第二十七話 オークの城
弘二が転生した世界
それは、現代人にとってのファンタジーやゲームの様な世界――
モンスターと人達の間に争いがある世界だが、国や地域によって
人がモンスターに倒された場合、教会にて復活をするRPGの様な国や
人間の王による独裁政治により市民の人々が苦しめられている国、モンスターしかいない国等の様々な国があるらしく
弘二は海を目指して旅の途中
緊急の仕事を依頼された、弱者を虐げる無秩序なオークの将軍が率いる軍団が、暴君なオークの王が築いた城から命令を受けて
他の魔物や亜人種、人と妖精全てが被害を受けているそうだ
弘二「なるほど
ザ・ワールドね〜
つまりだ、アンタの冗長な話を要約するとだ
モンスターを導く魔王が別の大陸にいて、そこは楽に商売も出来て
自分からモンスターが襲ってくる事が無い平和な国だけど
この地域のモンスターはやりたい放題で
特に近辺の略奪してくるオーク達に荷物も命も奪われるから
戦えるなら護衛か、元を絶てと
そういう事?」
商人LV.8グレイプ「ええ……概ねその通りですが……
あの、私の話は冗長でしょうか!?」
ドラ美「昼だったのに、もう夕焼けが見えてるので
長いどころじゃなくて
くたくたに疲れたんですけど!!」
REN「もうお腹が空いて
ほとんど聞いてませんでした……
どう無駄話の責任取ってくれるんですか?」
グレイプ「すみません……
国外への定期船が出る港への道がオークによる被害で通れないので……
商業組合によって報酬額がたんまり貰えるのでどうか……」
eye『オーク殺すべし。』
弘二「AIIEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!?」
ドラ美「アイさん!?
現金過ぎませんか!?」
eye『商人が困ると、貧困になる者が増え
経済が破綻になり
人々の自由意志は奪われ、結果的にRENさんが空腹で機嫌が悪くなり
惨殺者となります。』
ドラ美「途中まで真面目な事を言ってると思ったら……」
REN「そうなったら
元凶のオークを……食べます……」
smrt『美味しいもの食べた方が良いよ〜
解決しないとオーク以外食べるもの無くなるよ〜』
REN「コージさん!!
武器の用意を!!」
弘二「目がマジだよ……
仕方ないにゃあ〜いいぞ
KS-750に変ッ身ッ!!
とう!!」
弘二は軍用バイクに成った
トネリコ「にゃ!?
この姿は何!?」
弘二「軍用のバイク」
ドラ美「サイドカーが付いてるんですね……
誰をのせるんですか?」
弘二「レンさんとトネリコさん」
ドラ美「え!?
二人だけ!?」
ヴァグラス「私は何を?」
弘二「僕はレンさんとトネリコさんと特攻隊してくる」
eye『commando!!』
弘二「ヴァグラスさんは、離れた所から
弓とか魔法で攻撃ね
OK!?
ズドン?」
ヴァグラス「メテオバーストか?
1発命中させてから
4発を無作為に撃って攪乱すればいいか?」
eye『アルマゲという魔法はどうですか?
巨大なミサイルを放ちますよ』
弘二「アイアイ前にもアルマゲの話、しなかったっけ?」
eye『さあ?
デジャビュではないですか。』
弘二「うーん?
まあいいや
兵器に成ってから記憶が曖昧でヴァグラスさんと出会った時にいた奴の名前とか思い出せないんだよな〜」
ヴァグラス「ダイナソーだろ
ところでそのミサイルとは何だ?」
REN「美味しいんですか?」
ドラ美「レンさ〜ん
味噌汁じゃないですよ〜
そしてヴァグラスさんも……
タイゾウさんじゃないんですか?」
GRIMOIRE『戦闘中にそんなもの撃ち込んだら
巻き添えを食らってしまうと思うんですけどね――』
弘二「確かにね、そうなったら
ルギャエーー!!
って僕は叫ぶよ」
eye『ンモー』
ドラ美「解る人が極めて限られる様なネタをしないでください!!
トネリコさんもレンさんもヴァグラスさんもポカーンってなってますよ!?」
弘二「めんごめんご
それじゃ、レミントンM870も出して渡すから使ってね」
弘二は散弾銃を出した
eye『shotgun
通称ショットガンという近距離に有効なgunを愛称を込めてこう呼びます、シャッガン――です。』
弘二「どう?
