表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/165

131.重宝




「蝶よ花よと背負った方がいいって流柳りゅうりゅうに言われたから、すごく気を付けて來凱らいがいを背負ったんだけど。やっぱり負担がかかったみたい。起きないね」


 人間界の竹林にて。

 淡雪筍あわゆきのたけのこと黒龍と白龍の鱗の生え変わりの現象が要因で暴走していた心槍しんそうが、黒龍と白龍の鱗の生え変わりの現象が治まって、正気に戻ったのを見届けてから眠りに就いた來凱らいがいは、ずっと眠ったままであった。

 來凱らいがいを背負って、淡雪筍あわゆきのたけのこを取り込んだ心槍しんそうの槍である青丹あおにを持って逃げていた八雲やくもは、草苺をあと一粒だけと決めて、味わって食べながら、とても静かに眠る來凱らいがいを見つめていた。


「すごく静かに眠るんだね、來凱らいがいって」

「うむ!共に眠る時は重宝するな!」


 八雲やくもの横に座っていた灼蛍しゃっけいもまた、來凱らいがいを見ながら言った。


「起きないかなー」

八雲やくも來凱らいがいに用事があったのか?」

「うん。ちょっとね。でもまあ、今回はいいや。用事はまた今度で。このまま寝かせると風邪引いちゃうかな?俺、來凱らいがいの家に送ろうか?」

「では、余が來凱らいがいを送ろう」


 土下座を解いた心槍しんそうであったが、來凱らいがいと共に食べようと考えていたので、勧められる草苺にはまだ手を付けていなかった。


「体調は大丈夫か?」

「ああ。だが、まだ淡雪筍あわゆきのたけのこを取り出すのは不安なので、あと、そうだな。三日したら、淡雪筍あわゆきのたけのこを取り出す。場所はここでいいだろうか?」

「ああ。吾輩はここで待っておる。微塵も動かずに待っておるので、よろしく頼む」

「ああでは、淡雪筍あわゆきのたけのこと一緒に取り込んだ人間の少年と、凍夜いてや様を「暫し、待て」


 心槍しんそう栞太かんた凍夜いてやを、両の手で横向きに持っていた妖具ようぐ青丹あおにから取り出そうと言おうとした時だった。

 妖具ようぐ青丹あおにから、ひょっこり、九尾の妖狐が出てきたのだ。











(2024.4.16)




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