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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
奪う者
17/77

雨男

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・小谷健一 / 依頼人の弟 & 今回の探し人

 ・戸籍ブローカーさん / 小悪党

 ・戸籍ブローカーさんの手下 A ~ C / 手下

 ・????

雨の日の待ち合わせは、最上級に不愉快だ。

雨の日を選んでいるわけではないが、どうも雨の日が多い。

これが、雨男ってやつか。

忌々しい空をチラ見して、小走りで先を急ぐ。


「申し訳ありません、少し遅れました。」


高そうなスーツに身を包む男に声をかける。

ゆっくりと視線を上げて、こちらを見る顔に表情はない。

とはいえ表情があっても、夜に雨の中となるとわからなかったかもしれない。


「時間は、正確にお願いします。

 信用にかかわる。」


至って丁寧な口ぶりだが、かなりご立腹のようだ。


「申し訳ありません、先生。

 雨の日の渋滞に、巻き込まれ・・

 と、言い訳はやめましょう。」


相手は黙ったままだが、とりあえず隣に立ち話を始める。


「先生から話を受けて、あの男を調べてみましたが、

 素性については特に何も得るものはありませんでした。

 お話のスマホも持っておらず、

 ここしばらくは、ずっとネカフェを渡り歩いていました。

 おそらくは、素性を知られないためにわざとかと・・。」


「それで・・・?」


こちらを一瞥もせず、ボソリと呟いたのを受け、話を続ける。


「身柄を拘束し調べましたが、少しの現金以外持っていませんでした。

 あ、それと架空の名刺が何枚かも・・。

 ネカフェに入るには、何か身分証が必要だと思ったのですが、

 それはありませんでした。」


取りあえず黙り、相手の出方を伺う。


「あの男については、何も分からずじまいですか。

 私が知っている名前も、当然偽名でしょうね。

 最悪です。」


苦々しい口調で報告の感想を述べると、そのまま黙り込む。

先を続けろということか・・。

こいつも偉くなったもんだ、脅されるだけの男だったくせに。


「先ほど言った通り拘束し、調べていた事についての

 尋問を行いましたが・・・。」


ここで少し言葉を止める・・どう話をしたものか。


「どうしました??」


「かなりイカレた男でした。

 死ぬと分かっていながら笑うような奴とは、

 もう関わり合いになりたくないですね。

 こちらの頭が、おかしくなりそうでした。」


そう告げて、あの時のやり取りを聞かせる。


「死んでもいいと思っていた・・

 あるいは、逃げられないと思って諦めたのか・・。

 目的はすでに果たしたのか・・。」


話を聞いて、少し動揺を見せたのか・・こちらに視線を感じる。

が、それは直ぐに無くなった。


「何もわからないまま・・。。

 これで、問題が解決だとでも?」


「いえ、聞き出せませんでしたが、

 今さら話したいと言っても話せない状態ですので。

 それに、また調べようとする奴が現れても

 今回と同じことです。」


溜息が聞こえたが、そのまま沈黙している。

そのまま、しばらくお互い沈黙のまま雨音を聞く。


「あの連中も?」


思い出したような問いかけに、


「はい、これまでのことや小谷健一を知っているのは、

 先生と自分だけです。」


話をしながら、あの日のことを思い出す。

胸に血が広がり、ピクリとも動かない男を見ながら、

やっぱり結果は同じか・・と、握った銃を見つめる。


「オイ!!こいつをさっきの穴に放り込め!!」


穴を掘る三人の方に顔を向けるが、

まだ、十分な深さじゃない。

計画に支障が出る。


「いや、穴は、もう少し深いほうがいいな。

 早くしろ!!」


近くの木に寄りかかりながら、

再度、穴を掘る3人を眺める。

少しの間、目を閉じ呼吸を落ち着かせる。

どれくらいの時間がたっただろう・・。

穴をチラリと見て、


「オイ、そろそろ埋めろ!!

 ちゃんと一番深いところに置けよ。」


3人が、動くことのない男の身体を持ち上げ穴に降りていく。

全員が、穴に入り3人の男が屈んだところで、

手元の銃から、穴の中に向かって一気に全弾を打ち尽くす。

折り重なるように倒れる4人をしばらく眺めた後、

手早く土を掛けていった。

計画通り・・・。

次もある、急がなきゃな・・。

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