偵察隊
赤い微粒子の集合体は、ガイヤと呼ばれてるようで、力を授けるらしいが、いろんな力を鹿島陸戦隊隊長に授けた。そして、二人の猫亜人兄弟と偵察隊は共同生活をすることになった。
偵察隊
住居用脱出ポットの中は広い、直径約三メートル位の円筒形式になっている。
輸送艦から噴出されたのち、降下中は無重力感であったが、体が回転した様に感じたのち、ジェット音がして、ポットが上下逆なったようなので、ショックに備えて身構えると、ガツンとシートに押さえつけられた。
無事にパラシュートは、開いたようだ。
座席の脇の窓から外を見ると、色鮮やかな八つのパラシュートが確認される。
四人とも無事らしい。
俺の乗っていたポットが最初に着地したであろうと思い、ゆっくりとシートベルトを外した。
アナウンスから、五メートル間隔で円形状に順番着陸したことを知らせてきた。
シートベルトを外し終えて、防護アーマー着用しままであるので、座席脇のチェーンソー内蔵刃を腰に差して、レーザーガン片手にポットの外に出てみると、確かに五メートル間隔で円形状に着陸している。
奇跡を見た感覚になった。
「こんな事、あり得るのか? 」
ひどい時には、百メートル離れての着地が普通の感覚である。
着地点は三方の壮大な草原であり、一方向は森まで七百メートル位である。
未知の赤色エネルギーは、五十~六十メート間隔に浮いているので、近くの未知赤色を口で吹いてみると、逃げるように遠くまで飛んで行った。
総司令官からの通信が入り、
「無事に着地確認しました。コーA'Iのコントロールいかがでしたか?」
「コーA’Iがパラシュートとジェット噴射をコントロールしたと?」
「そうみたいです。十センチ内の誤差初めて見ました。」
「いいえ、一センチ未満です。」
「今の言葉、コーA’Iですか?」
「はい、快適な旅でしたか?」
「コンピューターが口をはさむ?問いかける?」
変な気持ちになり、コーA.Iの問いかけを無視した。
偵察隊は着地した順に私の周りへ集まり始めた。
今回の偵察は着地点から三百メート前後を目安にして、ポールとヤンを歩哨に指定し、残りの者は俺を囲むように、地図を見ながら偵察確認をしている。
俺とビリーが前衛で、後衛はトーマスに任した。
所処に一メートル位の低木があり、三十センチ位の草をかき分けながら進んだ。
着陸地点から二百メート位進んだ頃、
「六十メート先、二つの生命体確認。」
無線から声が届いたので立ち止まると、突然、前方に赤く輝きながら燃えてるような長い髪の人型が現れた。
人型は未知の集合体みたいで、揺らめきながら周りの赤い浮遊物を吸い込んでいる。
総司令官から無線が入った。
「前方十五メート先に、未知の高エネルギー塊出現。注意してください。六十メート先の二つの生命体とは別です。」
突然現れた燃えてるような人型のことのようである。
三人は円形になり、周りを警戒しつ、注意深く高エネルギー塊に近づいた。
「隊長、あれは何でしょうか?」
「わからん!輸送艦からは、高エネルギー塊と連絡が入った。」
「撃ちますか?」
「まさか、敵なら撃つ、味方なら助ける、どちらつかずなら説得する。基本だろう。」
「どうしますか?」
「どちらつかずなら、説得する。トーマス、細胞調査感知器を俺に。」
「え~何をするつもりですか?」
レーザーガンをトーマスに預け、細胞調査感知器を手に持ち、感知ノズルを目一杯伸ばして、ゆっくりと高エネルギー塊に近かずいたが、燃えてるような感じなのに熱は感じない。
高エネルギー塊はただ揺らめいているだけで、特別な動きはない。
十メート、五メートル、高エネルギー塊に変化がない様なので、感知ノズルを伸ばした。
高エネルギー塊にノズルヘッドが届いた瞬間、高エネルギー塊は俺の身体を通りすぎた。
【礼、信、節、義、持つものよ、世に平和と安泰を】
と、独り言にも思えたが、俺が俺に話しかけてきたようにも思えた。
と、同時に足の方に重力感がないので、周りを見渡すと身は天上に浮いた。
下を覗くと、トーマスとビリーが固まっている様な体制で、俺の体の方を向いている。
眼下に固まった俺と、浮いている俺の状態を不思議とは思わずに、下の光景に信頼と安心感で仲間を見守っている気持になった。
トーマスとビリーが慌てて俺を支えるのを見て、笑みもこぼれた。
二人に両腕を抱え込まれ、上向きにされ、足を引きずられながらの体制で目を覚ました。
「待て、待て、止まれ!」
目一杯の声を上げるが、二人は止まらない。
トーマスは走りながら、着地点の歩哨に向かって怒鳴った。
「救急医療機器と毛布!」
俺は防護アーマーを脱がされ、透視スキャナーするやつ、血圧を測るやつ、顔を拭くやつ、
あちらこちらの関節を動かすやつと、大忙しである。
透視スキャナーしていたトーマスが、
