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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
視る者
24/77

突然の絶望

第2章です。

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・猫 / 古本屋のペット

午前中から一人で力仕事なんて・・ブラック企業もいいところだ。

店主が肉体労働で、店員が遊んでるなんて・・。

何か、間違ってる。




一週間程前・・・・


「来週は、お店を休みにして棚卸です。

 今のままでは、せっかく売れるものがあっても売れません。

 まあ、売れるものがあるのか・・・

 という疑問はありますが。」


「え??

 いつも言ってるじゃない。

 適当に並べて、カウンターで値段つけるって。」


彼は、睨み付けるように、こっちに視線を移すと

静かに、ゆっくりこちらに話しかける。


「そのカウンターに持ってくる商品を

 客が探せねぇーって、言ってんだよ。」


あちゃー、マジモードか。

後半壊れてる。

折角インテリイケメンになったのに・・地が出たね。

落ち着きなよ・・台無しだ。


彼は、他人を奪い取る。

身体も記憶も知識も・・人生そのものを文字通り全て・・・。

彼は、彼を殺した人間の身体を奪い取る。

奪い取られた人が、どうなるのかは知らない。

彼自身も、わからない。


今は、イケメン弁護士から奪った身体。

静かにしていれば眼鏡の似合うインテリイケメン古本屋店員だが、興奮すると地が出てくる。

とんだガッカリイケメンだ。


「性格みたいなものは、魂側に付くと思うから

 一緒に消えてなくなるんじゃね?

 よくわかんねーけど。」


と、以前に彼が言っていたのを聞いたことがあったが、僕に言わせれば、誰かの身体を奪い取るたび、話し方などが元の身体側に引っ張られて変わっているように感じる。

だから今回の場合、普通にしていれば丁寧な話し方なのに、興奮すると言葉が乱れる。

こんな場面に出くわすたび、彼よりも僕の方が、彼をよく見てるし、見えてると自負する。

まだ、今の顔に馴染めないが、いつものことだ直ぐに慣れるだろう。

何事もなければだけど・・。


「あ~わかった・・わかったから。

 とりあえず案内出して、1日みっちりやろう。」


ため息をつきながら返事をすると、


「やろうではありません。

 やるんです。

 それに、1日ではありません。

 6日です。

 最後に、やるのは、あなた一人です。

 私は、私でやることがありますので。」


口調が元に戻っているのは良いけど、聞き捨てならないセリフが聞こえた。


「え??一人??

 無理でしょ!!!!」


「猫もつけます。」


「イヤイヤイヤ。」


猫の手も・・とはいうけど、

マジで来られたら、邪魔なだけだ。


「私は、留守にします。

 やることがありますので。

 拒否権はありません。」


マジか・・・。

さっきの勢いからすると、反論したらキレるんだろうな。

丁寧な言葉遣いが、余計に迫力を増すんだよな。

どっちが店長なんだろう、そう思いながら天井を見上げる。

汚い天井だな・・。

店内をチラ見しながら、天井のことは黙っておこうと心に決めた。

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