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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
視る者
39/77

悪寒の理由と後悔

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・軽自動車 / 愛車

「そろそろかな・・。」


愛車のスピードを少し落とし、周囲を伺う。

さっきコンビニの駐車場で地図を確認したから間違いない。

あの十字路を右に曲がり、しばらく走れば目的地だ。

彼からは、車で通りすぎる感じの確認で良いと言われた。

加えて、くれぐれも注意するようにとも言われている。


さあ、目的地だ・・と思った刹那。

ゾワリとする悪寒が体を包む・・。

背中に冷や汗が滲み出るのではなく、湧いてくる。

呼吸が上手くできない・・。

意識していないのに、否応なく侵入してくる。

いや、意識させられている。

とてつもなく暗く・・黒く・・触れるものを取り込もうとする何か・・。

自分の目に映る何かから目を反らしたいが、それは叶いそうもない。

ハンドルを握りしめ、とにかく事故を起こさないように前を凝視し、安全運転に徹した。


目的地を過ぎ、しばらく走ったところにあったスーパーの駐車場に入り車を止めた。

とにかく、まともに呼吸がしたい・・・。

大きな深呼吸を何度も行い・・心を落ち着かせる。

流れ出る汗を拭いながらスマホを取り上げ、震える手で彼に連絡を入れた。


「・・やばいよ。

 まだ、身体が震えている。」


「マスター申し訳ありません。

 まさかとは思いましたが・・そこまでとは・・。

 しかし、これで拘ったわけが見えました。」


「そうだね。

 こうなってくると、他殺の可能性が強い。

 これから、戻って違法薬物のルートも調べるよ。」


手短に話を打ち切ると、スマホを助手席に放り投げ、ハンドルに身体を預ける。

しばらく目を閉じて、もう一度呼吸を整える。

さあ、戻って追加の調査だ・・。

愛車のハンドルを握り、エンジンを掛ける。



かなりの負担があったことを伺わせる連絡だった。

あの雰囲気からすると、追加の調査は難しいかもしれない。

こんな仕事をしていると、悪い予想はよく当たる。

・・こんな仕事だからか・・。

何にしても、コーヒーぐらいは準備して迎えよう。


真っ青な顔をしたマスターが戻ったのは、それから2時間以上過ぎた頃だった。


「申し訳ありません。

 無茶をさせてしまいました。」


「いいんだよ。

 僕も外で役に立たないとね・・。

 とはいえ、異常だった。

 あんなところに、あそこまで・・。」


憔悴しきったマスターの姿を見て、改めて後悔がこみ上げてくる。

自分の判断ミスだったのではないか・・と。


「大丈夫ですか?

 追加の調査は、明日からでも。」


「いや、やるよ。

 少しでも早く解決しないと・・。」


コーヒカップを渡し、ソファーに戻る。

マスターは、そのままパソコンの前に座り、調査を開始した。


「あ、そっちは休んでよ。

 結局、体力勝負になるとお任せだから。

 気にしないで。」


そう言いながら、モニターを見つめている。

なら・・と、立ち上がりシンクに向かう。

夕食の準備でもするか。


「では、夕食を作ります。

 休ませていただくのは、その後ということで。」

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