一人のお兄さんにタックルをかましたわけよ。

 神作家様の御本を胸に抱えてさあ。

 その後は、覚えてない。

 どうせ痛めつけられるんだろうけどさあ理不尽に俺が何したってんだよほんと。

 あ~あ。本当に、世の中クソだなって、思っちまったよ。

 ごめんなさい。神作家様の御本を抱えながら言う言葉ではないんですけど。



 クソがあ!











(2024.11.2)






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