「異常なし。」と、宣言した。
「お~お」
ようやく、みんなが落ち着いたのを確認し、
「俺を通り抜けた、高エネルギー塊はどうした。」
と言って起き上がった。
ビリーが目頭赤くして、
「だいじょうぶですか?」
「何ともない。」
「高エネルギー塊は通り抜けたのではなく、隊長にぶつかった後、――消えました。」
「消えた?通り抜けたのではなく。じゃ~、俺の中に入った?」
「透視スキャナーしましたが、高エネルギーは感知できませんでした。」
「じゃ~俺の体に、何かを残して逃げたのか?」
「そういう事があるのですか?」
「コーA’I、高エネルギー塊と遭遇したとき、モニタリングしていましたか?」
「はい、監視していました。」
「どの様に解釈する?」
「上空からですので、閣下の全体はわかりませんが、赤外線カメラから判断すると、閣下の体が閣下の温度高騰後に、頭とつま先の冷却速度が違いました。高エネルギー塊は閣下に接触後感知できなくなったが、閣下の体温はつま先が0,07秒遅れて正常になりましたので、エネルギーは地中へ流れたとしか、判断できません。」
「俺の中には残っていないと?」
「残っているとは?」
「独り言を言ったような、考えたような?」
「話がかみ合ってないようです。高エネルギー塊が残っていると感じるのは、どうしてですか?」
「体に何かを残す色んな噂があるからです。」
コーA’Iと話を合わせきれないと判断したため、話を続けるのをあきらめた。
再度偵察に向かうために防護アーマーを着用していると、トーマスが近づいて、
「歩哨に回られては如何ですか?」
「ありがとう、大丈夫だ!ヤン!この周りの地形はハークできているか?」
「地図は確認しています。大丈夫です!」
「火炎放射器を背負え!」
「理由をお聞かせ、――願えませんか?」
「背負えの返答は!」
「隊長の考えている事は解ります。」
「理由は!俺に何かあれば、――俺ごと炭にするためだ。」
「その命令には、承服できません。」
「トーマス、背負え。」
「誰もが背負えません。」
皆、直立姿勢で俺を注視している。
俺は折れざるを得ないと、判断した。
隊を預かり、初めての不承服に出会い、複雑な心境になる。
「命令を取り消す。」
「どの様な懲罰でも受ける覚悟です。」
トーマスとヤンは、敬礼した。
「私事の命令であった。済まない。」
トーマスとの後日談で、この話が出た時、私なら部下でもやると言ったら、トーマスも同意したが、トーマスはただしを付けての話であり、察するでしょうと、話を切った。
「ビリー、ポール歩哨、残りは偵察。」
再び、偵察に出た。
前衛は俺とヤン、後衛トーマス、俺の引きずられた跡をたどり、高エネルギー塊の出現した所をめざした。
歩いていると妙に体が軽い、ジャンプすると一メートル位出来そうだ。
「この惑星気圧八十%と言っていたが、六十位ではないか?どうも体が軽い。」
トーマスはふざけ気味に、
「先の光るものに、余肉を取られたのではないですか?」
「かもしれない!」
ヤンは俺の方を向き、頭からつま先まで点検している。
余計なことを言ってしまったと、反省していると通信が送られてきた。
「七十七メート先、二つの生命体確認。先ほどの場所から二ツ岩の影に移動しました。」
立ち止まって、単眼鏡で岩の方を見るが、生命体らしきものは確認できない。
生命体らしきものを交互に確認するよう伝え、周りの警戒に気を配った。
「隊長、先から気になっていること、話していいですか?」
「いいよ。」
「微粒子のようなピンク色浮遊物は、ヤンにぶつからないよう避けているのに、隊長には、くっついてはまた離れていくのですが?」
「今度は入らずに、離れていくのか。浮遊物に何か調べられているのかな。」
高エネルギーのあたったあたりを、鉱物調査器、熱感センサー、放射能検査器、細胞及び土壌調査感知器、持ち込んだすべての調査器で調べてみたが痕跡はなく、何もわからなかった。
二つの生命体は、先ほどの二ツ岩の影から移動してないらしいので、調査する事にした。
岩の大きさは、高さ一メートルチョイと八十センチ位、横幅は高い方が一メートル五十センチ位で、低い方は五十センチ位ある。
三方向から周りを警戒しながら近づき、二十メートル位の所に着いた時、手サインで、止まれと合図し、ヤンに俺のいる所を示して、この位置まで横に移動するよう手サインをした。
俺はこのまま岩との距離を保ちつつ、ゆっくりと裏側に周りこんだ。
岩と岩との隙間は二十センチ位で、小動物かなと思いつつ近寄っていた。
『お兄ちゃん、息ができない、苦しいよ。』
『一人近づいてきたから、我慢しろ。』
『でも、ガイア様に愛さてる人がいるよ。』
『人種は、愛されない!ホントに、ガイア様だったのかな?』
この会話以、高エネルギー塊が体を通り抜けるときに経験している。
