【恐怖恐怖恐怖恐怖】
デスゲームに強制参加された時から恐怖を抱くことは数えきれないほどあったが。 もう、限界だ。
今回のデスゲームは、あの映像は、無理だ。怖くて恐くてたまらない。
どうしようもないくらいに怖くて恐ろしくて苦痛だ。
どうすることもできない生き地獄を味わっている気分だ。
怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。
そもそも、どうして。何故。俺がデスゲームに強制参加しなければいけないんだ。 どうして、何故。俺があの映像を。大の苦手で大嫌いなホラーかつグロテスクな内容のモノを閲覧しなきゃいけないんだ。 何故に。俺がこんな真っ暗闇の底に落ちなきゃ。明かりが一つもない空間に落とされなきゃならないんだ。 怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。
俺は、いつだって。皆が望んでいる英雄像を演じてきた。期待に応えていたはずだ。 どんなにやりたくなくても。どんなに怖くてたまらなくても。全部、完璧に こなしたはずだ。 恐怖に満ちるホラー系統な物事も。暴力的で争いの絶えないグロテスクな物事も。嫌で苦痛な地獄は全部、我慢したのに。 恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
どうして、こんな目に遭わなくてはならない。どんなに我慢しようが、期待に応えようが。まだ足りないのか。 本当は恐怖になんて一ミリも打ち勝っていないから、こんな目に遭わせるのか。遭うのか。 こうやって、絶望に陥れる荒治療をするっていうのか。 もっと、完璧な。もっと、優れた。もっと、勇ましい。理想で望んでいる英雄像になってほしいというのか。 恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。 恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
理由は何にしろ、そんなのあんまりだ。無茶苦茶だ。粗野粗暴にも程があるっていうものだろう。 恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。 俺は、俺は、俺は――、もう怖い思いも、恐ろしい体験も、何だってしたくないのに。 まだ。まだ、まだ――、歩み続けなければ。進み続けなければ。先に行かなければ。いけないの、か。
たかが、偶然にも。お化け・悪魔・鬼の三種族の血を引き継いでいるだけで。歴代の中でも優れた能力があるだけで。 そんな、全部の責任を背負わないといけないのか。結局は、それだけのことで何の意味なんて無いのに。 俺はこの世界で生きている一人の者でしかないのに。そこまで、そんな意味の無い馬鹿げた事を全うしなければならないのか。英雄なんて、他に沢山いるだろうに。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
自己防衛や護身用以外で、過剰なまでに鍛える必要なんかあるのか。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。 自分の身ぐらい。自分で護れる程度でいいだろう。戦いを望んでいないのに、戦うための力を付けなくたっていいだろう。平和な世界に、平穏な現在を、わざわざ自ら争いを生みに行くなんて馬鹿げている。血を撒き散らしたって、復讐や悲劇が増幅するだけなのに。何故、何故。必要性を全く感じないのに。どうして、そこまで荒々しく活動するのか。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
俺は、平和で平穏な世界と現在を。緩く気ままにのんびりと過ごしたいのに。 ただ何気ない日常を。マンネリした日々を。穏やかな月日を。刺激すら何も無い毎日で暮らしたいのに。 何も考えず、何も気にせず、何も心配する必要ない。何も苦しくなく、何も辛くなく、何も恐怖を感じない。 そんな、年月を。重ねていきたいだけなのに。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
俺の理想は何一つ、叶わない。褒美としてすら、一日も。一時も。叶えてくれはしない。 この人生、全員の期待に応えてきたんだ。皆の望みを叶えてやったんだ。一度くらいは見返りを求めてもいいだろう。 金品、栄光、地位、表彰、高級品、期待なんて、そんなくだらない馬鹿げたモノなどは要らない。 安心、安全、安泰、平穏、平和、気楽を捧げてくれよ。少しは休みを、休暇を、落ち着ける生活を贈ってくれ。 こんな心身ともに休まらない現実なんて要らないんだ。俺の為にと想っているのなら、誕生日くらいは本当に欲しい物を。心の底から乞うモノを。届けてくれ――。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
誕生日くらい、心身ともに休んで楽しむものじゃないのか。
誕生日くらい、俺が好きな事をして。自由に活動しても許されるものじゃないのか。 誕生日くらい、期待に応えて。恐怖を我慢する必要は無いはずじゃないのか。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
ああ、どうして。何故。俺ばかりに期待を押し付ける。恐怖を与える。
もしかして、俺が悪いのか。俺が全て悪いのか。俺が悪いから、そうなるのか。
俺のせいで。俺自身のせいで。俺の存在があるせいで。俺が平穏に生きたいと望むから。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
罰として、一番に苦手で嫌いな恐怖が襲ってくるのか――。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
そうか、ああ、そうなのか、そうだったのか。俺が悪いから、自業自得で悪いから、欲深くて悪いから。 結局、俺が。俺自身が。悪いのか。だから、だからこそ、恐怖は続いていくのか。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
