表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガイアに愛をもらった男  作者: かんじがしろ
4/68

亜空間ワープ

副艦長の料理に満足したのちに、別星座にワープしてしまったようである。

亜空間ワープ

 ジャンプ前の日まで休むことはないのだが、今日のような朝からノンビルするのは、

目の保養をさせていただいた化粧した副艦長のおかげであると、感謝している最中に、

「隊長。」

また、ノック無しで入ってきやがった。注意せねばと思い、

「今度は何だ。」

「昨日の説明必要ですか?」

「あ、あ、頼む。」

「副艦長殿は、隊長のこと訓練、訓練と言うことだけの、パラハラスメントだけの上司だと、思っていたようです。私が隊の事情を説明して、納得して頂きました。」

「何を、どの様に、サパリわからん。」

「隊長は、私たちを絶対一人も見捨てないと、言い聞かせました所。隊長のこと、武士道の人と、言っていました。」

「また別の誤解をさせたようだが、想像で、副艦長殿は俺に対して心情がよくなったと納得しよう。」

「これは、貸しということも。」

「安くしてくれ。」

「値段は、わたしが付けます。」

脳筋娘はガッツポーズしながら、退室した。

あれでよく副艦長にナッ得してもらえたな思い、俺の以前交渉が余りにもまずかったのかと、反省した。

だが、ノック無しの注意、忘れた~。

今はだけど、副艦長の手料理に感動しているので、太陽が西から上がっても許せるだろう。


ジャンプ、三十分前。

ワープ耐性座席では、陸士達のベルトや吸引器等の点検を、ビリー’ホワイト一等陸曹、ヤン’リン一等陸曹、ポール’ジャイアント三等陸曹等が、陸士達をせわしく確認している。

ムキムキ娘に目をやり、

「カンス陸士長、どうだ!」

「大丈夫です。ジャンプは、不安ですが。」

「無理してくれ!誰か不都合な者は?」

「いません。準備は完璧です。」

 と、ホルヘは答えた


陸曹三人共に着席して、トーマスの点検受けていた。

「ベルトOK,座席角度OK座席固定OK,吸引器位置OK。」

トーマスも席に着き、4点検OKの確認している。

「亜空間ワープ、10分前、、、9分前、、、8分前、、、、、、、、、、、、、、、、3分前、、、1分前、59、58、、、、、、10,9、、、、、3,2,1、今。」

緑色の天井は、一面何もないはずなのに、ゆっくりと揺らめき、水玉に変化する。

ちぎれては伸びて、飛んでいく変則な動きだ。

直線性のものは、芸術的にねじれて、曲がりくねりに見えるだろう。

亜空間ワープを開発した科学者グループは、三分間の初運航の後、

「乱気流の中をジェットコースターが、超高速で走っている」

と、評価かした。

その後、私し事としての会話では、

「二度と体験したくない。」

と、追加表現された。

此れは、有名なエピソード話として、語り継がれている。

目をつぶると、めまい、頭痛がして頭を中心に回転するが、いつまでも目をつぶらないのが、胃の物を守る。

白い天井だと、眩しくて目を開けられないそうである。

黒は、ジャンプ後も目の前がいつまでも暗く、何故か精神を壊すらしい。

赤色と黄色は、論外で目の前には花は咲かないらしいが、頭の中がお花畑になるらしい。

周りに時間を知らせるものは何もないから、時間は確認でき無いのである。

「もう~限界だ。」

と、呟き、目疲れなのか眼鏡の奥が痛い。

しかし、目をつぶると地獄が待っている。

気を失いたいが、できないだろう。

も少し頑張るしかない。

ジャンプが終わるまで周りの音は何も聴こえないが、耳鳴りだけはうるさい。

突然、重力加速度Gを背中に感じた。


艦司令室全ての窓側に、ドーム型緑色の防護壁が下ろされた。

副操縦席に座り、舵の位置を確認し、再度固定ベルトの点検をして。

「準備OK」

全乗務員用無線通信を発した。

「機関部、計器、燃料圧力80、燃料残63、すべて正常。」

各部位からの、通達を確認した。

亜空間ワープ中はどことも連絡が取れなくなるので、ワープ中にトラブル発生しても連絡できないので、各機関で対応するしかないが、ワープ中には、何事も対応は不可能なことだ。