あの時は、響くような感じであったが、今の会話以は普通に感じた。
二人に手サインで銃を下ろし、手を広げて岩から出て来るものを捕獲するよう指示した。
小さな子供が苦しそうに、大きめの岩の中から飛び出してきた瞬間に子供を抱きしめると、続けてもう一人も飛び出し、子どもを抱きしめている俺の腕に噛みついてきた。
防護服の上からでは歯が立たないと気づき、次は手をほどきにかかった力は、大人以上である。
無線で再び通信が入った。
「三百メートル先の森から、高速で五メートル程の爬虫類多数接近確認。」
無線機からの甲高い声で振り向くと、ダチョウのような足と体をした、トカゲ顔似の物が向かってきていた。
慌てて両手で子ども達を抱え上げ、その場を駆け出した。
子ども達との騒ぎを聞いたトーマスとヤンは急いで駆け寄っていたが、
「後方敵多数、いそぎ歩哨の見える場所まで後退!」
ヤンを追い抜き、着陸地点まで二百メート位の所で後ろを振り向くと、トーマスとヤンは既に迎撃態勢をとっていた。
子ども達を下ろし、着陸地点の歩哨を指さし、
「お兄ちゃん達がいるから、急いで走っていけ。」
と声掛けし、トーマスとヤンの方へ向かった。
既に戦闘は始まっていて、トーマスとヤン二人共四頭のダチョウモドキを相手に、太刀で戦っている。
トーマスが一頭の首を落としたことを確認し、俺はヤンに向かう二頭のダチョウモドキを確認し、俺に近いダチョウモドキの片足を切り落とした。
ダチョウモドキが倒れるのを後ろ顔で確認し、俺は森の方から新たに現れた二頭へ向かった。
突進してくる二頭へ向かい、前方のダチョウモドキの首を斜めに切り落とし、勢いそのまま、後ろの一頭の胸に刃を刺して横に切り裂き、後ろに振り向き直して首も切り落とした。
トーマスとヤンの方へ向うと、彼等の戦闘も終わっている。
俺に片足を切り落とされたダチョウモドキも、すでにヤンに首を切られている。
首を切り落とすのは、トカゲモドキとの闘いの規範であり、トカゲモドキは首を落とさねば、いつまでも絶命しないからである。
「隊長、今の動きはどうしたのですか、いくら体が軽いといっても、超速すぎますよ。」
「そう、子供を抱えての走りも、無茶苦茶速すぎです。俺置いて行かれましたから。」
「それはわからんが、体は軽いよ。」
「所で、子ども達が何故か、石から出てきたような気がしたのですが?」
「手品師のショーで、それに似たような事を見たように思う。それと、地球星の昔の話で、石からサルが生まれた話を聞いた記録もある。」
「あり得ることなのだ。」
何故かヤンは納得している。
俺にはもっと深刻で理解できない状態は、石の中にいた子供たちの会話を聞けた有り得ない事が起きているようであるが、うまく説明できないので秘密にした。
「俺もおかしいと思う、子供に色々聞いてみよう。」
猫似の子ども達が手品のような出来事を起こしたことで、俺にはそれ以上の追究はなかった。
ダチョウモドキの肉片に細胞調査感知器を当て、調査すると食可能と表示され、口に当てると猛毒注意の表示が出る。
全体をスキャンすると爪先に猛毒注意と表示されている。
結果を輸送艦及び隊員達に送信した。
「キャンプ場所に、帰ろう」
キャンプ場方に向かうと、子ども達二人は腕から降ろした場所で待っていたようだ。
俺が手を振るとこちらに向かって走り出した。
男の子が俺のそばに駆け寄り、
「どうして、石を取り出さないの?」
「石ってなに?」
「石を取り出さないと死なないよ。生きたまま放っておくと魔物が来るよ。」
そう言って、サバイバルナイフに指をさして、貸してと言ったので使い方を説明し注意して使うよう、チェーンソーのスイッチをONにして渡した。
ナイフを渡すとダチョウモドキの腹を裂き、そこから手を突っ込み赤い塊を取り出した。
「これが石だよ。」
と言って俺に渡し、猫に顔の少年はやおやまた引き返して、別のダチョウモドキの腹にナイフを突き刺していた。
トーマスの方で声が聞こえたので顔を向けると、手ぶり素振りでナイフを渡し、一緒にダチョウモドキに近づいて、トーマスは女の子の手に手を添えて腹裂きを手伝っている。
「ヤン、ダチョウモドキの腹から、赤い塊を取り出せ。」
呆然とした顔の、ヤンに声を掛けた。
俺も刃でダチョウモドキの腹を裂き、赤い塊を探すために内蔵を刃の先で穿り返したら、赤い塊は心臓の裏側こびりついている。
ヤンの方に顔を向くると、内蔵を引き出して赤い塊を探している。
トーマスも別のダチョウモドキの内蔵を引き出して、同じ様に赤い塊を探している。
「赤い塊は、心臓の裏側こびりついている。」
と声を上げた。
再び、輸送艦と隊員たちに、赤い塊を取り出す理由を説明し、赤い塊のある場所を教えた。
魔物とはどんなものか解らないとも付け加えた。