持った感じは
試射してみる?」
REN「うーん……ちょっと持ち手が長いですね……」
弘二「反動が有るからさあ
大丈夫な様なら、ソードオフすれば良いよ
ノコギリでギコギコモ■ーしちゃっても大丈ブイ」
ドラ美「師匠!?
フラッシュサイトの黄金時代とかのキャラのネタとか誰もわかりませんよ!?」
eye『2ゲットです。』
弘二「アイアイは知ってるけど?
ドラ美もツッコミ入れられるって知ってるって事じょのいこ」
ドラ美「無駄に多い知識が悩みの種に……」
弘二「じゃ
取り敢えずレンさん撃ってみてよ」
eye『やっちゃえ。』
REN「は……はい……」
フローレンスは、トネリコに銃口を向けた
トネリコ「にゃ!?
ちょっとレン?
ナチュラルに銃を向けないでほしいわ……」
フローレンスは、トネリコへと散弾を撃った
トネリコ「にゃ……セーラー服が穴だらけよ……」
弘二「ほいよ、新しいセーラー服
ついでに機関銃も出すか?」
トネリコ「私は傷付ける様な武器は持ちたく無いわ……」
ドラ美「トネリコさんは聖人なんですか?」
eye『耳年増な聖女です。』
トネリコ「酷いわ……」
弘二「ほな行くか〜
はよ乗りや〜置いてくで〜!
行きまっせ〜行きまっせ〜!」
ドラ美「方言が出てますよ師匠……」
▼▼▼
サイドカーにトネリコを乗せ、運転席にフローレンスを乗せたバイクが
舗装もされていない道を颯爽と走行する
フローレンスはハンドルに手を添えているだけで実際は弘二が自ら動いている
弘二「そのハンドルを回転させる事で操作してバイクをコントロールするんですぞ〜
練習してみてよ」
REN「こうですか?」
弘二「そうそう
上手い上手い!
あんまり急にハンドル切ると転倒するから気を付けて?」
トネリコ「これは何かしら?」
弘二「シートベルトだね
着けといて」
トネリコ「付け方が解らないわ……」
弘二はシートベルトを蛇の様に操り
トネリコを座席に固定した
弘二「これでできた」
暫く走っていると、城が見えてくる
eye『風雲オーク城です。』
ドラ美「アイさん!?
そのネタ私の世代より前ですよ!?」
上空から、ヴァグラスを抱えたドラ美がツッコミを入れる
ヴァグラス「下ろしてくれ……心が砕けた……
何故、腹減り子豚という空を飛ぶ姿で行かないんだ……?」
ドラ美「ヘリコプターですよ!?」
弘二「良い質問だね、ホットパンツとドレスコートとチューブトップのレンさんが格好いい感じに見えるようにバイクにしたんだよ
インパクトは大事だからなぁん♪
ヘーッヘッヘッヘ♪」
ヴァグラス「愚か者の振りをして油断をさせて途轍もない策を用意してるのだな?
それとも本当に格好いいという理由だけの愚行か?」
弘二「どうどう、大丈夫だよ〜
突撃して混乱させてから
竜の落とし子作戦だよ」
ドラ美「なんですかそれは……」
弘二「言ったじゃん
離れた所から攻撃ね?」
ドラ美「狙撃ならレンさんの方が……」
話している間に門の前に着く
eye『gateの前です。』
弘二「トネリコさん挨拶してきて〜
はいこれ、ヤクル■」
ドラ美「何で出るんですか!?」
トネリコ「にゃ?」
弘二「ヤクル■レディーです〜って言ってね?」
トネリコ「は〜い」
トネリコが、城門をノックする
瓜坊オーク『誰だっ?』
トネリコ「ヤクル■レディーですけど……」
トネリコは、門の覗き窓からヤクル■を入れた
瓜坊オーク『旨い!!
全部寄越せ!!』
瓜坊の様なオークが手斧を持ち門を開けた
門が開いたと同時に、フローレンスを乗せたバイクの弘二が颯爽と乗り込んだ
REN「悪い子はいねがー!!」
弘二「レンさんも大分染まってきたな〜いいぞ。」
eye『ちょくちょく教え込みましたので。』
弘二「グッジョブ♪
良いかい?
