表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/165

134.青き春




 はしゃぐ無邪気な姿に、けれど、違和感が生じる。

 ぎこちない、と言うべきか。

 まだ抑えつけている、と言うべきか。

 年相応の振る舞いを、今になって、この仙界に足を踏み入れて、大仙人と出会って初めて、漸く赦されて、行っていると言うべきか。


 誰に?

 誰に赦されたと言うのか?

 青き春を謳歌してもいいと誰に、赦されたと言うのか?

 守られるべき子どもであっていいと誰に、赦されたと言うのか?




 それは無論。


(自分自身、に、か)






 人間界の竹林。

 心槍しんそう妖具ようぐ青丹あおにの中にて。


 涙を堪える栞太かんたの首を、凍夜いてやはそっと優しくしっぽで触れ続けていた。


(どこが似ているんだか)


 正真正銘、我慢しているだけの、我慢している事すら気づいていない、幼子ではないか。


(………いや、まあ。我慢してるって言えば、我慢してるけど。僕も。仕方がないって、受け流しているけど。淡々と………でも、受け流す事ができなくて、逃げて来た。仙界に)


 同じなのか。

 ふと、湧いた思考。

 同じなのではないか。


(この子も仙界に逃げて来たのか)











(2024.4.18)




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