トーマスとヤンが近づいてきた。
「隊長、聞きたいことが、山ほどあります。話が長引くと思いますので、キャンプ場でいかがでしょうか?」
トーマスは大きく目を開き、炭にされる理由の変化まだないと思うが、俺の体験秘密に気づいたのだろうか、ヤンも顔を赤くして興奮状態に見える。
トーマスの何か深刻なことが感じられた奮起にも押されて同意した。
子ども達の方に向かうと、二人共ナイフを両手に持ちダチョウモドキの首で、ナイフの切れ具合を確認しあっている。
チェーンソーのスイッチも確認しているようだ。
子ども達が俺に気付き、
「おじさん。ダーホーの足切てあるよ。」
と、ダチョウモドキを指さした。
ダーホーを見ると、二匹の足首がないのはすでに切り落としたようだ。
「他のダーホーの羽も持ち帰りたいが、入れ物がないので置いてくしかないね。さっき指差した方へ帰るだろう、運ぶのを手伝うよ、ダーホーの肉は美味しいから、僕たちにも食べさせて欲しいな。」
了解すると。やおや二人はダーホーの足に手をかけ、両足をそれぞれに持ち上げた。
慌てて、女の子の方へ駆け寄り足を運ぶのを交代した。
すると女の子は男の子の後ろに着いた。
トーマスとヤンも、足首を切られたダーホーの足を持ち上げ引き始める。
子ども達の負担にならないよう強く引くと、子ども達も負けまいと強く引く。
着陸地点のキャンプ場に着くと、トーマスとヤンはかなり遅れて着き、
「隊長達、なんで軽々と運べるのですか?めちゃ重たいですよ!」
ヤンは肩で息をしながら両手を膝に置き、息を整えている。
総司令官から通信が入った。
「閣下、トーマス’ワシントン上級陸戦曹長たちとの、会合を予定のようですが、私とコーA’Iも聴視参加よろしいですか?内容によっては、陸戦隊全員に放映して欲しいとの事ですが、了解していただけますか?」
炭にされるような体の変化はまだ無いので、了解した。
ヤンが席の用意が出来たのでと呼びに来た。
二つの席にトーマスとヤンが並び、体面に一つの席が置いてあった。
ビリーとポール等二人は、歩哨なので席に背を向けている。
トーマスは黙想しているしているようで、ヤンは顔を赤くして落ち着きない。
ポールは俺に気づき、少し怯えた様に敬礼をする。
トーマスとヤンは俺に気づき立ち上がって、
「ご足労かけて申し訳ありません。」
と、一礼した。
席に回り込み子たち達の方に目をやると、子ども達によるダーホー解体が見えた
男の子と目が合うとこちらへ走ってきて。
「肉を焼きたいので、道具を貸してほしい」
傍のビリーに声掛けして、バーベキューセットを用意するよう言うと、目を白黒させて呆然としている。
「どうした!用意してやれ。」
突然にビリーは、無言のまま駆け出して行った。
目の前の三人は、口を開けたまま啞然としている。
「さて、始めようか。」
トーマスは顔を赤らめながら、ゆっくり声で会話を始めた。
「子ども達と意思疎通ができ、会話しているように見えるのですが?」
「俺は少し地球星訛りだが、普通の銀河連合標準語が通じてるみいたいだね。」
「隊長が子供と話している時、銀河連合標準語で話してはいないのです。」
「じゃ~、俺は何語で話していると?」
「子ども達と、同じ言葉です。」
「君たちは、子ども達の言葉が解らないと?」
皆が頷く。
「コーA’I、俺には全く理解できないし、ましてや、説明もできない。何か説明できるか?」
「人間が新たな言語を覚えるのは、学習する必要があります。
学習した言語を使うとき、学習した事を思い出します。
自分の言葉は、生活の中でインプットされています。
コンピューターでしたらプログラム作成し、インプットするだけで済みます。
インプットされたら、普通に使います。
使えることに疑問は起きません。
閣下の中に、いつの間にか言語がインプットされたとしか思えません。
子ども達との会話が出来る言語は、既に普通として閣下の中あるので、疑問に思わないで使っていると思います。」
「違う言語を、切り替えようと思わずに自然にできていると?」
「出来ています。」
「原因は?」
「閣下の変化したことを、順に伝えます。
子供を抱えての走りは、約百メート走って十秒弱です。
戦闘中、一敵から二敵の胸に刃を刺した時、ロングジャンプした距離は、六メートルありました。
子供と運んだ爬虫類は約百二十キロの重さだと推測しましたが、一人で引く場面がありました。
そして、子ども達との会話。
閣下に原因が思い当たる事が有りましたら、閣下は、体験と、推測できる範囲を説明すべきです。」
俺は、腕を組んで考え込んだ。
周りの空気が重い、ムキムキ娘がこの場にいたらジョークがあり、癒されたかもと、隊員たちの顔を一人一人見渡すと、俺の言葉を期待するように構えている。
重い奴らばかり連れて来てしまったものだ。