レンさんや〜何も無闇に殺す必要は無いぞ
オークのキングとかと説得で農業とかで生活して
無駄に略奪しない様にしよう
前に会ったオークは傲慢で自分勝手で、他のオークに僕を叩かせたからイラついて撃っちゃったけど
いろんな性格のオークがいると思うんだよね
だから傍若無人なオーク以外の平和的なオークは」
REN「長いです!!」
弘二「ごめん」
オークジェネラル『何者だ!!』
eye『どうも、オークさ〜ん?
知ってるでしょ〜う
ガンガン鳴ってドカンと倒した鉄の塊でございます。』
オークジェネラル『まさか……あの時俺を撃ち殺した!?
野郎!!
仲間に裏切られたと思って復活してから処刑しちまったじゃねえか!!』
eye『私が言えた事じゃないですが、自分勝手過ぎませんか?』
猪将軍『うるせえ俺が正義だ!!』
トネリコ「長い文字から変わったのだけれど
何て読むのかしら?
あの、頭の上の知らない文字みたいなのは?」
REN「どれですか?」
eye『アレはですね、猪に似た見た目に
かけてオークジェネラルから表記を変更して
イノシシショウグンと読みます。』
弘二「その心は?」
eye『謎かけじゃ無いです。』
トネリコ「イシス将軍?」
eye『イノシシです、boarです。』
トネリコ「にゃ?
でもあそこには豚さんがいるわよ?」
トネリコが指差す方向
イボイノシシに似たオーク達が欲情した視線や敵意の有る視線で囲もうとしている中
家畜化されたピンクの豚やミニブタの様な顔のオークが、一匹
まるで、学校等のクラスで自分以外の生徒が馬鹿でヤンチャな体育会系だという事を憂いている
まともな生徒の様な面持ちで、焼いたトウモロコシを齧り付いていた
子オーク『うまそ! 寄越せっ!!』
子オークは、焼きトウモロコシを奪い去った
ビルダーオーク『あっ……全くこのっ……
はぁ……躾の成ってないクソガキめ……
どいつもこいつも……』
弘二「転生者なんじゃないの?」
トネリコ「転生者?
転生者なんて童話じゃないんだから……ふふふ♪
コージさんたら、面白い事を言うのね〜」
弘二「今さら何を言っとんだチミは
現実を見なよ僕は転生者だっての」
トネリコ「まさか……本気で言ってたの……?」
REN「むしろ今までお姉ちゃんは、コージさん達の話を何だと思って……
そしてコージさんやドラ美さんを何だと思っていたんですか?」
トネリコ「そういう性格?
の〜ゴーレム?
と〜ヴィーヴル?
かしら〜?
って、何となく思ってたわ〜」
REN「ああ……お姉ちゃん……そういえば最初も、コージさんの中に人が居るって頑なに信じてた気が……」
弘二「トネリコさんは天然記念物だなぁ……
これは精神攻撃にも耐性が有りそうだなぁ……
まさか未だに……
じゃあ、あの弘一って毛の少ないワンコは何だと思ってんの?」
トネリコ「喋るワンちゃん?」
弘二「ダメだこりゃ……トネリコさんも、まともじゃなく天然記念物とかボケしか居ないからドラちゃん過労死しちゃうね……
ってか、今更なんだけどさ〜?
レンさん……フローレンスさん?
フローレンス・ナイチチゲールさんや?」
REN「何ですか?
ぶっ殺すぞ〜?」
弘二「弘一君さ、あの……本当に今更なんだけどさ〜
医師スキルの獣医使えたんちゃいます〜?
そこんとこ、あんさんどう思いはんの〜?」
REN「……過ぎ去った事です……
過去の過ちは取り戻せませんが、これからをより良い方向に変えることは出来るかもしれません
ハ……薄毛の弘一さんの事は残念でしたが
発展には犠牲が付き物です……
ご冥福を祈りましょう……」
弘二「生きてるから、この空の下
何処かでワンワン吠えて、うわーっ助けてー!!
