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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
視る者
38/77

謝罪の理由

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・戸々谷茂 / 今回の依頼人

 ・戸々谷佳代子 / 依頼人の姉

 ・渋谷小五郎 / 交渉対象 & ホスト

 ・大桃桜子 / 交渉対象の恋人 & 行方不明

「恋人の行方を探したい・・か。

 なるほどね・・。

 僕らの仕事あるあるだね。

 ちなみに、僕の方は、特に何も聞けなかった。

 夜遅くに仕事から帰ってきて、

 次の日昼頃起きたら、姉が起きた形跡がない。

 で、部屋を見に行ったら、姉が亡くなっていた。

 まあ、捜査資料に記載されていた内容だね。」


「さて、どうしましょうか・・。」


そう言って彼は、天井を見上げている。

シミでも数えているのかな?

キーボードを叩きながら、彼を眺める。

天井掃除するとか言わないよね~・・。

彼の気を逸らすため、話を振ってみる。


「依頼人は、お姉さんが違法薬物に手を出していたことは、

 知らなかったみたい。

 この件については、当時かなり吃驚したみたいだね。」


「どうやって違法薬物を手に入れていたかは、

 判明しているのですか?」


「う~ん、残念ながら・・。

 入手ルートは、薬物の種類から、こちらで追ってみるよ。

 それと、ホスト君の彼女だけど・・”大桃桜子”さん??

 確かに捜索願出てるね。

 特に進展はないみたいだけど。

 それにしても、うわ~・・結構、捜索願って出てるんだね。

 単なる家出って案件もあるけど、

 全く進展してないものもかなりあるね・・。」


捜索願の多さに驚きながら、

一口コーヒーを飲んで、パソコンのモニターから顔を上げる。


「・・・失踪・・・行方不明・・・。」


彼は、相変わらず天井を見上げたまま、今度はブツブツ言いだした。

大丈夫かな??

コーヒーでも入れてあげたほうがいいかな。


「確認ですが、依頼人は何かを隠しているか、

 嘘をついているか・・。

 とりあえず、何か不審な点がある。

 と、いうことでしたよね。」


「そうだね。」


「加えて、それらが分かった上で、

 あなたは、あえて依頼を受けるべきだと判断した。」


「またまた、そうだね。」


彼の方は見ず、傍に寄ってきた猫から目を離さず返事をする。

大丈夫かな??と、目で猫にサインを送るも、気にもしない様子で、膝の上に載ってきた。


「姉は、弟に土地と家を譲りたくない・・なぜ??

 弟は、逆に家と土地に拘る・・。

 お金には不自由していないのに・・なぜ??」


あまりにも大きすぎる独り言を聞きながら、膝の上の猫を撫でる。

こういう時は、邪魔をしないほうがいい・・と思う・・たぶん。


「マスター、申し訳ありません。」


な、なんだ急に。

唐突に謝られるようなことを、された覚えはないが。


「え!?何??気持ち悪い。」


「本当は意に反しますし・・・イレギュラーなんですが・・

 どうしても行っていただきたいところがあります。」


何かと思えば、また急な申し出・・

確かに僕が、外での調査をするのはイレギュラー。

でも、僕もやる時はやる。


「何処へ?」


彼は立ち上がると、こちらに向かってきた。

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