俺は体験と疑問点を略式にだが、順に話した。
高エネルギー塊が俺に衝突した時、【礼、信、節、義、持つものよ、世に平和と安泰を】と、俺は俺に独り言を言いながら、魂の遊離と言うか俺自身と言うべきかわからないが、宙に浮いてる状態からみんなの行動を眺めていたが、気が付いた時には二人に引きずられていた。
回復したその後偵察に向かいながら、一メートルはジャンプ出来ると思う位に体が軽くは感じた。
高エネルギー塊が俺に衝突した時と同じような感覚で、石の中から子ども達の会話が何故か、頭の中で響き渡るように聞けた。
子ども達の会話の中に、俺たちは『ガイア様に愛された人』と、言葉が出たが、理解できない。
高エネルギー塊はガイア様と呼ばれているようだが、はっきりしない。
総司令官から、
「答えは、子ども達が知っているかも?」
俺は、頷いて、
「ヤン、子ども達に何か飲み物を、用意しておいてくれ。」
皆心配している眼をしているが、俺に声をかける者がいないので、子ども達を呼びに行く事にした。
子ども達はビリーから渡されたのか、ホークを使い皿の上の焼いた肉を頬張っている最中であったが、子ども達に話を聞きたいので、椅子に座って食べようと誘い、皆のところへ向かった。
席の場所には、折りたたみ式の小さなテーブルがある、オレンジジュースとぶどうジュースが置いてあり、子供たちに座るよう伝えた。
「私は、鹿島と言います。君たちは?」
「僕はアーマート、妹がマクリー」
「私達は遠い国から来たので、何もわからない。君たちの知っている事を教えてほしい」
「いいよ。おじさん(ガイア様に愛された人)?」
「ガイア様に愛された人とは?」
「おじさんの中にガイア様入ったでしょう。僕たち見ていたよ。」
「赤く輝いていたのは、ガイア様なの。」
「おばあちゃんに聞いたとおりの、赤く輝きながら燃えてる人。」
「おばあちゃんは、ガイア様に会ったことがあるの。」
「昔からある言い伝えだよ、いい子にして、正しいことをしていれば、ガイア様に会えると。」
「ガイア様に愛された人になると、どうなるの?」
「いっぱい力を授かるらしいよ。」
「どんな力?」
「解らない。」
「どうして君たちは、岩の中へ居られるの。」
「見られてしまったね。内緒にしてくれる。猫亜人なら出来るよ。」
「会話も聞こえたよ。」
「え!テレパシーは兄妹同士だけだよ。やっぱり叔父さんガイア様に愛された人だよねー。」
どうも話が曖昧である。
高エネルギー体は、赤く輝く燃える人でガイア様と呼ばれるらしい。
ガイア様と呼ばれる未知の物に、身体に入られた人は、ガイア様に愛された人になるらしい。
ガイア様に愛された人になると、力が貰えるらしい。
俺の理解出来ない能力は、ガイア様に力を貰得たのかもしれない。
猫亜人種の能力を加えて、輸送艦に報告した。
偵察隊全員集合したので、子ども達の名前と、わっかた事全て話してからの質問に対しては、推測を交えながらの説明となった。
脳筋の俺では、推測をしながらの説明は、神の奇跡としか感じないので、
「俺の頭では説明できないのだ。結論はコーA.Iの解明を待とう。」
俺の故郷地球日本地区では、八百万の神々がいるので、新しい一柱が増えたと思い、ガイア様とやらを敬うことにした事は口に出さなかった。。
このことでも、絶対一神教を崇拝する者には理解されないだろう。
日は高いけど早めの睡眠を取りたく、六時間後歩哨を交替することをトーマス伝えて、
目覚ましを六時間後に合わせて、ポットのベッドへ倒れ込んだ。
腕時計で目覚ましの軽い振動で目を覚まし、赤らめ薄明かりを不思議に思い、周りを見回すと、俺の身体中に赤色微粒子がくっついている。
身体を起こすと、赤色微粒子は身体から離れてポットの壁に全て消えた。
ポットの中は、本来のベージュ色の薄明かりに戻っている。
昼間の出来事は、夢でないことを確認させられた。
この出来事を、新しい神様の祝福と思うことにした。
もう何があても驚かないことにした自分に苦笑いした。
軍靴を探すためにベッドの足元に目をやると、誰かが案内したのだろう、床に子ども達が寝ている。
子ども達を順にベッドへ寝かし、ボックスから毛布を出して子ども達に掛け、防護服のベルトを締め直し、ポットの外へ出た。
星空を見上げると故郷地球よりも一回り大きめの月があり、七十度位の位置にいた。
草原は暗く、腕のライトを照らして歩哨を探していたら、片目に赤外線機能付暗視鏡を付けたトーマスが現れた。
「隊長、ご苦労様です、私はこのままで二時間後にポールと交代です。子ども達は隊長がポットに入ったあと、居なくなりました。」
「俺のポットで寝ているよ。」
「いつの間に?」
俺がポットに入った後、歩哨番でない者は子ども達がいなくなる前から、俺のポットの前でくつろぐようにしていたとの事で、不思議だと言い出した。
