守秘義務
宜しくお願いします。
○登場人物
・俺 / 古本屋店員
・小谷健一 / 依頼人の弟 & 今回の探し人
・小悪党
・小悪党の手下 A ~ D
走る車の中、目隠し・・
腕・・縛られてる・・
脚・・自由。
後で、歩かされる可能性あり。
自分の両隣を入れて・・4人・・いや5人か。
となると、ワンボックスか?
ヤレヤレ、どこに連れていかれるのかね。
まあ、ここで今どうこうできるわけもなし、
ただ待つのも嫌だし、しばらく寝よう。
寝ると一瞬、ホント吃驚する。
あっという間に気が付けば目的地、何処かは知らんが。
車から降ろされたから、目的地なのだろう。
「お前は、このまま此処にいろ。」
お~お~偉そうに。
一人が先頭、その後に俺を引っ張ってる奴・・
ん?もう二人は?
引きずられるように歩くこと暫く、
「おい!!どうだ!!」
「こんなもんですかね。」
「まだだ、もっと深くだ。」
あらら、物騒な会話ですね。
残りの二人は、作業中でしたか。
と、乱暴に手を引かれ転倒。
起こされてて、何かを背に座らされる・・背中にあるのは、”木 ”か。
少しして、足音が近づいてくる。
「さて、あまり手間をかけたくないので
単刀直入にお聞きします。
誰か存じ上げませんが、
小谷健一を探しているらしいですね。」
「申し訳ありません、守秘義務ですので・・。」
身体に衝撃が走る、腹が痛い、蹴られたか・・。
「誰から、頼まれたかお話しください。
でなければ、どうなるかはわかりますよね。」
「守秘義務です。
それと、どうなるかわかりません。」
さらに衝撃が走る、また腹が痛い、反対を蹴られたらしい。
トゥキックはやめろよ・・腹の奥に来るから。
あ~、ほら胃からこみ上げてくる。
「あ~・・・やめてください、汚い。
少しあなたを調べようとしたのですが、
フラフラしているばかりで
何もわかりませんでした。
今持っているのも、少しの現金と
子供だましの架空名刺だけ。
スマホはどこですか?」
「腹蹴るから、夕飯出たじゃないですか。
トンカツですよ。
金ないのに、勿体ない。
それと、スマホなんて高級品は持ってない。」
今度は、頭に衝撃が走り、蹴られたのがわかる。
と、同時に目隠しがズレ、暗いながらも周りが見える。
「やっと、知っている顔を見れた。
戸籍ブローカーさん。
俺は知ってるけど、初めまして・・。」
思わず笑みがこぼれる。
こいつの顔は、記憶にある。
戸籍ブローカーのリストにあった顔だ。
名前は・・・忘れた。
名前を思い出そうと、ジッと相手の顔を見ていたら、また顔を蹴られる。
完全に目隠しは取れた。
「何がおかしい!!!
スマホを持っているのは知っている。
何処にある???
何を知っている???
何を調べていた???
お前ごときが、粋がっても意味ないんだよ。」
凄みを聞かせた顔を近づけてくる。
「守秘義務。」
顔を存じ上げない例のメンバー達の姿は見えない。
一生懸命、穴掘り中かね。
一方、トップのこの方は、一層顔を引きつらせている。
「自分が死なないと思ってる?」
銃を取り出し、脅しを仕掛けてくる。
「人なら誰であれ死ぬよ。
あんたもな。
どこで何をしていようと
何を成そうと誰も結果は同じ、
どう足掻いても、この世から消えるんだよ。」
と、腕に衝撃が走る。
熱い・・そして激しい痛み。
痛いのは嫌いなんだって・・ったく。
「知っていることを話せ。」
さらに、イラつかせたようだ。
「あ~あ・・撃っちゃったよ・・。
最初は、威嚇しなきゃ・・脅しにもならない。
会話を楽しみたかったのに残念だ
・・・あははははははは。
さあ、時間がないぞ!!
カウントダウンスタートだ!!」
「ああっ!!??
お前、自分が撃たれたってわかってんのか!?
笑ってる余裕がどこにあんだよ!!!!」
上品ぶってたのに、地が出てきてるな。
もっと、心に余裕を持たなきゃ・・。
「しばらくしたら、俺は失血死だろ。
あんたたちに、医療知識はないだろうから、
助かる見込みはない。
もっとも、知ってることを話しても、
結果は変わらないだろう。
よって、守秘義務続行だ・・。」
「守秘義務のわりに、よくしゃべるな・・。」
「痛いのは嫌いだが、痛みには慣れてるからな。
これぐらいは、問題ない。
まあ、このままいけば、
お前は何も得ることなく終了だ。」
さらに、激しい痛みが走る。
左足か・・
「カウントダウンブースト・・・・・。
終了までの・・時間が・・加速されました・・。
あはははははは・・。」
「おまえ、頭おかしいのか?
このクソがぁ!!!
知ってることを、しゃべれや!!!!」
右足に熱い痛みが走る。
まったく人の話を理解しない奴だな・・。
「オイオイ、しゃべり方に品がなくなってるぞ・・
小悪党のテンプレみたいなやつだな・・。
この調子じゃ、先に弾が無くなっちまうぞ。
我慢比べするか??」
「バカが!!」
今度は、腹を蹴り飛ばしてくる。
あ~あ・・完全に余裕がなくなってるな。
しょうもない小物だな・・。
「弾が無くなると言われて、蹴るとか・・。
わかりやすい奴だな。
次は、警棒で殴るか??
はははは、あんたのこと嫌いじゃないぜ・・
扱いやすくて。」
目を見開きこちらを凝視する相手の前で、
大声で笑って見せる。