俺が、俺だから、俺で、恐怖が永遠と渦巻いていくのか。
俺は、俺、俺という、俺なの。恐怖が、永久に降り注いで来るのか。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
怖い事は、恐ろしい物は、苦しいモノは、嫌いな日々は、訪れて引き摺り込むのか。 罰として、トラウマを何度も、無数に、無限に、与え。捧げ。贈り。届けるのか。 昔も。過去も。昨日も。前回も。今も。現在も。今日も。今回も。未来も。将来も。明日も。次も。この先も。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
生きている限り、生き続ける間、活動を辞めない時、永眠するまでは。より恐怖を引き立たせる。 ずっと。ずーっと。繰り返されていくのか。どんなに拒否。拒絶。否定。断りを入れようが。 俺が生存していれば、たとえ、どんな形でも息をしていれば。素早くも、遅くも、やってくる。 どんなに泣いても。どんなに泣き叫んでも。どんなに泣き喚いても。どんなに泣き続けても。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
くる。みさせる。あたえる。よませる。おどろかす。おどす。おどらす。えんじさせて。わらっていく。 おわりなんか。つげずに。おわらせることは。せずに。なんども。かいしする。つづきをつむぐ。 おれのために。みんなのために。だれかのために。おれへと。ぷれぜんと。するんだ。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
あぁ、そんなの怖くて。恐ろしくて。暗くて。悲しくて。苦しくて。辛くて。痛くて。生き地獄で。たまらない。 こうなった運命。致し方ないのは分かっているつもりだ。だけど、だが、でも。 誰か、この際、怖い事をしないのなら。恐ろしい事を見させないのなら。誰でもいい。 俺様を、俺を、助けてくれ。救ってくれ。護ってくれ。
助けて、くれ――、
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。
恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。恐い。怖い。
暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。暗い。嫌だ。恐ろしい。怖いよ。助けて。期待に応えたくない。辛い。怖いよ。助けて。期待に応えたくない。辛い。怖いよ。助けて。期待に応えたくない。辛い。怖いよ。助けて。期待に応えたくない。辛い。怖いよ。助けて。期待に応えたくない。辛い。怖いよ。助けて。期待に応えたくない。辛い。苦しい。悲しい。恐怖で心が一杯だよ。もう、無理だよ。俺には出来ない。俺はやりたくなんかない。俺はしたくない。俺は鍛えたくない。俺は戦いたくない。俺は恐怖をもう感じたくない。俺は――。
「――錆榴さん…!? 」
恐怖が満ちる真っ暗闇の中で、自分の名前を口にする声が聞こえて来た。
その声は低い声で、少し聞き取りづらい。一体、誰なのかも分からない。
きっと、声のする方へ振り向けば。正体など一発で分かる事だろう。だけど、怖くて、恐ろしくて、勇気が出ない。 これ以上の恐怖が起きるのが嫌だから、確かめることなんかせずに逃げ続ける選択を選ぶ。 だが、声は。そんな自分の気持ちを知っているのか。知らないのか。分からないが。自分の期待を裏切って、近づいてくる。目の前まで、顔の前まで、そっと近づいてくる。
あぁ、怖い。恐ろしい。一体、何をする気なのだろう。
辞めてくれ。止めてくれ。やめてくれ。
俺は、もう。怖い思いなんか、恐ろしい体験なんか、恐怖を抱く事はしたくない――、
「錆榴さん。これ、貸してあげますよ」
低いのは変わらないが、やけに優しく穏やかな声で何かを言ったと思えば。
角先から首元にかけて、布らしきものが被さってくる。いや、被せてきた。
その行動に驚く間も無く。更に優しく、よりゆっくり、囁くように長く紡いで。
「私は、押し付けはしても、見捨てることもなく、切り捨てることもなく、裏切ることもしませんけど……。 貴方には期待しません。信じているからこそ、期待しません。互いに重くなり、余計な負荷がかかりますからね」
最後には、もう期待に応えず、恐怖を抱く必要は無いと、俺に期待はしていないと告げてきた――。
期待に応えることしなくていい――? 俺に期待などしていない――? 本当に? 俺が恐怖を抱くこともないのか――?
期待をしていないと告げられたことに驚き、驚いたことで少し恐怖が吹き飛んだのか。 先程とは違い、勇気を出して。相手を見上げるように顔を上げて、何処か途切れ途切れに言葉を吐く。
「ほ、んと、う。に…き、た…い……は。し、て。なぃ…の、か? 」
「ええ、最初から期待なんて。貴方にはしていませんよ。信じても、期待する要素は無いのでね」
すると、優しくも今度は、ハッキリと返されて告げられる。伝えられる。
俺に対して。最初から一切、期待なんてしていないと。
そう告げられ、伝えられ。
近づいてきたのは、布を被せるという行動は、俺を助けるためであって。裏切り行為をしたわけではないと気づき。 ようやく、安心できる居場所を。信頼できる相手を。恐怖が軽減され、心が休まる拠り所を見つけることができた。
あぁ、俺に期待をしない。恐怖を抱かせない。そんな、優しくて。ある意味、馬鹿げたお化けが居たのだと――。 恐怖が軽減され、和らぎ、少し落ち着いて。自然と、笑みがこぼれる。
「助けに来てくれてありがとう…、色」
「……! ええ、少しは恐怖が拭えたようで良かったです。
それじゃあ。迷路の中へ、向かいましょうか。より、恐怖を吹き飛ばすために」
「ああ…、行こう」
起き上がり、姿勢を正して。助けに来てくれた――彩舞 色の隣に並んで、迷路の中まで共に進んで行く。 色と一緒なら、どんな恐怖な物事や出来事が起きても大丈夫だろう。 色は俺を裏切らず、切り捨てず、見捨てないどころか、期待をしていないのだから。