「奇跡が起きても、不思議が起きても、もう驚かない、子ども達はきっと壁から入ったのだろう。」
「隊長。また神の話しですか、まだ少しお疲れでは?」
「身体も頭も、すっきりしている。リラックスクラブを体験した後みたいだ。」
「隊長はいつも、奇跡も不思議も無い、それは敵の戦術だ。対抗できなければ負けると、いつも言っていましたのでは?」
「確かに、しかし、俺の身体の変化は非現実的だが、現実と受け止めざるを得ない。」
「現実です。」
「では、俺のことの解明は、総司令官とコーA’Iに任せよう。アーマートとマクリーのことは目を覚ましたら聞いてみる。」
話を打ち切り、円陣に並んだポットの周りをまわる偵察にし、左右に分かれた。
ゆっくりと歩き、立ち止まっては暗視鏡から周りを見回し、周りの状況の確認をしてもう少し歩いたらトーマスと会えると思っていると、輸送艦から通信が入った。
「四足歩行生命体の熱感地反応あり、西より十七頭確認、距離四百メート位。」
円陣に並んだポットの中広場に入ると、トーマスも入ってきた。
トーマスは、
「遠視暗視鏡は私が運びます。」と言って、機器類置き場へ向かった。
西側隙間から外に出て、暗視鏡を目一杯遠視に絞り込み注視すると、白い光が上下しながら森の方からダーホーの骸に向かっているのが確認された。
「体型はコヨーテ、鼻だけが豚似です。」
トーマスの声に、犬の豚顔を塑像したらブルドックの顔ができた。
遠視用暗視鏡を覗いているトーマスから代わってもらい覗くと、口の上部分は盛り上がり豚鼻である。ブルドックではなかった。
「アーマーの話だと、石を取らないと魔物が来ると言っていたが、あれは魔物では無いのか?」
「次から骸は焼却しなしと、いけませんね。」
「うん、次からは焼却しよう。」
その後コヨーテ似は満腹したのか、残りの骸を森の中に引きずり込んで行った。
トーマスとポールが歩哨番を入れ替わった。
ポールは口数少ない陸曹の中で端に位置する位の男であるが、現状を聞き出したいので、話しかけた。
ポールには故郷に恋人が居たらしい、しかしながら陸戦隊の帰還率は三割以下である旨を指摘され、もう連絡しないよう言われたと寂しく下を向いた。
「でも、隊長と一緒なら、死なないと思っています。みんなと一緒なのですから、この星で希望を持ちます。」
「すまない、これからもよろしく、協力してくれ!」
俺の笑顔に安心したのか、満笑顔で俺を励ましているようだが、俺の変化をかなり心配しているようである。
朝日が昇り、ヤンとビリーは起きだしてきた。
ヤンとビリーは川原へ伸縮バケツを持ち、駆け出している。
子ども達も起きたらしく、俺の横へ来ると、
「僕たち、ここに叔父さん達といていい?」
「いいけど、アーマートの家族は心配しているだろう?それと、叔父さんではなく、お兄さんと呼びなさい」
「ゆうべ、お姉さんに夢の中で、(ガイア様に愛された人)に会い、テレパシーも聞かれた事教えて、一緒にいると言ったよ。」
「夢でも話せるの?」
「姉弟だから。」
「兄さんの横で寝ていたが、どこから入ったの?」
「壁だったら、何処でも出入りできるよ。」
「猫亜人だから?」
「そうだよ。おにいさん達、ここでの生活はよく知らないでしょう?食べられる草もあるよ。摘んで来て料理手伝うから、このナイフ貰えない?」
「いい上げる。気をつけて使ってくれ。」
メモを取り出し、昨夜の豚似の姿かたちを描き出して、
「昨夜、黒い四つ足の、耳がこんなで、鼻がこんなのが来たがこれが魔物なの?」
「違うよ、見た事ないけど、魔物は十五メート位あるらしいよ。すっごく強くて、誰も倒せないらしいよ。」
そこに、妹のマクリーが来て、
「マクリー、ナイフ貰えるって!(ガイア様に愛された人)をお兄さんと呼んでいいって。」
「嬉しい~お兄さんなら、ずっと一緒に居られるね。」
「あれ、何か話が飛躍しすぎでない。」
取り消そうにも、子ども達は駆け出していた。
「ま、いいか!」
総司令官からの、無線が入った。
「閣下、今のアーマートとの会話を、コーA’Iが言語学習する為、詳しく知りたいようですが、よろしいですか。」
「構いません。」
「閣下の話した言葉のまま詳しく、教えてください。」
アーマートがここにいたいと言ってきた。
「いいけど、アーマートの家族は心配しているだろう?それと、叔父さんではなく、お兄さんと呼びなさい」
夢の中で姉とテレパシーで話した。俺と一緒だから心配ない。
「夢でも話せるの?」
姉弟だからできる。
「兄さんの横で寝ていたが、どこから入ったの?」
壁だと、何処でも出入りできる。
「猫亜人だから?」
猫亜人はできる。お兄さんここら辺に詳しくないだろうから、教える、食べられる草も、摘んで来て、料理手伝うから、ナイフを貰いたい?