とか言ってるかもしれないから
僕がペスト菌を別の菌に変えたから
乳酸菌だから、生きて腸まで届いちゃってるから」
eye『ドラちゃんが居ないと寂しく成りますね――
何だか部屋がガランとしちゃったよですね。』
ドラ美「聞こえてますからね!?!?
さっきから!!!!
ヴァグラスさんと80メートルも壁の上から見張ってるんですよ!!!!
というか何なんですか!?!?
このオークが作ったとは思えない建築は!?!?
巨人とでも戦ってるんですか!?!?
80メートルも壁が必要なんですか!?!?
ヴァグラスさん高過ぎて白目剥いちゃってますよ!?!?」
弘二「地獄耳かよドラちゃん声デカイなぁ……」
eye『enemy、多数囲まれてます。』
弘二「トネリコさんは何か飲み物でも飲んでて?
説得から始めよう」
弘二はダージリンティーというアールグレイに並ぶ知名度のポピュラーな紅茶を出した
トネリコ「あまり派手に動かないでね?
零れちゃうわ」
猪将軍『何を訳のわからないことをやってんだ!?
皆一斉にかかれ!!』
オーク達が雄叫びをあげて襲いかかってくるが、ビルダーオークと表記されたピンクのオークは
観戦するのみで、敵意は無い様だ
迫り来るオークを、ソードオフにしたショットガンで一体のオークジェネラルの胴体に
フローレンスが素早く撃ち抜くと、オーク達は固まった
オークジェネラル『くっ……やりやがったな』
オーク1『ブヒィィ!?
やべぇよコイツ……
いきなり、ぶっぱなしやがった!!』
オーク2『な……なぁ……ここは穏便に……
な〜んてなっ!!
喰らえ!!』
オークの一体が、棘付きの棍棒を
フローレンスに投げつけたが、弘二は回転した
サイドカーに座るトネリコに当たった
トネリコ「んにゃあ!?
紅茶が……紅茶が零れちゃったわ……」
オーク1『そっちかよ!?
しかも無傷だよ!!』
弘二「トネリコさんは衝撃吸収分散ボディーだぞ
緩衝材代わりに割れ物と梱包したり、抱き枕にしたり布団にしたり出来る程の
人をダメにするエルフだぞ」
eye『因みにRENさんは
board bodyです。』
弘二「まな板なのは見れば判るだろ〜?」
腹に傷を付けられつつも致命傷に至らないオークジェネラルが、思わず笑う
フローレンスが笑ったオークジェネラルの元へ駆け抜け、流れる様に素早く首根っこを掴み、下顎に銃口を突き付け
発砲した
下顎から頭が吹き飛び、ドロップアイテムを落とした
レベルも上がった
同じく笑おうとしていた他のオークは
怖じ気付き、逃げ出した
オーク1『コイツやべぇ!!
逃げるぞ!!』
オーク達は逃げ出した
弘二「やったね♪
てか、いつの間にかオークの言葉が解るよ?」
eye『何度かupdateしていた際に追加された、翻訳機能です。』
弘二「言ってよ〜」
eye『updateをしないと、Kojiさんの記憶も更新されず
記憶が混濁します。』
弘二「アプデノシワザダタノカ……」
eye『ところで、Kojiさんには
RENさんが暴れた為
massacre or persuade(説得する)
の、2卓の内
persuasion(説得)が難しくなりました。』
弘二「説得がダメならせめて半殺しくらいで……」
eye『ずんだ餡や小豆じゃ有るまいし、甘い事言ってんじゃね〜です。』
弘二&eye『「餡だけに?」!』
ふざけてばかりで、一向に話が進むことが無いのを見兼ねて
ドラ美が、壁の上から降りてきた
ドラ美「師匠!?
夫婦漫才は程々にしてくださいよ!!
ヴァグラスさん高所恐怖症が発症してしまったんですよ!?
ガーヒーガーヒー言ってますよ!?」
弘二「そりゃ言うだろ、ロバだもん」
話し込んで居ると、大きな城の中からオークの軍団とオークの王様の様な
オークキングが、侵入者の弘二達に向かってやってくる
猪王『我が築いた王国に何の様だ!!