亜空間ワープゲートを確認し、足元のランプの色の確認する為には座席首を持ち上げてなければならないのは、設計ミスと言わざるを得ない。

赤色はワープ前と完了後で、青はワープ中である。

亜空間ワープに入るのには、光速の0,01%減の速さが安全性上必要であるうえに、

進入角度がずれると目的地よりかなり遠くへ出るので、航宙技官は腕の見せ処ある。

全乗務員はこの艦に初乗艦であったが、六度目のワープまでは無事に予定地点についたので、最後の亜空間ワープである今回も不安はない。

「3,2,1、今。」

足元は青である。

今の後、2~3センチ浮いたような気がしたが、そんな些細な動きは感知できないと思い直したが、水玉の千切れが速いのにもなんか気になる。

それにワープ中に理論上は加速しないはずであるが、背中に加速Gを少しずつ感じるのは、何なのか理解出来ない。

もう、そろそろあと一時間位で亜空間ワープ完了かなと思い、眼球運動しながら水玉を追った。

突然、重力加速度Gが、全身を背もたれに押し潰す。

ワープ中に、突然の重力加速度は理論上有り得ない。

ブラックホールに吸い込まれているのだろうかと不安になるが、それでも加速するなど有り得ない。

航宙コース近場のブラックホールまでの距離は、100万光年以上あるはずなのに、ブラックホールの影響は何度も繰り返し確認しているので、遭遇する確率は0%のはずである。

Gはますます強くなる為に、口からすべての内臓が飛び出しそうになる。

「~~完了。」

一斉に、イヤホンからのわめく声で、気が付いた。

どのくらいの時間気を失っていたのだろうかと、経験したことのない不安が襲う。

「ランプの色、赤色。」

と、何人かの声がする。

「機関部から状況報告、エンジン機関停止中、主タンク燃料0です。艦長指示願います。」

「艦長は脳波停止の為に、指揮不能になったので副艦長に指揮権が移行さました。

マーガレット‘パラベシーノ3等航佐、艦長代理になり指揮権発動してください。」

リカーからの無線通信に、やらねばならない事があふれてきた。

「代理拝命うけました!マーガレット3等航佐艦長代理です。リカーわかる範囲で、現状報告。」

「現在地不明300万光年内座標無し、座標軸500万光年先に追加延長中、燃料圧力0、燃料補助タンク五千ガード残、現在艦維持残エネルギー325分、艦体表面のソーラーパネルは外圧により60パーセント変形したが航宙に支障無し。

「機関部機関長、燃料補助タンクのエンジン通穴パイプライン開け。」

「努力していますが、外側バルブの変形により、開けきれません。」

「300分以内に、燃料圧力5%を確保すること。確保したのちは、指示するまで5%維持。各部連絡ください。」

「探索部、オードリー重力探索技官です。ワープ中にGが起きたようですが重力点は感知出来ませんでした。不審な艦外映像をスクリーンします。」

「了解です。」

映像からは、周りに幾重もの光の糸が流れている。

前方映像には、ねじれて蛇行した光の広い川が映し出されるが、映像はねじれ蛇行し、浮き沈みながら、進んで行くと突然にミルク中に入った様に、白一面になったと同時に、加速度6Gが表示される。

