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エクストラエピソード 葉山京香の見る世界

 私はお父様の人形だった。


 その人生を変えてくれた王子さまはもういない。


 これからは一人で生きていくんだと思っていた。


 たまたまお父様が持っていた資料に、王子様の事が書いてあった。


 これはもう一度会うことができるのではないかと、資料に目を通す。


 王子様の名前は、河野虎太郎というらしい。


 通っている中学もわりと近いので行ってみようと思う。


 ・・・・・・・・・・


 習い事の帰りに行ってみた。


 中に入ることは叶わなかったけど、一つ収穫があったの。


 彼が高校から一人暮らしを始める話を他の生徒がしていたのが聞こえた。


 そうなればここから通える範囲の高校になるはず……


 最寄りの高校を調べてみよう。


 だけどその数は多く、絞り込めなかった。


 でも久しぶりにお父様が帰ってきたので、高校は自由に選びたいとお願いした。


 渋い顔をしたけど、了承を得ることができた。


 ・・・・・・・・・・


 高校受験の日、私は驚く体験をした。


 河野君がいたのだ。


 彼は昔の面影はあったけど、目が死んだようだった。


 何かあったのかな? お父様の仕業とか? チャンスがあったら、話したい。


 ・・・・・・・・・・


 もう何日もたったけど、一度も会話ができていないままだ。


 何故かクラスの委員長にされてしまうし最悪。


 習い事が減ってはいるけど、両立は大変だ。


 明日こそは声をかけようかな?


 ・・・・・・・・・・


 クラスでトラブルが起きた。


 ナイフを持った生徒が暴れたのだ。


 私はむしゃくしゃしていたので、怒鳴ってしまった。


 その生徒が私に襲い掛かってきてどうしようかと思った時、彼が助けてくれた。


 上履きを投げて気をそらしてくれたの。その隙に蹴りをいれられた。


 目立たないようにだけど、上履きに名前が書いてあるから分かったわ。


 私は騒然とする教室を抜け出して、彼を探した……定番のサボりスポットに彼がいて、お話ができたのが嬉しかった。


 だって、これが初めての会話だったから、でも彼は私を忘れていた。


 名乗ってなかったのだから当然だけどショックだった。


 それに昔のような光もなく、ただ生きてるだけの様だった。


 明日改めて、お話してみよう。


 ・・・・・・・・・・


 昼休み、河野君を誘ってみた。


 クラスが何故かざわついて、彼も動揺している様子だったけどかまわない。


 河野君の不安や悩みを今度は私が解決してあげる。


 あの日河野君がくれたものは、今でも私の救いだったから……


 話をして分かったのは、彼の両親は海外で骨董商をしているから一人暮らしという事。


 お父さんの影響がないなら、安心だ。


 彼には夢もなくただ皆がしてるから高校を受験したのだと話してくれた。


 色々なことを知っていて、私に色々な不思議を教えてくれた河野君はどこに行ってしまったの?


 ・・・・・・・・・・


 習い事に向かう途中、河野君を見かけた。


 でも、その横に見たことのない女の子がいて、胸が何故か痛くなった。


 その女の子はコロッケを齧りながら河野君と楽しそうに喋っている。


 河野君ここ最近は三無くなった笑顔で話をしているようだった。


 見ていられなくなって、その場を離れた。


 習い事をサボってしまった……


 ・・・・・・・・・・


 昨日の子は誰なんだろう? 彼女かな? 今日は学校を休もう。


 体調不良を理由に、学校をずる休みした。


 ・・・・・・・・・・


 学校を休んで三日目の日、驚くことが起きた。


 河野君が家に来たのだ。


 休んでいた分のプリントを届けに……あの時の子と一緒に。


 女の子の名前は巴瑞季明日香はずきあすかというらしい。


 転校生らしく委員長である私に挨拶に来たようだ。


 それに巻き込まれるかたちで、河野君は来たらしい。


 嘘でもいいから、俺が志願したくらい言って欲しかった。


 ・・・・・・・・・・


 今日から学校に行くことにした。


 別に巴瑞季さんと河野君の邪魔をしようとしたわけではない。


 二人は知らない間に仲良くなっていて、昼休みも自然と二人で行動していた。


 また胸が痛くなってしまった。


 この痛みは何なんだろう?


 分からない。だけど二人を見てると起こるのよね……


 ・・・・・・・・・・


 今日は勇気をもって、昼休みに河野君に声をかけた。


 周りが騒がしくなってうるさい中、巴瑞季さんも一緒に行くと言い出した。


 私は断る理由もないので、了承してあげた。


 巴瑞季さんお話は面白かった。


 お腹を空かしているときに、河野君にコロッケを恵んでもらったとか、忘れもをして助けてもらったとか……分かってるじゃない! 河野君は素敵な人なんだから。


 ・・・・・・・・・


 よく三人で過ごすようになった。


 今日は進路調査票を渡されたので、三人で将来について話した。


 河野君はやっぱり特にないと言って、その紙を紙飛行機にして屋上から飛ばしてしまった。


 巴瑞季さんは世界を回って色々食べ歩きがいたいといった。


 可愛らしい夢だ。私は昔から宇宙に行くのが夢だけど、お父様が許してくれるとは思えないから、もう少し考えるとだけ言っておいた。


 私の家は政治家の家系なのだから、何時かは政略結婚させられるのだろう。


 そんなのは嫌だよ、河野君。


 ・・・・・・・・・・


 今日は三人で初めて、食べ放題の食事の店に来た。


 巴瑞季さんの発案だ。


 右も左も分からない私に色々教えてくれた。


 河野君も負いそうにカレーを食べていたので、今度作ってみようかな?


 ただ、巴瑞季さんの食べっぷりには驚いたな……


 ・・・・・・・・・・


 今日初めて私の夢について話した。


 二人は笑わないで聞いてくれたばかりか、応援すると言ってくれた。


 家の事情を軽くだけど話すと二人はそれの対策について話しだした。


 頼もしいな……私ももう少し強くなれないかな?


 ・・・・・・・・・・


 突然巴瑞季さんが家に泊めてほしいとお願いしてきた。


 私が渋い顔になるとすぐに河野君が家に来るかと聞いていた。


 それは不味いんじゃないのかなと思っていると、巴瑞季さんはそれは妙案だとばかりに、行くといった。私はこの先二人の邪魔になるんじゃないかな?


 胸が痛い。


 ・・・・・・・・・・


 お泊りの次の日、二人は普段通りだった。


 しいて言うならお弁当が同じことだ。


 河野君のお手製らしく見ていると、巴瑞季さんが少しトレードしてくれた。


 卵焼きをもらったのだけど、少し甘い感じで不思議だった。


 けど、美味しかった。


 ・・・・・・・・・・


 明日はついに巴瑞季さんが泊まる日だ。


 何日も前に頼まれていたので、お父様に許可をもらっていた。


 私はどうしても知りたいことがあったので、その日に聞くと決めていた。


 何度も何度も練習しておいたから、大丈夫なはず。


 どういう答えを聞こうとも受け入れないと……


 夏場だというに体が震えてしまいる。


 私はまだ強くなれていないみたいだ。









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