過剰期待
宜しくお願いします。
○登場人物
・俺 /俺ちゃん / 古本屋店員
・マスター /僕 / 古本屋店主
・猫 / 古本屋のペット
・サトリ / 依頼主
「マスター、しばらく古本屋休業だから、
下行って休業の案内とか出してくるっす。」
「あ~そうだね。
僕も行くよ。
あ、サトリちゃん、食器洗いと
その仔の相手お願いできるかな?」
マスターがお願いするのを聞きながら立ち上がると、大きく背伸びをした。
「この仔・・何て名前なの?」
「ん??猫。」
「そう猫の名前。」
「だから、ネコ。」
「え!?」
足元を動き回る猫から視線を外さず、何度も聞き返すサトリに、
「うちの猫の名前は、ネコっす。」
そう笑いながら伝えると、サトリも少し笑って猫を抱き上げると、
「可愛い・・。」
と、呟いた。
そんなサトリに、その場をお願いしたマスターを伴って古本屋に降りると、バックヤードの椅子にドカリと腰を下ろした。
「で、どうするつもりっすか??
依頼料もだけど・・・。」
「ん~とりあえず依頼料か・・。
今後の展開次第なんだけどね。
5000万程度で、良いんじゃないかな?」
「あら~・・。
大丈夫かな・・この依頼。」
「ま、何とかしないとね。」
そう言いながら、マスターは紙にマジックで ”しばらくお休みします ”と、書き始めた。
「で、それから?」
「とりあえず、僕は、サトリちゃんの持ってる薬を貰って調べてみるよ。
薬が減るのはリスクだけど、もし分かれば、かなり有利になる。
問題は、サトリちゃんを狙っているのが誰なのか分からないこと・・。」
「そこっすね。
相手が、現状をどこまでの知っているのか、さっぱり。
仮に、彼女を完全にロストしているとしたら、相手を待ってたら時間切れっすよ。」
マスターが、書き終えた張り紙とテープを持って立ち上がると、正面入り口に貼って戻ってきた。
「だね・・・。
とりあえず、スマホは逃げてる途中で川に捨てたみたいだから、GPSで追っては来れない。
一応、その他の通信機器をチェックしたけど無いみたい。
サトリちゃんが逃げ出したのは、よっぽど想定外だったのかもしれないね。
そうなってくるとロストの可能性高いよな・・仕方ない・・。
・・ねえ、どこか良い隠れ家って知らない??
できれば君しか知らないところ。」
「はぁ??隠れ家??
そんな場所、簡単に言うけどさ・・俺にはネカフェぐらいしかないよ。
むしろ、マスターの方が持ってんじゃね?」
大体、何で俺がそんな隠れ家を持ってると思ったのよ・・。
ヤレヤレ、俺に期待しすぎ・・そう考えていた時、神様が降りてきた。
「・・・・・・・・あ!!ある!!!」
マスターが、ニッコリと笑って肩を叩いてきた。




