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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
視る者
26/77

コンビニとコーヒー

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・猫 / 古本屋のペット

 ・不審なおっさん

「ジャンル分けだけでもしろって・・

 言わんとすることはわかるんだけどね。

 これじゃ~ね~。

 最初から詰んでるでしょ。

 ムリゲーってやつだね。

 そう思うでしょ。

 ちなみに今、積むと詰むを掛けたんだよ。」


店内を見渡し、溜息をつきながら

フッと、足元の猫に視線を落として賛同を伺う。

猫は、背筋を伸ばし大きく欠伸をした後、


「にゃ!!」


と、一言残して、スゥっと何処かへ姿を消した。


”じゃ!! ”


ってか??

ま、いても戦力にはならないし、別にいいや。

乱れに乱れた店内を見ながら、


「やりますか・・・。」


と、自分に言い聞かせるための呟きを声に出してみる。

とりあえず、店内の段ボールを寄せて、スペース確保からしますかね。

寄せる場所もないけど・・・。


我を忘れて一心不乱だったと思う・・あっという間に午後になった。

自分なりにテキパキと頑張った甲斐あって、半日かけ、少し・・幾分・・なんとなく、スペースができた気がする。

先は長い。

まだ、5日間もある。

スタートダッシュをやりすぎると、後半に響くのは確実だ。

今日はこれくらいにして休憩しよう、コーヒーを飲もう、そうしよう。

冷蔵庫にアイスコーヒーがあったはず。


いそいそと、バックヤードに向かい、

さてさてと、冷蔵庫を開くとアイスコーヒーがない。

・・・・・この絶望感よ。

飲むなとは言ってないし、飲んでも良いけど、補充しとけよ。

と、許す広い心で怒りを自制し、コンビニに向かうことを決意する。


仕方なしに訪れたコンビニ。

普段の買い出しは、彼に任せきりだから、たまの買い物は面倒くさくもあり楽しみでもある。

陳列棚に並ぶコーヒーは、あまりに数が多く目移りする。

どれにする・・この新商品か・・いや、冒険はやめて定番か・・。

た・・炭酸珈琲だとっ!!

なんだ、紅茶なのかコーヒーなのかお茶なのか意味不明なものもあるぞ・・。

棚の前で、長時間ブツブツ悩む自分の姿は、余程のコーヒー通に見えたことだろう。

コンビニでこれだ・・今度大型スーパーなんてどうだ!!

非常に新鮮でアリだね。

気が向いたら、たまに買い出しを引き受けるのも良いかもしれない。


選びに選び抜いたコーヒーを提げて戻ると、書店の入り口に人が立っている。


「あの~すいません。

 申し訳ないんですが、

 しばらくお店やってないんですよ。」


急に話しかけられギョッとしつつ、こちらに振り向いた男は、少し困ったような顔を見せ、


「あ・・そうなんですか・・・。」


と、沈黙する。

一瞬、諦めて帰りかけた男が、再び振り返って、


「あの、すいません、無理を承知で・・・。

 何としても探している本があって、

 このリストなんですけど。

 お願いします。」


と、こちらに無理やりリストを渡してくる。

コミュ障としては、押しが強い人は苦手だ。

どうも断れない。

コーヒー飲みたいのにな。

突き返して、店内に逃げればよかったのだが・・。

もう一度、男の顔を見て、手の中のリストを見て、再び男の顔を見て店内に招き入れた。


男は、40歳少し上・・太ってはいない、身長は180cmぐらいか・・。

と、勝手なリサーチを終え、手元のリストをもう一度確認する。

まだ、片付いてないし、探すの面倒だなーと積まれた本から目的の本を探す。

男は、本を見ているのかいないのか、本棚の前に立ち尽くしている。

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