将軍を撃ち殺すとは極刑だぞ!!』
ビルダーオーク『おれが、苦労して作った自給自足の農家生活用の城と畑と田んぼ
の予定地の壁の中に、勝手にやって来て占領して
城を奪って民家を無理矢理建てさせて
家畜小屋の中に勝手に女の子入れた独裁者が何か言ってる』
猪兵士『無礼者!!』
猪王『ビルダーオークは極刑だ』
ドラ美「ちょっと待ってください!!」
猪王『何だ?
我に逆らうのか?』
ドラ美「話を聞く限り、このビルダーオークさんが建てた建築物を不当占拠した挙げ句
馬車馬の様に働かせて、更には性奴隷を家畜小屋にぶちこんでいる
って事ですよね!?」
ビルダーオーク『そうだよ
何から何まで、その通りだよ
性奴隷じゃないけど
何度か逃がしても、捕まえられて
見張りも、ろくに出来ねぇ駄目オークが!!
って罵倒されて看守から外されて、隅に小さな小屋建ててキャベツやトウモロコシ育ててんだぞ?
わかるか?
せっかく育てた作物も駄目にされんだ
おれの気持ちが、わかるか?
Web小説風に言えば
転生したらオークだった件
第一話、建築スキルで豚小屋を作って住もう
第二話、討伐者が話を聞いてくれません
第三話、引っ越しして農業をしよう
第四話、畑荒しが酷いので壁を作ろう
第五話、城壁を築いて城を建てたらオークの王がやって来た件
第六話、一人きりの農産国家が独裁国家にされた件
誰も読まねえよ!!
わかるか……お前らに……わかるのか……』
ドラ美「わ……わ゛か゛り゛ま゛す゛!!
酷いでずよね!!」
ドラ美は涙した、曾て
ドラゴンというだけで畏れられ
頭に宝石が有るヴィーヴルのドラゴンというだけで
欲深な者に狙われるという、転生先が歩く宝物の様な存在のヴィーヴルに転生したドラ美と
転生先が嫌われ易いオークの男は、共鳴した
気が付けば、ビルダーオークも泣いていた
ビルダーオーク『うっ……えぐっ……うおおおおおおん!!!!』
弘二「おいおいおいおい!
泣いてるわアイツ」
eye『ほう――人間火力発電所ですか、たいしたものですね。』
どんなシリアスも破壊しなければ気がすまない破壊兵器とAIは
黙ってはいない
ドラ美「大丈夫ですからね……師匠が何とかしてくれますから
涙はこれが最後です
だから今は泣いて良いんですよ?」
ビルダーオーク『がああああああ!!』
ビルダーオークは、ドラ美に泣き付いた
弘二「くっさ!!
僕が風の精霊なら呼吸困難起こすぐらい
くっさ!!」
eye『ドラちゃん母性的ですね。』
ドラ美「さっきからいい加減にしてください!!!!
泣いてるんですよ!?
人の心は無いんですか!?」
弘二「心配無いって〜
今日から笑って過ごす事になるから♪」
ビルダーオーク『笑って?』
eye『何せ、此方のKojiさんもWeb小説的タイトル風に言えば
異世界に転生したら兵器に成ったけどAIが搭載されていて意外と平気です。』
ドラ美「兵器と平気をかけたダジャレですか!?」
eye『ちなみに、updateをする事でlogがWebや観測者に向けてUPされます。』
弘二「観測者って誰!?」
eye『jokeです。』
弘二「まあ、いいや
僕は女の子しか乗せないけど
特別に乗せたげよう」
弘二は、BT-7へと変身した
ビルダーオークは入り口が狭いので入れず
上に乗った
弘二「蕁麻疹出来そう……」
eye『機械の身体なので、出来ません。』
ビルダーオーク『向こうに、元家畜小屋だった牢屋が有る
中に女の子が二人閉じ込められている』
弘二「ウオォォォォォ!!
女の子!
ウオォォォォォ!!」
ドラ美「現代なら通報してましたよ?」
eye『あっ――
ドラ美ちゃんのeyeが鋭くなりました、あのeyeはドラ美ちゃんのinspirationが働いている証拠です
その様子からドラ美ちゃんは
何その身体
エロッ!
の異名を――』
ドラ美「止めてください!!
