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「World travel」

tilki

「よーし、今日の授業はここで終わりだ。各自、もう下校していいぞ」

さて、退屈な授業が終わったな。まあ内容は一応頭に入っている。全然聞いてなかったけど。

「おーい涼太、放課後SOGAで遊ぼうぜ!」

「颯、またかよ…てか、お前前回欠点取ったろ。遊ぶ余裕あんのか?」

「学生は遊んでナンボだろ!おら行くぜ!」

「ちょっ…」

袖を強引に引っ張られる。皺でもついたらどうしてくれるんだこいつは。…まあ、いい息抜きにはなるだろう。


「…はぁ!?お前超人取ってんのかよ!」

無事SOGAに着き、taiko drum masterの筐体に100円を入れる。先日コースモードの超人(上から2番目の難易度)を攻略した所だ。そう言えば言ってなかったな。

「お前…当たり前のようにAGすんなよ」

All great、通称AG。全てのノーツをミスなく叩き切る事を言う。ここら辺の腕前になるとAGもすぐに出せる。無論、難しい曲では中々出来ないが。


「あー、楽しかったな!」

久々に遊んで、少し身体が楽になった気がした。たまにはこういうのも悪くない。

「じゃ、また明日なー」

「おう!俺も超人取るからな!」

いや、そんな短期間で取られると少し病むからやめてもらっていいですか?


「さて…と、帰るか」

帰路に向かう。通学路には秘密が沢山隠れていたりする…かもしれない。小学生の頃の俺は何でもどこかにあるものだと思い込んでいたようで、公園の砂場から宝石を探し出そうとしていた、と親から聞いている。…ただのやばい奴だな。

「…ん?」

公園の横にある木を見てみると、大きく空いた穴の中が何やら光っていた。あれか?竹取物語なのか?俺は竹をよろずの事に使いける人間じゃない。普通の高校生だ。

「なんだこれ…」

宝石でもあったりして…いや、幼児退行するな俺。何年経っても変わらないな。

少し覗いてみる。その瞬間、

「ッ!?」

辺りを眩い光が包み、俺の身体を照らした。なんか幻想的…異世界転生にありそうなやつ…と思っていたら、

「いや、あっつ!なんだこの光、身体が焼けるように痛い!」

心做しか、身体の形状が変わってきている気がする。ちょっと待て何なんだこれは。

…そんな事を考えているうちに、俺の思考は何処かでプツンと、電話線を切るかのように切れた。


━━━━━━━━━━━━━━━


ここは…何処だ?もしや異世界?まあ何でもいいk…って、

「異世界ッ!?」

あれ、なんか随分と女の子らしい声が出たな…ん?

「あ、あれ…?」

股についている筈のものがない。そして、この穢れを知らなさそうな体つき、そしてこの声…まさか…

「…俺、幼女になって転生したのか?」

おいおいふざけんなよ神様よ。別に異世界転生を望んでた訳でもないし、幼女になりたかった訳でもない。Do you coat?

「…あ、なんかステータス的ななんか出せた。…ん!?」

【Name】(未設定)

【Level】1

【Attack】3

【Defense】7

【Speed】5

【Equipment】ボロ布、棒切れ

ひでぇステータスだ。まあ、幼女かつレベル1ならこんなもんか。

「あれ、2ページ目があるな…こっちはスキルか…はぁっ!?」

そこには、驚愕のスキルが書かれてあった。男子諸君の大半が願うであろう、このスキル。

【Skill】女性魅了

これは…どういう事だろう。とりあえず、何処かで女性に会ってみよう。

「…君は、」

全身に悪寒が走った。一体いつから後ろに居たというのだ。

「敵?それとも、味方?」

後ろを振り向く。…猫のカチューシャ?いや、これは本物だな。という事は、この人は亜人かなんかなんだろうな。

「…み、味方だと…思います…」

コミュ障がいい感じに助けを求めている幼女っぽくなってくれた。こんな所でコミュ障スキルが役に立つとは。人生何が起こるかわからんな。

…ど、どうだ…?

「…」

あ、これ駄目なやつだ。両親、それから颯、今までありがとう…

「…か、か…」

…か?

「かわいいっ!!!」

ゑ?

「うわっ!?」

急に抱きしめられた。これは…敵対心とかなさそうだな。じゃあ何故…

「ん?」

スキル欄を開きっぱなしだった。目を凝らして良く見てみると、【女性魅了(常時発動)】と書いてあった。…成程。

「君、迷子かな?まあ、この森は結構入り組んでるし、それも仕方ないか…」

あ、迷子だと思われてた。この猫さん割と単純だな。

「ところで君、名前は?」

「名前は…」

おっと危ない、今の俺は幼女だ。うーん、新しい名前を考えなければ…

ふと、水溜まりが目に入り、先程まで気付いていなかった耳に気付いた。

(これは…狐耳?狐…いやそれだけじゃシンプルすぎる…世界の言語から…)

「…チルキ、です」

「チルキちゃんね。覚えた。…もう1個質問いいかな。どうしてこんな森の中にいるの?」

…うっ、どう答えりゃいいんだよ。

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