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Memory Cage ~ メモリー ケージ ~  作者: アニマ
奪う者
11/77

一人分のレシート

宜しくお願いします。


○登場人物

 ・俺 / 古本屋店員

 ・マスター / 古本屋店主

 ・大鷹玲子 / 今回の依頼人

 ・小谷健一 / 依頼人の弟 & 今回の探し人

 ・井上勇樹 / 探し人の探し人

「その雰囲気だと、何か収穫があったんだね。」


ヤカンをコンロに掛けながら、

いつもより少し機嫌の良さそうな彼に話しかける。


「ああ。

 これまでで、一番マシだな。

 とは言え、解決に直結するわけでもないと思うけどな・・。」


ことの顛末を聞きながら、

こりゃ運が良かっただけだなと思ったが言葉にはしなかった。

もちろん、居酒屋のレシートは快く受け取る。

お、自分の飲食代だけか、でかした。

てっきり、相手の飲食代も払っているかと思っていた。


「人探しに人は雇わず、

 大学までいたアパート周りは

 おそらく自分で聞いて回った。

 バイト先の居酒屋については、

 詳細までは聞けなかったから、

 自分でも調べつつ、

 幾人かの知人にも託している感じだね。

 つまりのところ、計画性なしの運任せだね。」


「金か・・・。」


「おそらくね。

 先立つものがなければ、依頼も出せないよね。

 ひょっとすると、そういうところには

 頼みたくなかっただけかも。」


「ということは、

 当然 ”井上勇樹 ”なる人物の調査も

 本業に依頼はだしていない。

 姉同様、いつか見つかれば御の字程度か。」


「お姉さんが見つかったのは、

 調査というよりただの偶然だからね。」


「本気で探してはいるけど、急いではいない。

 いつか見つかればいい。

 か、金がないから貯まり次第、

 依頼を出すつもりだった。」


お湯が沸いたようなので、コーヒーを淹れに立ち上がる。

今日は、彼の分も淹れてやろう。

カップを二つ用意し、コーヒーの粉を入れ、お湯を注ぐ。


「ミルクも砂糖も・・・いらないよね。」


「珍しいな。

 これ以上、何も出ないぞ。

 ちなみに、何もいらない。」


期待もしていないし、インスタントだし、この程度で機嫌がとれるならラッキーだし。

インスタントでも、コーヒーの香りはいい香りだ。

差し出したコーヒーカップを受け取りながら、彼が呟く


「依頼人と行方不明の弟。

 親は離婚しているが、二人とも死亡。

 ほかに肉親はいない。

 二人は、小さいころに離れ離れ。

 半年ほど前に再会し、一緒に暮らし始めた。」


コーヒーを一口飲んで彼の呟きを、頭の中で繰り返す。


「なるほどね。

 これは、ひょっとすると。」


腑に落ちた感じで、キーボードを叩く。

これが、もし当たっていたら、絞り込むのは、それほど難しくない。

可能性は、ゼロではないはずだ。


「また、何処かに潜り込んでんのか??」


こちらを一切見ずに、ヤレヤレといった感じで声をかけてくる。


「おそらくだけど、ちょっと待ってね。

 やっぱり、キタね。

 これが当たりなら、かなり話が進むかも。」


「ああ??

 外れていたらどうなんだよ。」


コーヒー片手に悪態を付きながら覗き込む彼に、モニターを譲る。

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