疑心暗鬼と病気の履歴
宜しくお願いします。
○登場人物
・俺 /俺ちゃん / 古本屋店員
・マスター /僕 / 古本屋店主
・サトリ / 依頼主
・曉院さおり / サトリの母
車は、適当にコインパーキングに止めてきた。
スマホは、情報を抜き取って、車の中に放置。
後は、あちらが勝手に何とかするだろう。
問題は、ここからだ・・。
1.5日、明日の午後には薬がなくなる。
手持ちの薬を届けるか・・届けるならいつか・・。
そもそも今の俺は、大丈夫なのか?
今、誰にも監視されていないといえるのか。
あの時、実は逃がされたのだとしたら・・。
薬自体は本物なのか??
疑いだしたら、切りがない。
マスターに連絡して、少しでも状況を知ろう。
「要点だけ伝える。
少ないが薬は手に入れた。
本物だと思う。
だがそれ以上、病気・薬については、また何もわからない。
それと、俺はもう裏切者認定を受けている。
この身体では、これ以上、潜入はできない。」
「わかった。
こっちは、薬についてデツのところに依頼した。
相方のデップが薬剤師らしくて・・現在結果待ち。」
へぇ・・おっさん、薬剤師だったのか。
看護師だと思ってたよ。
って、マスターが外へ出たのか・・また、イレギュラーだな。
「そうか・・すまん。
早くわかるといいんだが・・。
とりあえず、あと1.5日。
俺は、泳がされている可能性があって、薬を渡しに行くのは、リスクが大きい。
一応ギリギリまで隠れて、チャンスを伺うつもりだ。」
「わかった。
薬の受け渡しについては、何か考えておくよ。
それと、いつ動くことになるか分からないからバイク使って。」
あ、そうだ・・肝心なことを伝え忘れている。
「バイクは、分かった。
最後に・・。
今回の首謀者とみられる ”曉院さおり” だが、入院しているらしい。
しかも、かなり悪いらしく、サトリが逃げ出した日も、病院に連れて行くところだったらしい。
身内が入院している病院へ行くのに・・殺意・・。
あまりに繋がらなくて、正直困っている。」
マスターは、しばらく沈黙した後、調べてみると一言残して通話を切った。
さて、俺は、とりあえず身に着けているものを全てチェックするか。
何が何処に仕掛けられているか、わかったもんじゃないからな。
その後・・バイクを取りに行こう。
”曉院さおり”が、入院・・しかも、かなり悪い。
彼からの情報を受けて調べてみたが、そんな事実は見えてこない。
どういうことだ・・極秘入院??
いや、それにしたところで・・・。
なら、”曉院さおり”自身はどうだ?
何かわかるかもしれない。
首と指を鳴らして、準備運動・・。
コーヒーを一口飲んで、キーボードを叩き始める。
曉院さおり 50歳
曉院グループのトップ
前トップの夫を早くに亡くし、そのままグループのトップに立った。
グループの業績は、夫がトップの時よりも好調で、特にAI、遺伝子工学、レアメタル事業等で業績を上げている。
過去の病歴、通院歴・・心臓に病歴ありか。
30歳ごろまで、通院歴があるが・・その後は、無いな・・。
他の病院に転院か?
いや、周囲一帯の病院を調べても通院歴がない。
心臓ならずっと定期検診を受けるだろうし、通院歴がどこにもなくなるなんて・・。
通いの主治医か・・それでも、何も出てこないところを見ると内密に動いている。
何故・・何のために・・。
それになんだこの違和感は・・・。
いや・・・違和感じゃない、明らかにおかしい。
こんなはずはないんだ。
慌てて、再び彼に連絡を入れる。
「至急、曉院家の車のナンバーを教えてほしい。」