「オードリー技官。巻き戻して後方スローモーション映像。」

後方映像にはワープに入った瞬間に、ミルクみたいな塊が後ろに現れて、徐々に接近して追突して艦を包み込んでしまう。

「なんだ、これは、何なのだ。」

リカーからの、通信が入った。

「鹿島陸佐より、通信要請があります。」

「許可する。」

「鹿島陸佐です。開示出来る範囲での、状況について付いて、教えて頂けませんでしょうか?」

「亜空間ワープ完了しています。現在地不明で、座標調査確認中です。なるべくその場から放てないよう、お願いします。」

「状況把握しました。個人的に何かお手伝いできることあれば、お声掛けください。」

「個人的?あっ!艦長。」

艦長のことは、すっかり頭から抜けていた。

この様な経験はしているはずなのに、冷静さをなくしているようだ。

以前の事故では、終わったあとでの反復はたしたことない事ばかりだった、一つづけて片付けていけば、これ以上は悪くならないはずである。

「ソシアル航宙技官、エンジン稼働したら、圧力5%で推進。」

「了解です。艦長」

司令席に着き、艦長の腕をとり、脈拍を確認すると冷たい手と無脈拍であるのと、皮膚が黒ずんでいる。

「リカー、鹿島陸佐に、連絡して。」

ここは猫の手も借りる。

「了解」

「はい、鹿島です。」

「鹿島さん。お友達と四人程で、医務室からタンカー持て、艦指令室に来ていただけませんか?」

「はい、承りました。」

鹿島殿から心地良い、頼もしい返事が返ってきた。


かなりのGに、

「苦しい。潰れる。」

光速で移動中に外側から見る光速物は、薄い紙程に見えるらしいが、俺は今、紙一枚に

なっているのではとの思いが途中で切れた。 

「ワープ完了」

アナウンスの声掛けで、気が付いた。 

どの位気を失っていたのだと想いながら周りを見渡し、座席角度90度に戻して、隣席のトーマスの太股を叩くと、トーマスはうつろに目を明け、

「隊長、何が起きたのですか?」

トーマスは両手の拳を開いて見つめながら、生きていることに安どしているようだ。

「わからん!みんなだいじょうぶか?」

まばらな低い声がするので、もう一度確認する為、

「隣に声掛けしろ。」

後ろがざわつきだしたので、

「番号」

「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11.」全員無事のようである。

「俺、ペラペラになるかと思ったぜ」

俺が言うと、賛同の声が多々聞こえた。

「みんな楽にして、暫くそのまま待機してくれ。」

皆、思い思いの感想を主張し始めている。

艦からの状況連絡がないので、忘れられているのかと感じ、

「リカー、通話いいですか?」

「はい、鹿島陸佐!」

「司令室に連絡取りたいが?」

「了解しました!――許可が出ました。どうぞ!」

「鹿島陸佐です。開示出来る範囲での、状況について付いて、教えて頂けませんでしょうか?」

「亜空間ワープ完了しています。現在地不明で、座標確認中です。なるべくその場から放てないよう、お願いします。」

「状況把握しました。個人的に、何かお手伝いできることあれば、お声掛けください。」

副艦長の声を聴いたときに、何か緊張しているなと感じ、何か良くないことが起きている雰囲気も感じた。

「隊長、今個人的と、聞き取れたのですが?航宙軍に、我々を必要とすることでも起きているのですか?」

「わからん!副艦長の声は重圧の中、ぎりぎりの戦いをしている感じだ。」

ムキムキ娘が斜め下から、上目づかいに、

「隊長は、副艦長殿を仲間と認めたのですね~。」

「何で?」

「仲間は、見捨てないでしょ!」

そんなやり取りしている中、リカーからのアナウンスがあり、副艦長から要請があるらしい。

「はい、鹿島です。」

「鹿島さん。お友達と四人は程で、医務室からタンカー持て艦指令室に来ていただけませんか?」

「はい、承りました。」

「トーマス、ビリー、ヤン、来い!あと、待機。」

「マーガレット嬢、すぐに気が付いた。さすがだね。」

上級航宙士官であろうと、陸戦隊に命令はできないが個人的には可能である。

駆け足で医務室からタンカーを2本持ち、司令室へ向かった。

白磁色の肌の彼女は、司令官席の前に立っている。

普段から肌は白いが、今日は度超えているような白さである。

「艦長を、医務室へ。」

四人がかりで艦長をタンカーに移し、医務室へ向かった。

艦長の露出した肌は青黒く、全身内出血のようである。

艦長を医療ポットに入れ、スキャンしてすると、脳内出血、心臓破裂、全身血管破裂と表示されたが、彼女は医療ポットの保管スイッチをONにして、「2級非常事態宣言となりますので、一か所に待機願ねがいます。」

3級で、持ち場に1分以内に待機できる状態。

1級で、敵景を確認する戦闘状態。

2級の発令は、対敵戦闘地域に入ったことである。

「小ホール室で待機しています。」

現在地は不明であるなどあり得る事だろうか、ジャンプ後、多少の誤差はあるが、別地点に出る事は理論上あり得ないことを学んだように思った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