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ハナ子のはなし  作者: スキ子
いち
3/8

ハナ子のきもち



春になると、たくさんの出会いがあります。


最近ハナ子の周りでは新しい命が誕生しました。

その子もまた、

母親からの愛情を注がれた 夢と希望溢れる名前をつけられました。

その後ろで 悲しむ人もいるわけで

ハナ子はおめでたいとは あまり思えませんでした。




春になって 友達が増えました。

優しさが増えました。

悲しさも増えました。

醜さも増えました。

結局 いいことが増える度に 悪いことが増えてしまうのでしょうね。




「わたしは たくさん辛い目にあってきた

だからわたし 涙脆い 可哀想なの

わたしを慰めて欲しい 」


そう言った女の子は 自分しか見えていないのでしょう

ハナ子には 抱きしめることも 慰めることもできません

だって ハナ子は 誰にも寄り添えず ただ自分の足でひとりで歩いてきましたから

ハナ子は 周りに頼れる人間に 嫉妬してしまうのです



家に帰ると 騒音は増します

「お前を あの人たちが面倒見たのは お金が欲しかったからだよ」

マインドコントロール?

洗脳?

なんでもいいです

それが事実でも 嘘でも あたしは前に進める人間になったわけですから

傷つかない 悲しまない フリ いくらでもできるのです




ごめんなさい こんなハナ子で。

ごめんなさい こんな娘で。

ごめんなさい ただの疫病神で。



母が あたしを捨ててくれていたら

あたしを突き放していてくれれば

あたしが 母を愛していなければ

どんなに楽だったのだろうか 最近そう考えてしまう

最悪な人間なのです






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