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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
繋ぐ者
52/77

根拠

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 /俺ちゃん / 古本屋店員

 ・マスター /僕 / 古本屋店主

 ・猫 / 古本屋のペット

 ・サトリ / 謎女

朝食を食べ始めたマスターを見ながら、コーヒーを片手にパソコン前の椅子に座っていると、サトリが起き上がった。

キョロキョロと、周囲を見ながら、現在の自分の置かれている状況を整理しているようだ。


「あ・・・あの・・・。」


「朝起きた時は、おはようっしょ。

 とりあえず、顔洗って、歯磨きなよ。

 歯ブラシは、その新しいの使っていいからさ。

 あ、朝食食べる??」


返事を待たずに、サトリにタオルを投げて渡し、自分は朝食の準備にシンクへ向かった。

まあ、作るといっても目玉焼きとトーストにコーヒーぐらいだ。


「おはよ~。

 早くこっち来て座んなよ。」


マスターが、パンをかじりながらサトリを呼ぶ。

それを横目に見ながら、手早くテーブルに朝食を並べ、彼女が来るのを待つ。


少しして、こちらにやってきたサトリは、マスターに促されて朝食を食べ始めた。

それを眺めていたマスターが、


「ずいぶん、疲れていたみたいだね。

 大丈夫??

 てか、駄目だよ~知らない人の家に入ってきて寝ちゃったら。

 僕がいたから良かったけど。

 こっちの彼は、危なかったよ。」


「あ~・・ぶん殴っちゃうっすよ。

 マジ殴りだから、相当、痛いけど良いかな?」


俺とマスターを交互に眺めながら、笑顔をみせるサトリに続けて声をかける。


「ただ、ホント、簡単に知らない人についてっちゃ駄目だよ。」


「・・・ごめんなさい。」


これまた、謝られてもな・・。

招き入れたのは、こっちだし。

何なら、事案として注意の緊急メールが回る案件だ。


「で・・昨日は、話を聞く前に寝ちゃったから・・あれだったけど。

 今日は聞かせてもらえないかな?」


マスターが、やんわりと話を切り出した。

サトリは、急に食べるのを止めて・・ジッとこちらを見つめだす。


「あの・・私・・。」


一言言って、黙り込む。


「さっきは、簡単に人を信用するなと言っておいて何だけどさ・・。

 俺たちは、悪いスラ・・人間じゃないよ。

 あ、自分で言っといて、むっちゃ胡散臭ぇ~。」


そう言ったと同時に、


「にゃあぁ~~。」


と、間抜けな鳴き声がした。

フッと視線を下に向けると、ソファの陰から猫が、こちらを伺っている。

知らない人が食事をしているから、遠慮しているようだ。

マスターが、手を差し出すと、待っていたかのように静かにマスターの膝の上に乗ってきた。

その光景に少し緊張がほぐれたのか、また朝食を食べ始めたサトリは一気に食べ終わると、またこちらに視線を向けてきた。


「いくら視ても、わからないよ。」


マスターが、ボソリと呟く。

ギョッとした顔で、マスターの顔を見たサトリは、そのまま俺の方に視線をスライドさせてきた。


「・・サトリちゃんに何かが視えているのは、わかってる。

 そして、サトリちゃんの行動決定に、その何かが大きく影響していることも。

 ただ、それが何なのか・・視えたからどうなのか・・そこまではわからないけど。」


俺の言葉を受けてサトリは、


「何も分からなかったから・・信用した。」


そう一言呟いた。

俺とマスターは、そのまま黙って話を続けさせた。


「初めて、俺ちゃんを見た時、驚いた・・何も視えなかったから。

 っていうか・・視えるんだけど・・なにも感じ取れないというか・・。

 こんな人初めてだったから・・気が付いたら腕を掴んでた。

 ひょっとしたらって・・。」


俯き、言葉が途切れていく。

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