質疑応答
宜しくお願いします。
○登場人物
・俺 /俺ちゃん / 古本屋店員
・マスター /僕 / 古本屋店主
・サトリ / 依頼主
・曉院さおり / サトリの母
・誘拐犯A 女 / 曉院さおりの部下
・誘拐犯B 男 / 曉院さおりの部下 トップ
・誘拐犯C 男 / 曉院さおりの部下 /現俺ちゃん
「もしも~し!!!
起きてくださ~い!!!」
椅子に縛り付けた相手の頬をペシペシと叩く。
叩くたびに腕が痛い・・完全に折れてる。
顔をしかめて、痛みに耐えていると、
「・・誰だ?」
と、縛り付けた男から質問が来た。
それは、こっちのセリフなんだよね、誘拐犯C。
「質問を質問で返すけど、君たちは誰なの?
誘拐犯A、B、C。
ああ・・君は誘拐犯Cね。
AとBは、逃げちゃったよ。
ま、君が捕まってるなんて思いもよらないと思うけど。」
「・・・・何が目的だ。」
「質問の質問を質問で返すか・・手ごわいね。
仕方がない・・切りがないから俺から話そうか。
目的も何も、俺は守っただけ。
攫われそうな女性を守るのは当然でしょ。
次はそちら。」
こちらを見ずに俯いたままの誘拐犯Cが、
「いつ入れ替わった・・。」
と、さらに質問してきた。
「え~また質問?
欲しがるね~。
誘拐犯Aにも言ったんだけどね。
知らない人についてっちゃダメって教わったって。
二人とも知らない、人違いだって、親切に教えてあげてるのに・・話聞かないんだもんな。
ま・・・・・簡単な手に引っかかったよね。
ワザと姿を見せて入れ替わり・・本命は何処かへ。
僕といたのは、替え玉さん。
いつ入れ替わったか?
教えられるわけないじゃん。
そこから、追いかけるでしょ。」
舌打ちをしながら、俺を睨み付ける誘拐犯C。
残念だけど、下手こいてプロ失格なのは君たちだよね。
雇い主さん、ガッカリしてるだろうな。
誘拐犯Cが、だんまり決めこんでいるので・・。
「で、話は戻るけど・・・。
誰に頼まれて、何のために攫おうとしたの?
こちらの話にも答えてくれないとフェアじゃないよね。」
誘拐犯Cは、黙ったまま俯いている。
ま、答えないですよね。
残念だな~。
結果は変わんないんだけど・・・。
「あ~あ、だんまりか。
ま、このスマホから、適当に何かわかるかな。」
そう言って、目の前でスマホを振ってみる。
「あ、ロックならとっくに解除してあるよ。
駄目だよ~指紋は。
こんな時、簡単にロック解除されちゃうから。」
ニッコリ笑って背を向けた瞬間、首に激しい圧迫を感じた。
抵抗してみるも、がっちり喰い込んで指も入らない。
これだけ隙を見せてあげれば当然か・・。
絞殺は・・苦し過ぎ・・る・・。
気が付けば首を絞められる自分を見ていることになった。
この身体の首が絞められたわけではないが、首周りをさすり首を鳴らす。
手に持っていたロープを捨てて、椅子に座ると記憶を探る。
しばらく記憶を探った後、元の自分の身体を弄る。
スマホにお金・・と、回収すべきものを回収、スニーカーは・・・もう・・汚いしいらないか・・。
少し悩んだが諦めて、マスターに連絡を入れる。
「雇い主の情報はゲットできたけど、サトリの病気や薬の情報はわからない。
今の身体の記憶からわかるのは、
主は、”曉院さおり”、有名な資産家だな。
サトリの付き人は、今の俺を入れて総勢3人。
男二人、女一人。
残りの二人は、路上で俺を襲った二人。
サトリと暮らしていたのは、この三人と稀に帰宅する曉院さおりのみ。
今回、サトリを連れ去ろうとした理由は、家に帰らせるため。
元の身体の持ち主的には、ただ純粋に連れ帰りたかった・・みたいだ。」
「そう・・・。」
沈んだ声のマスターから察するに、薬の方は上手くいってないようだ。
「すまん・・。
サトリを直接攫いに来る奴が本命だと思ったんだが・・。
俺の判断ミスだ。
一番の古株は、もう一人の男だった。」
「いや、それは違う。
そうそう、こちらの思惑通りにはいかないよ。
サトリちゃんが、無事なだけ御の字。
そっちは、そのまま戻らないつもり?」
「ああ、上手くいけば薬が手に入るかもしれないからな。
そちらも頼む。」
それだけ言って通話を切ると、もう一つのスマホの電源を入れ、別の所へ連絡を入れる。
「迎えに来てくれ。
詳しいことは、会って話す。」




