今日は終わり
宜しくお願いします。
○登場人物
・マスター / 古本屋店主
・猫 / 古本屋のペット
・面倒なおっさん / 古本屋の客
カオスな店内の方が、古本屋らしいと思ってたけど、やっぱり店内は、綺麗にした方が良いかな・・。
途中で探すのが面倒になってきたので、とりあえず、4冊の本を持ってカウンターに向かう。
「今、当店にあるのは、これだけですね。」
先ほどに続き、また急に声をかけられて驚いたのか、何とも言えない顔で男は、こちらにやって来た。
「そうですか。
ちょっと状態見させていただいても・・?」
「どうぞ。」
男は、本を手に取り一冊づつ状態を確認していく。
すべての本を確認した後、再び一冊の本に手を伸ばし、
「この本、おいくらですか?」
男が、一冊の本を差し出してきた。
その本選ぶのか・・そうか~。
違う本の方が、いいんじゃないかな~。
そう思いながら、本を受け取る。
「え~・・っと・・。
これは・・。」
本に目をやり、相手の顔を見て・・しばらく沈黙・・。
思わせ振りにパソコンに目を向けてから、もう一度、相手の顔を見て、
「ん~これは、1万円ですね。」
「な!!」
と、言葉を詰まらせ赤くなったと思ったら紫になり、下を見てしばらく押し黙った後、
「わかりました、これください。
それと、郵送でお願いします。」
あ~・・・そうなんだ。
買うし、郵送なんだ。
相手の顔を見ながら、紙とペンを出し、
「発送先と電話番号お願いしますね。」
と、無表情で伝える。
男の顔は、引きつったまま、僕を睨んでいるようにも見えた。
その後、終始落ち着かない男から代金を貰い、流れるようにお帰りいただいた。
そうか~依頼か~。
気分が乗らないな~。
おっさんだからかな・・いや、違うな~。
彼がいないからか・・これも違うな~。
メモの字が汚いからかな・・絶対違うな~。
渡された発送先のメモを見ながら、わかりきった答えを自問自答する。
古本屋ではない方への依頼方法には、取り決めがある。
その取り決めを満たしてきた以上、やっぱり依頼・・なんだろうな。
ま、今日は、最初から店閉めてるし、すぐに上に行っても良いんだけど・・。
片付かない店内を少し見渡して、今日やらなくてもあまり変わらないなと、自分に言い聞かる。
そのまま視線を下の方に向け、再びキョロキョロと周囲を見渡して、眠そうな猫を見つける。
「もう、今日は、ここから引き上げよう。」
そう言って、猫を抱き上げると、2階の事務所に向かった。