私は名探偵じゃありません!!」
eye『dragonになっても、鋭さは同じ
ツッコミ気質なmay dragon――その名は。』
ドラ美「アイさん!!
止めてください!!
早く女の子助けに行きますよ!!」
猪王『行かせると思うか!?
貴様らが、呑気にコントをしている間に
配下のオークソルジャー、オークソードマスター、オークチャイルド
オールドオーク、オークガール、ハーフオークの者共が!
包囲しているという事にな!!』
弘二「レンさんオークジェネラル倒してレベルアップしたでしょ?
何か覚えた?」
猪王『あの……聞いて?』
REN「ペスト医師というのを覚えたみたいですよ?
ペストにしたり治したりという、ペストを操る能力みたいです!
これは便利ですよ!!」
猪王『貴様ら、アーンド
お前ら!
聞いて、無視しないで』
弘二「便利だね、もっと早く覚えてたら」
猪王『おーい?
おいおいおいおいおおおいおーい?
無視か〜?
拗ねちゃうぞ〜?
むしろ泣いちゃうぞ〜?』
REN「後は……精密射撃的なので……
ピンポイントショットという
撃って開けた穴に、同じ場所の全く同じ穴に必ず撃ち込めるスキルですね
オークジェネラルがレベル高かったみたいで一気にレベル8で8発までの弾を
撃ち込めるそうですよ?」
猪王『はーい!
注〜目!
もっと周りを見たほうが良いと思いま〜す!!』
弘二「何その……もっこりレンちゃん?
エルフ13……じゃなくて……あやとりと昼寝と射的が?
射撃?
が得意な小学生的なスキル!?」
猪王『泣いちゃうぞ!!
キング泣いちゃ……』
eye『キャー、REN太さんのえっち。』
猪王『へーい!!
らっしゃったったわっしゃったた!!
アットンパッパッパン……
おおおおおおおおん!!
イィィィィィィィィン!!
ンンンンンン!!』
オークキングは無視されて泣いた
弘二「喧しいなぁ……鬱陶しいなぁ……」
smrt『牢屋の女の子逃がしたよ〜
作戦通りに成功したよ〜』
REN「スムルトさん!?
どうして!?」
弘二「僕が考えた事はアイアイとかに見られる……
ならばスムルトみたいに他の存在には?
つまりそういう事だよ、僕の考えが読めなくても
アイアイを経由すれば良いだけだし?」
REN「どうして黙っていたんですか!?」
ドラ美「師匠のその……いつの間にか色々仕込んでるところ相変わらず
と言いますか……もう……策士なんですから……」
猪王『謀ったな貴様らあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
弘二「ハハハ
謀ったのは僕だよ、レンさんに言えばボロが出そうだし
トネリコさんは天然記念物だから、うっかり喋りそうだし?
敵を欺くには味方からってさ?」
ドラ美「ヴァグラスさんが高所に居る意味は!?」
弘二「策が失敗した時にスムルト作戦を使おうとしてたから
ヴァグラスさんが失神?
してたらしいし、ドラ美ちゃんのツッコミ気質がダイナマイッ!
しちゃったみたいで降りて来ちゃったんだし?
第2の作戦を使うっきゃないでしょ?」
ステファニーLV.2「あの……私達を助けてくれてありがとうございます……」
弘二「ファーーーーッ!?
何で来ちゃったの!?
今は来ちゃ駄目だよ!?」
eye『ステフ――もう一人は、妹のミシェルですね。』
ドラ美「アメリカのホームドラマ!?」
ビルダーオーク『毎度逃がしては再度と捕まってた理由がわかったよ……』
モンLV.1「お姉ちゃん駄目だよ〜
安全が確定するまで不用意な行動は〜」
弘二「まともだ!
この人まともだ!!
モンさん慎重だ!!」
eye『monさんミシェル。』
ドラ美「モン・サン・ミッシェル!?
この世界の人には伝わらないですよ!?」
弘二「誰かこの女の子達を危険から保護しといて」
ビルダーオーク『壁で囲んどく』
eye『RENさんですか?』
REN「……どういう意味ですか?」
ステファニーとモンという女の子の周りの地面に壁が生えてきた
弘二「壁だ!!
