儲け
宜しくお願いします。
○登場人物
・俺 / 古本屋店員
・マスター / 古本屋店主
「はっ!!横領でクビ。
態度も悪いと。
それはそれは。」
自分が出かけていた間のことを店内カメラで確認してみれば、とんでもないことを、サラッと言ってやがる。
「そうかな?
急にいなくなっても納得だと思うけどね。
というか、急に言われても、
そんな理由しか思い浮かばなかったんだよね。
ただ”辞めた ”じゃね、説得力が。」
「ただ、”辞めた ”で、良いんですよ。
詳しく話をする理由が見当たりませんね。」
「そうかな~、リアリティって大事だよ。
それに、彼女、元の君・・違う、元の元の君のこと、
凄く気になってる風だったから、
ロクな人間じゃなかったよ~って、伝えないとね。」
相変わらず、減らず口にキリがないな・・。
ならこちらも、
「にしても・・・
”ここまで家族に拘った弟さんですから、
きっと、今もあなたの傍にいますよ。”
って、あまりに安易でくさいセリフ。
必死で、良い話にまとめようとされても、
乾いた笑いしか出ません。
依頼料に、弟さんの貯金、
ブローカーと井上の持っていた資金
・・・おいくら儲けたんでしょうか。」
そう言いながら、依頼人の顔が頭をよぎる・・。
依頼人は知らない、
俺が、弟を殺した張本人だということを。
正確には俺ではないのだが・・
事実は、やはり俺なのだろう。
全てを奪うなど・・誰も信じない。
真実を知っているのは、マスターと俺だけ・・。
「イヤイヤイヤ、それとこれは話が別でしょ。
こちらも、危ない橋わたってるからね。
残念ながら、生きていくために必要なことです。」
口の減らない奴だ、
「渡ってるのは俺だ!!俺!!お~れ!!!!」
「何言ってるの、殺したら、奪うくせに。」




