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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
奪う者
21/77

記憶の真実 2

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・小谷健一 / 依頼人の弟 & 今回の探し人

 ・井上勇樹 / 弁護士

 ・戸籍ブローカーさん / 井上勇樹の仲間

 ・戸籍ブローカーさんの手下 A ~ D / 手下

「こいつ、戸籍関連の法的な部分を、

 井上にやらせていたらしい。

 もちろん、偽の戸籍であることをネタにしてな。

 今では、持ちつ持たれつの関係。

 表面上はな・・。」


「となると、井上的には、

 やっぱり、バイヤーさんのこと邪魔だったのか。」


「だな。

 小金貰うくらいじゃ、割が合わないし、

 脅されるのも限界だった。

 さらに、”小谷健一”の一件で、弱みが増えた。

 そんな時に、俺が嗅ぎまわりだした・・・。

 井上としては、畳みかける最悪だ。

 が、そこで、これ幸いにバイヤーに依頼を出す、

 俺の始末と調査情報奪取、

 そしてあの時協力した下っ端メンバーの始末。

 バイヤーには、秘密を知るのはお互い当人だけにしたいと。

 バイヤー本人としても、色々知りすぎた連中を始末したい。

 あ~ちなみに、井上的始末したい連中は、

 バイヤーと下っ端4人の、総勢5人な。」


再び左のこめかみを指で押さえながら淡々と話を続ける。


「で、バイヤーが、俺をさらって尋問・・。

 いろいろ小物感全開で頑張っていたけど、

 何も聞けないまま、我慢しきれずズドン。

 最後まで、あいつの前で笑ってやったよ。」


「はい、1回目ね。」


「そのまま、バイヤーの当初の計画に乗っかって、3人ズドン。

 全員埋めてきた。

 念のため仲間割れにみえるように、

 最後の一人は銃と一緒に崖下にトン。

 ここでの問題は・・・一人で穴埋めたこと。

 マジきつい。

 痛いのも嫌いだが、ああ言う肉体労働はもっと嫌いだ。

 こういう時は、マスターがいると良かったなと痛感する。」


「あ~流石の君もそりゃきついね。」


だろ!!と、言わんばかりに目を開けるが、

また、すぐに目を閉じ続きを話し始める。


「流石に、井上への連絡は、次の日にした。

 むちゃくちゃ疲れたからな。

 その間、休憩も兼ねてバイヤー事務所を

 色々弄らせてもらったけど。

 で、つい先ほど当の井上と接触、

 予定通りこっちを始末に来たから、

 なされるがままに身を任せて。

 ズドン!!」


「2回目ね。」


ふぅ~と、こめかみから指を下し目を開けてコーヒーを飲む彼をジーッと凝視する。


「うん、いいんじゃないかな。

 前より、頭よさそうに見える。

 眼鏡が良い感じだし、そのスーツも高そうだね。

 いや~いわゆるインテリイケメンだね。

 女性客増えないかな。」


「うるせぇ。

 俺の前に、マスターが、身なり整えりゃ良いんじゃね?」


「うんうん、労せず期間限定で知識も手に入ったしね。

 ますます、働いてもらわなきゃな。」


「労せずって・・俺は苦労したし、痛い思いもしたわけ。

 いつもやらない肉体労働もしたしな。」


不機嫌そうな彼は、また一口コーヒーを飲む。


きっと自分なら耐えられないだろう・・

罪悪感で彼から目を逸らす。

彼は、死なない・・それとも、死ねないのか・・。

いや・・もはや生死の枠組みで考えることではないのかもしれない。

彼は、他人を奪い取る。

戸籍どころではなく、身体も記憶も知識も人生そのものを文字通り全て・・・。


彼は、彼を殺した人間の身体を奪い取る。

入れ替わっているのか、追い出しているのか・・それはわからない。

わかっているのは、彼を殺した人間は身体と記憶と知識を彼に残していなくなることだけ。

考えるだけでも、たちが悪い。

わかっていて、こんな仕事をさせている自分もたちが悪い。

彼の姿が変わるたび、いつでも罪悪感が付きまとう。


彼は、今回2回死んでいる。

2回、全てを奪っている。

今、彼は”井上勇樹”の姿をしている。

奪った二人の記憶は、彼に今回の真実を見せてくれる。

僕のやっているクラッキングで得る情報なんて大した真実じゃない。

ただの、文字の羅列だ。

推理もあくまで予測であって真実じゃない。

ただの、妄想だ。

求める真実は、誰かの記憶の中にある。

そして、彼が、その記録を確かめてくれる。

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