「いい上げる。気をつけてね。」
「昨夜、黒い四つ足の、耳がこんなで、鼻がこんなのが来たが、これが魔物なの?」
違うらしい、見た事ないけど、魔物は十五メート位あるらしい。超強く、誰も倒せない。
妹のマクリーが来た時に、
マクリーもナイフ貰えると教える。俺のことらしいが、(ガイア様に愛された人)をお兄さんと呼べる。
お兄さんになってくれたのなら、ずっと一緒に居られると、喜んだ。
「こんなところか?」
「了解しました。次は簡素でも良いように、プログラムを作成します。」
コーA.Iとの会話に疲れてそのまま寝そべり、恨めしく思う輸送艦のいるあたりを探した。
「コーA’Iと、容姿端麗、頭脳明晰総司令官は、同一ではないのか?」
と、思えるA'Iの対応は総司令官とよく似ている感じで、会話後は戦闘状態後並に疲れる。
「通信終わりましたか?」
そう言いながらトーマスが、近づいてきた。
「隊長また一つ、苦手が増えたみたいですね。」
「聴いていた?」
「偵察隊の通信は昨日から、全てオープンになっておりますから。」
「コーA’Iは絶対的に、総司令官の性格をプログラムされている気がする。」
「優秀な人材の航宙軍と我ら脳筋軍では、話が嚙み合わないのが、普通ですが、隊長はよくやっています。」
「俺も、脳筋部類か?」
「航宙軍から見たら、バリバリの脳筋でしょう。」
起き上がりながらの大笑いの声に、整列していた隊のみんなが顔を向けている。
皆が揃った所で、子ども達に俺を兄さんと呼ばせた為に、俺は兄妹の家族になったらしい事を告げた。
兄さんと呼ばせた為に、兄妹を現地協力者にしてしまった事を告げ、皆は勘違いされない為に、名前で呼ばすよう注意した。
今回の偵察は森の偵察を予定している。
俺が前衛、ポールが中、トーマスが後衛を二メートル間隔で進む。
森の中は薄暗く、空は茂みで見えない、一メートル位のシダ植物が一面覆っているので、足元が危うい。
真っ直ぐ上に伸びた杉皮みたいな表皮を付けた、二メートル位の大木が七~八メートル位の間隔で立ちそびえている。
大木の根元で休憩を取り、土壌調査をするとSSSと表示された。
草原はSであったが段違いの土壌であるので、開墾後十年間位は肥料なしでも連続収穫が可能であろう。
幅一メートル位の木もあるが所々は立ち枯れていた。光合成に敗れたのだろう。
広葉樹は三メート位の高さで、葉の大きさは幅広い四十センチはあり、木の影なのに頑張っている。
暫く進んで行くと、空が見える明るいとこに出た。
そこでは五十メート四方、全ての樹がなぎ倒されている。
シダ類も広葉樹も踏みつぶされ、薙ぎ払われたように根もむき出しになり、一メートル位の立木は折れ、二メートルの大木は一メートル位爪先でえぐられて、倒れている。
何者かが暴れたとしか考えられない。
周りを手分けして調査すると、一メートル位の三つ爪足跡がかなりあった。
これが魔物かもしれないと想い、見たい気持ちと会いたくない気持ちに揺れた。
その場を離れて草原に出だしたとき、ヤンから無線が入った。
一瞬緊張したが、子ども達が川原の水溜まりに水路を作って遊んでいると思っていたら、残りの肉をそこへ投げこみ、魚を水溜まりへ誘い、水溜りから一メートル位の魚を捕らえて魚の身をもって来たと報告してきた。
「魚の骨と野草でスープを作っているのですが、何かを欲しいと言ってるようですがよく分かちません。マクリーと変わります。」
塩ではないのか?と思いながら、
「マクリーどうした。」
「お塩が欲しい」
「ヤン、塩と胡椒をマクリーに、渡してくれ。」
コーA’Iに無線をし、
「塩が欲しいと、行ってきた。」
コーA’Iからは、言語理解の了解返事をもらった。
森沿いに、しばらく歩いていくと、一メートル位のやぎに似た一角獣が猛突進して来たので、角の下をレーザーガンで撃つと、勢いついたまま倒れた。
「今日のおかずだ。」
後ろ足をポールと引きながら歩くと、丸々太っているが軽く、ポールも持ち上げているだけのようだ。
キャンプ場に意気揚々帰ると、シートの上には皮を剥がして三枚に下ろした魚の身が、
山盛りに積んである。
「この大量の魚の身は?」
「アーマートと妹のマクリーが、川で捕らえて、身と骨だけ持てきました。まだいけすには、三匹程います。」
川の方を見ると、水路を引いた水溜まりが見え、二~三匹の魚が泳いでいる。
アーマートは一角獣を見つけると、ポールに魚を焼いてたトングを渡して一角獣の腹を裂き、内蔵をシートに包んで川の方へ駆け出して行き、水溜まりにシートを投げ入れた。
マクリーは上手に一角獣の皮と肉とを分けている。
帰って来たアーマートは、マクリーの剥した皮を再び水溜まりに投げ入れ、そのままにして帰って来た。
「何で、皮を川に残してきたの?」
「皮に残った肉と、毛の中にいる虫を食べてもらうためだよ。」
また、このやり取りもコーA'Iに知らせた。
網の上には魚の片身が載せられていて、身の上に野草と思われる根と葉が、散りばめられている。
皆が皿を用意して皿に乗る位の大きさにカットし、コップのスープを飲み始めた。
