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八人の魔術師たちによる八重奏  作者: 狐火の弾幕
第1章 ルビナス王国
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黒めがねの男

周囲を暗殺者らしき人達に囲まれている。どうやら全員ナイフ使いのようだ。


「ふふふ、これが私のクランの中で選りすぐりの護衛ですよ。」


周りを囲まれているので下手に詠唱出来ないのであろう。きたさんも、時雨さんも、動けないでいる。自分も、本を向ければ怪しまれるだろう。そのうちに黒めがねの男は、何かスイッチを発動させる。すると自分の持っていた本が渦のようになり消える。


「今、対魔術結界を張らせていただきました。あと、援軍を当てにするのなら来ませんよ?」


この部屋では、魔術が使えなくなったということである。対魔術結界はアーティファクトで起動でき、その中では魔術が全く使えない空間が生み出されるようだ。ちなみに魔法は使えたりするが、魔術の補助が無ければ詠唱が必要なのである。


「なぜならこの部屋の入り口はアーティファクトで出来ていて、私と私の許可したもの以外通れませんからね!」


先ほども出て来たこのアーティファクトというものは、どんな攻撃を当てても壊れない高度な魔法が組み込まれた魔道具である。つまり進入口は無いということだ。さっき暗殺者達が出て来た所も隠し通路ではなく、ただの隙間のようなものだった。

焦ってもしょうがないが絶対絶命である。もちろんなんの考えも無しにここに来たわけでは無いのだが、まさか二個もアーティファクトがあるとは思わなかったのである。通常アーティファクトなどはダンジョンの宝から出るもので、一万回いっても一つも出ないようなものである。それが複数あるのだ。流石に想定外である。


「だから大人しくしていただけると助かります。別に殺しはしませんので。」


「どういうことだい?」


黒めがね男がいう言葉に、きたさんがそう聞く。


「何がです?」


「大人しく捕まれっていう意味がわからないのさ。」


きたさんも、何故なのかわかっている部分はあるのだろうが、わざときいているのだろう。たまに自分が有利な状況になるとペラペラ喋り出す人がいるからである。


「ふははは、実はサファルス魔法国が、魔術師・・・を欲しているようでしてね。」


そう言うと黒めがね男は、テーブルの上に腕輪を三つ置く。


「従属の腕輪・・・。」


時雨さんがそう呟く。本来は魔物を従属させる為の腕輪であるが、一様人間にも効くと言うものである。前までは、プレイヤーに無理矢理この腕輪をはめる事は出来なかったが、今はおそらく出来るのであろう。


「まぁこれを貰ったのはいいのですが、どうやらこれだけでは魔術師には効かないらいしいみたいでしてね、だからわざわざこれを入手したんですよ。」


そう言うと今度は首輪を出してくる。


「これ、知ってますよね?従属の首輪ですよ。」


これも腕輪と同じような効果があるが、より拘束力が強く一部の国にある奴隷がつけているもので、腕輪と一緒に付けると効果が乗算されるのだ。


「これでやっと前の結界魔術師を大人しく出来たんですよ。」


その言葉に自分は、背筋が凍る。


「おや?その顔を見るとどうやら知らなかった様ですね。」


「ユウちゃんをどこにやったの!」


「教える分けありませんよ。ただ、大人しく捕まってくれれば会えますけどね。」


ここでさらに問題発生である。まさか「八重奏オクテット」のメンバーがすでに捕まっていたとは。


「どうするかい?」


「実は自分に考えがあります。」


それから、小声で自分達は相談する。どうやら相手もこれくらいは、待ってくれる様だ。



しばらくして相談し終えると、きたさんは黒めがね男の方を向く。


「わかった、僕達は降参するよ。」


「ははは。それが懸命ですね。」


そう言うと黒めがね男は、席を立ちこちらに向かってくる。そこで突如空中に魔力の塊が出現すると、対魔術結界の装置に当たり、スイッチを押される。その瞬間、結界が解けたのできたさんはすかさず無詠唱の転移を使う。しかし自分は転移をしない。何故ならまだやる事があるのだから。


「・・・まさか魔力をそのまま飛ばしてくるとは思いませんでしたよ。それにしても何故あなただけいるのです?」


「事故じゃないですかね。自分はそういうことがよく起こるみたいでして。」


残った理由をもちろんしらばっくれる。その間に魔術を使おうと思ったがうまく発動しないので、おそらくもう対魔術結界を張ったのだろう。黒めがね男は、しばらく考えた後、


「まぁいいでしょう。魔術師二人を逃したのは惜しかったですが、どうやらあなたも魔術師みたいですしね。」


おそらく、対魔術結界で本が消えたのを見たのだろう。


「それにしても、あなた何の魔術を使うんですか?本とかきいたことありませんよ。・・・・・・まぁいいでしょう。おとなしくしててくださいね。」


そういうと黒めがねの男は、部下に首輪と腕輪を渡し自分に着けさせる様に命じた。もちろん抵抗するつもりはない。何故ならユウの元に案内して貰う為なのだから。


着けられると同時に、頭の片隅にモヤの様なものがかかる。


「さあ、それでは付いてきてください。」


そう黒めがねの男が言うと、足が勝手に動く。抵抗しようとすれば、痛みなどがはしる仕組みだ。


黒めがねの男に付いていく?と、下に向かって長く伸びる階段がある。長さ的にこの建物の地下に繋がっているのだろうその階段を降りると部屋があり、その中に入れられる。ここにユウがいるのだろう。周りを良く見渡すと端に人影が見える。


「ユウ?」


「お兄ちゃん!?どうしてここに!?」


実はユウは、自分の義理の妹である。ちなみに容姿は十歳くらいで、橙色の髪の狐型獣人女性だったりする。


「うーん、まぁ話は後ででとりあえずここを出よう。」


そう言うとまず、首輪と腕輪を外しにかかるのだった。

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