パンジャンドラムに変身しなきゃ!!」
ビルダーオーク『壊そうとすな』
eye『うーん、珍兵器は いいぞ。』
REN「眠いのに
もう朝日が昇るのでイライラしますよ……
根絶やしにして良いですか?」
弘二「あー
あのペンギンのお爺さんみたいな名前の話が長い商人の所為で夜が明けるのか……」
ドラ美「グレイプさん?
話が長いのはわかりますけど
名前の何処がペンギンなんですか?」
弘二「ドラちゃん知らんのか?」
ドラ美「ドラちゃんって言わないでください!!」
弘二「まあ、いいや〜
モンスターは復活するみたいだし
相手の出方次第で、根絶やしにして良いゾイ」
猪王『ふっ……フハハハハ!!
この数を相手に根絶やしに出来るならばやってみろ!!』
弘二「えっ?
良いの?
レンさん戦闘準備オーケー?」
REN「OK!!!!」
ズドンと放たれたショットガンに
オークソードマスターが犠牲になった
弘二「レンさん何でアメリカの州知事が映画で使ったバトルライフルを撃たんの!?
G3だよG3!!
OK?
って言ったら
OK!!!!
ズドンだよ!?」
REN「なんですか
そのこだわりは……?
眠いんですから別に良いじゃないですか
ぶち壊すぞ」
弘二「きゃあせんしゃこわし!!
まったく時々口悪くなるんだから
この子は……」
smrt『やめなよ
なかまどうしのあらそいは
みにくいものだ』
eye『眠いと気が荒くなるんですね。』
弘二「景気付けに!
行けッ!
ドラビー!!
ゆびをふ……パンドラだ!!」
ドラ美「プキャーオ!!
って!!
何やらせるんですか!?」
eye『ドララララちゃんのノリツッコミですね、珍しいです。』
ドラ美「パンドラ!!」
ドラ美はパンドラの呪文を唱えた
ランダム【快進撃の貧乳】発動
フローレンスが巨大化した
弘二「アカン……」
eye『』
ドラ美「周りの壁も相まって大変な事に!?」
REN「やりましたよ!!
これで早く片付きますよ!!」
フローレンスはビルダーオーク以外のオークを踏み潰した
レベルが上がり
新たなスキル【ガン=カタ】を覚えた
それと同時に、元のサイズに戻った
REN「ガン=カタというのを覚えましたよ!!
おやすみなさい……」
eye『gun=kata――ですか、もっと早く覚えていた方が有用なskillですね。』
弘二「パンドラが失敗したら、ビルダーオークにトーチカ作ってもらって
レンさんに射撃させようと思ったんだけどなぁ……
巨大化は予想外だよ……」
ビルダーオーク『今、囲った壁を解くから
二人を安全な場所に連れて行ってやれ
おれは……セキュリティを強化して
他のオークが入れなくする
そして今度こそ!!
農業生活を!!』
弘二「引っ越ししたら?
他のオークの所為で討伐隊が来るよ?
海を越えた所に、魔王がモンスターを統一して秩序と平和が有る国が有るらしいし?
そこにしたら?
その代わり、人間が割と責任転嫁で魔物退治してくるらしいけど
魔王の支配が強い辺りの地域は楽園らしいってよ?」
ビルダーオーク『引っ越そうかな……
具体的にどれ程平和なんだ?』
弘二「行ったこと無いし知らない
アイアイ情報は有る?
レンさんが巨大化した時、ドン引きしてたみたいだけど」
eye『清々しい良い国らしいです
小鳥は歌い、花は咲き乱れ。』
弘二「ナイフはどこだ」
ドラ美「ちょっとやめないか
例の呪文また唱えますよ?」
弘二「不用意に唱えるとヤバいから……
とりあえず……ん〜?
一緒に行く?」
ビルダーオーク『そうだな〜
報復も怖いし』
弘二「じゃあ決まりね!
レッツゴー♪
わっふー♪
海老食おう〜♪
ワッヤッフッフー!!
マンマミーヤ」
新たな仲間ビルダーオークと共に、弘二はオーク城を出た
弘二はヴァグラスを忘れていることに気付き軍用ヘリコプターに成り壁の上のヴァグラスを回収し
去り際、ビルダーオークは城や壁も含めた痕跡を消した
立つ鳥跡を残さずである