俺も相伴にあずかる事とした。
スープは香りよく、身は生臭くないし、ほのかに甘味もあるが俺には少し塩味と胡椒が足りない。しかしながら美味しい。
「マクリー、美味しいよ。」
と、コップを持ち上げた。
「お姉ちゃんの作り方の方が、おいしいよ。」
と返してきた。
マクリーの足元に、ナイフがむき出しで置いてあるのに気が付き、ベルトから鞘を外して手渡した。
トーマスは先ほど、アーマートがナイフを手で持ち歩いているので、既に渡したと声をかけてきて、
「機器類置き場から、予備のナイフを出しておきます。」
と、付けたくわえた。
ポットにチョコレートを置いてあるのを思い出し、ポットに行き、
「美味しかったから、今日のご褒美。」
マクリーとアーマートにチョコレートを一個ずつ渡した。
梱包材がよく分からなさそうな顔をしているので、銀紙を破いて中を取り出し、
「食べてみて。」
と、勧めた。
「土の塊みたいだね。」
とマクリーは口に運んだ。
歯の先で少し齧ると、満面の笑顔でアーマートに向き直した。
そして、二人で草をかき分けながら周り中を走り始めた。
喜んでいる二人を見て、こんなことで喜んでくれることに、子供を使用人みたいに便利がってる事に後ろめたさを感じた。
「アーマート、聞きたい事がある。」
と、声を掛けた。
二人は、口をもごもごさせながら俺の前に来た。
「アーマートとマクリーの家は、何処?」
「川の側を上に行った所。」
「ここから、どの位。」
「僕たち、一日掛かったよ」。
「アーマートとマクリーの住んでいる所、猫亜人どの位居るの?」
「いっぱい居るよ。」
「どうして、ここにいたの?」
「空の花畑から、花が落ちて来るのを見たよ。それで、マクリーと探しに来たの。」
「どんな花?」
「十個の白い大きな白い花と、桃色や橙色の花だったよ。でも花を見つけることはできなかったが、ガイア様の人を見たよ。」
「どうして、石の中にいたの?」
「人間が近づいてきたから。」
「人間は、怖いの?」
「怖いよ、僕たちを捕まえて、奴隷にして、悪い事させるから。」
「私は人間だけど、怖くないの?」
「お兄ちゃんは、(ガイア様に愛された人)だからいい人だよ、それに家族になったよ。」
「家に帰らなくていいの?」
「お姉ちゃんが迎えに来るまで、いいと言ったよ。」
「お父さんとお母さんは?」
「お父さんもお母さんも、病気で死んだよ。」
またコーA’Iに言語の学習の為、子ども達との会話を報告した。
そして、川沿いの集落までの距離を尋ねたら、三・五キロメートルあると伝えてきた。
アーマートとマクリーを姉の所へ送りたい、しかしキャンプ場班と送り班で隊を分散させると、両班とも少人数過ぎる。今の状況では無理がある。
総司令官に残りの陸戦隊全員を降下させたいと伝えると、俺に相談があると言った。
「前線基地確保より、残り燃料を監視衛星の為に残したいので、司令本部を地上に移したいと、思うのですが?」
総司令官は子ども達を言語学習の為に、少し留め置いて欲しいとの意向である。
それと、早く基地確保したいようで、その為には必要な防護壁を造る工事を早く進める為の工事用機器類だけを降下させる余裕の燃料もあまりないとのことであるし、輸送艦の燃料節約する為とも連絡された。
魔獣?に備えて、半径一キロ位の円形に、幅二メートル木材を杭打ち工事して、必要な防
護壁を造る。
杭打ち工事後、一辺三キロメートル四方の石の防護壁を造り、十万人の住民を確保する。
これが、次の作戦計画らしい.
提督代理の許可を頂きたいと通知された。
戦略作戦は全て総司令官に譲渡して有る事を再度念押し、作戦を許可した。
輸送艦の降下着陸は、明日の夜、日が昇る二時間前と決まっていた。
アーマートとマクリーがポットを目撃して誤解したことで、現地の人々の誤解と動揺を避ける為に、その時刻を選んだそうである。
通信がオープンなので、あちらこちらで歓声が聞かれた。
アーマートと妹のマクリーを呼び、
「お姉さんに夢の中でお話が出来るのなら、アーマートと妹のマクリーを守ってあげるから暫くここに居て欲しい、とお兄さんに言われたと伝えてほしい。」
「寝る前にお姉さんと話がしたいと思うと出来るから、伝えるね。」
「ダメと言われたら、お兄さんが送ってくれるとも、言ってほしい」
アーマートと、マクリーを送るつもりが、違う予定になり少し戸惑うが、送るのは延期した。
俺に戦略的な眺望は無理なようである。
バーベキュー場で声がするので行ってみると、四人掛かりで網の上に一角獣の肉を丸ごと載せている。
「まだ食い足りないのか?」
「お兄さん、火を強くして!」
「まだ食べるの。」
「違うよ、焦がさないと、蟲が出るよ。明日食べる肉でしょう。」
ビリーに炭素固材を追加してもらい、網の下へ入れてもらった。
一角獣の肉は炭が浮き出るぐらいに焼き、シートにくるんでも、外に置いておくと野獣が来るらしいので俺のポットへ運ぼうと言った。
俺のポットの中は子ども達とでは狭すぎるので、四人の抽選を提案すると、ビリーが手を挙げて、「夜齧りたい。」と言ったので問題は解決した。