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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
奪う者
20/77

記憶の真実 1

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・猫 / 古本屋のペット

 ・小谷健一 / 依頼人の弟 & 今回の探し人

 ・井上勇樹 / 弁護士

 ・戸籍ブローカーさん / 井上勇樹の仲間

外もまだ暗いのに事務所への階段を昇ってくる気配を感じる・・・。

深呼吸をしてゆっくりソファから立ち上がると、

入り口のカギを開け、お湯を沸かすためシンクへ向かう。

乱暴に開けられたドアの方を見ず、ヤカンに水を入れる。


「疲れた。」


「お疲れ、ちょっとかかったね。

 今回は、何回?」


ドカリと、勢いよくソファに腰を下ろす人物に労いの言葉をかける。

物音に起きた猫が、ヒョイと顔を上げて辺りを見回した後、また眠りについた。


「2回・・・・。」


「そうか~大変だったね。

 今、コーヒー入れるから、座っててよ。」


「しばらく、立つ気はねぇよ。」


相当お疲れなのか、ソファでぐったりしながら返事をよこす。


コーヒーカップを渡すと、

一口飲んで、またソファにもたれ掛かる。


「概ね間違ってなかったよ。

 井上に、小谷が接触。

 要件は、本当の自分の戸籍買い取り。

 井上は断ったが、小谷は諦めない。

 最終的には売らないなら、

 買った戸籍であることを公表すると言い出した。」


目を閉じ左のこめかみを抑えながら話をする彼を見て、わかってはいるが安堵する。


「無戸籍で貧困にあえぎ、やっと得た戸籍で、

 努力し弁護士という地位を得た。

 その後も、目立たず、出世も望まず、

 家族も持たず、酒も飲まず、静かに暮らしてきた。

 何かの拍子に、偽の戸籍だとバレるかもしれないから・・。」 


「戸籍の秘密を知るばかりか、その戸籍の本当の持ち主。

 さらには、その戸籍を返せと・・。

 最悪の来訪者だね。」


彼の話に、相槌を返す。


「戸籍を返すということは、

 苦労して得た弁護士資格も失うことになるからな。

 とりあえず、後日再び会うことを約束し、

 帰らせることはできた。

 しかし、このまま野放しにはできない。

 で、後日事務所外で会った際に・・・。」


こめかみを抑えるのをやめ、手を銃の形にし撃つまねをした彼が、目を開けコーヒーを口に運ぶ。


「そう・・か・・予想は的中か・・。」


こうなるであろうことは予想していたが、

あらためて聞くと重い。

同時に、依頼人の悲しげな顔が思い浮かんだ。


「ああ、でき過ぎなくらいだった。

 探していたもう一人の男”井上勇樹 ”と、

 小谷健一が自称していた生年月日・・。

 この二つを併せ持つ男を突いたら、あっさりだもんな。

 ま、少し相手の動きが遅くて、

 危うくいったんここに戻るところだったけどな。

 ちなみに始末に協力したのは、戸籍バイヤーリストにあった男だ。

 おい、俺のスマホ・・。」


ああ、そうそう・・と、スマホを探しに席を立つ。

どこだったかな・・回収した後、その辺に置いたはずだけど。

ああ、あった。

充電したまま、忘れてた。


「あのさ、逃げる途中に投げていくのも程々にしてよね。

 それと、雨が降ってる日はやめたほうがいいよ。

 壊れちゃうし、探しに行くの面倒だし。」


ひょいと、スマホを投げて渡す。


「ケースバイケースだろ、天気も場所も選べねぇよ。

 大体、今回降ってねぇし、面倒くさいってなんだよ。

 ちゃんとフォローしろよな。

 ま、とりあえず、と・・こいつだ。」


と、スマホの画面を見せてくる。

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