結果はクソ
宜しくお願いします。
○登場人物
・俺 /俺ちゃん / 古本屋店員
・マスター /僕 / 古本屋店主
・サトリ / 依頼主
・チドリ / 同業者(裏)
・デツ / 女医
・デップ / 薬剤師
彼への連絡を済ませた後、デップから連絡があった。
「薬の鑑定が終わったよ。
どうする??」
ここでか・・もっと早ければ良かったのに・・。
それを言っても仕方がない。
とりあえず、追加の薬を貰えるかもしれない。
「追加作れますか?」
「え??あ、作れと言われれば作るけどさ・・・あの・・」
最後まず聞かず、今から行くと伝えて通話を切った。
追加の薬は、貰える様だ・・とにかくそれがあれば、違うやり方もできる。
事務所を飛び出し、病院へ急いだ。
「・・・なんだって??」
息も絶え絶えに到着した病院でデップから聞かされた話は、意外なものだった。
「だから、三種の薬は、この栄養補助サプリメントと同じ成分。」
机の上に置かれたサプリメントの袋を指さして、説明するデップ。
自分のデスクで、背中を向けているデツ。
呆気にとられる僕・・。
「ごめん・・なさい。
何を言ってるのかわからない。」
デップは、もう一度、ゆっくりと話し始めた。
「いいか、ワシは、すぐに成分検査に入った。
いったい何の薬なのか・・何の効果があるのか・・。
でも、さっぱりだった。
どれだけ調べても、特に病気に効果のありそうな成分はなかった。
そりゃそうだ、これは薬じゃないから。
ただの、栄養サプリメント。
おそらく自前で成型したものだろうな。」
「はぁ??意味が分からない。
じゃあ、何のために?
わざわざ、こんなもの作って飲ませる必要がある??」
その時、背を向けていたデツが不機嫌そうに話に入ってきた・・
「脅迫と呪縛・・・・。」
「え??」
デップは、反論するでもなく目を閉じて頷いている。
デツが、さらに不機嫌そうに話を続ける。
「薬を飲んでいた人をA、処方した人をBとしよう。
Bは、Aに対して病気だから、この薬を飲まないと死ぬ・・と言い聞かせる。
そして、この薬については、貴重な薬でBしか作れない・・と理解させる。
とどうなるか・・その薬が小麦粉でも、Aにとっては、命をつなぐ薬であり、Bからは逃げられない。
死の恐怖とBへの呪縛の完成だ。
詳しいことは知らないけど・・根っこはこんなところさ。
クソだな。」
最後、吐き捨てるように言い放った言葉は、怒りに満ちていた。
沈黙が流れる中、
「ま、心配なら・・このサプリでも飲ませればいい・・。」
デップは、そう言って立ち上がった。
僕は、三種類のサプリメントを眺めながら、暫く何も考えることができなかった。
と、
「辛気臭ぇ!!!」
大きな声の後、頭に衝撃が走った。
痛~・・・。
横を向くと、バインダーを片手に、こちらを睨み付けるデップがいた。
「わかったんだから、何かできることあんだろ。
此処で、呆けてても意味ないし、何も変わんねぇ~んだよ。
俺の苦労を、無駄にすんじゃね~。」
え??デップどうしたのこれ・・。
何が起きてるの・・デップが壊れた。
・・・いや、壊れていたのは僕か・・・。
「ありがと・・デップ、デツ。
やっぱり、二人は、お似合いだよ。」
そう言って立ち上がると、大慌てで病院を後にした。
後ろの方で、請求がどうとか言ってたような気もしたけど・・ま、忘れよう。
さあ、どうする。
とりあえず、事務所に戻ってから、曉院家の動きを確認しよう。




