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秘書のわたし 番外編  作者: ふとん
秘書のわたしに出会うまで
6/9

塚谷利之

色々ありえないこと満載です。※これはフィクションです。


 それからのレオの生活は一変した。

 忘れかけていたフランス語を勉強し、興味を持ったことは何でも覚えた。

 小さなレストランのオーナーだった父は、今や外食産業で成功した大企業の代表となっていてとても忙しかったが、仕事の傍らレオとサッカーの試合を見に行ったりと器用に時間を作ってくれた。

 フランスの家庭事情なのか、この家が特殊なのか、父の再婚相手と三人の子供たちはレオに親切に接してくれた。

 十歳下の弟や妹はレオに時々日本語を教えろとねだって、休みの日は離れてくれないこともあった。

 フランスでの生活はおおむね順調だったが、ただ一つ苦手としていたのは一人の執事だった。

 二十二、というその若い男は優秀で、年若いながらも父から信頼を得ていた。だから、フランス語は難なく覚えたレオに、英語を教えてやってくれと父に頼まれたのも彼であった。


「英語はきっと必要になるから。それに、彼はイギリス人なんだ。最高の教師だろう?」


 レオと年も近いから気楽だろうという、父の陽気さがこのときばかりは恨めしく思ったものだ。

 そのイギリス人の執事は、実に容赦が無かったのだ。


「good mornig.sir.」


「……good morning.」


 レオとの会話をすべて英語に切り替えたのである。

 日本で英語を習っていたとはいえ、所詮中学英語のレベルだ。日常会話が満足にできるはずもない。

 そんなレオに朝から晩まで、どんなときでも英語で話しかけるのだ。弟妹たちは英語も話せるので、彼との会話には困らないから、弟妹達も執事の真似をしてレオに英語で話すようになってしまった。

 ひどいスパルタ教育だ。


「……どうせフランス語が苦手なだけだろ」


 ついでに言えば日本語など分かるはずもないだろう、と思わずついた悪態に、執事は顔を上げて微笑んだ。


「C'est vrai.」


 そのとおり、と性悪執事は完璧な発音で答えたのだ。


「……分かった。言う通りにするよ、リック」


 両手を上げたレオに、性悪執事、リチャードは「結構」と流暢な日本語でにやりと笑った。

 本当に嫌味な執事だ。



 やがてビザの切り替えついでにレオはフランスで留学という形で進学を考え始めたが、その頃になるとレオは再び家を出ることを考え始めていた。

 父が自分の仕事を手伝わないか、と言い始めたのだ。

 その話になると、さすがの再婚相手もいい顔はしなかった。レオはまだ子供よ、と父をいさめてくれたが、父はその話ではすんなり引き下がろうとはしなかった。

 ある日、書斎に呼び出されて父から真剣に切り出されたのだ。


「レオ、もっと私のところで学んでみないか。お前ならうまくやれる」


 父のことは嫌いではない。

 再婚相手も弟妹も、レオにとてもよくしてくれた。

 だから、だろうか。

 このフランスの家族を、レオのような異邦人でかき乱したくなかった。


 どこでも居場所を作れる、と思っていた。

 けれど、どこでも居場所があるということは、どこにも居場所がないことと同じなのではないか。

 たった一つの帰る家を持たないレオの、帰れる場所とはいったいどこなのか。

 少なくともそれは、フランスの家族の下ではなかった。

 それだけは分かったのだ。


「――父さん。俺はそろそろ行くよ」


 レオの答えに、父はもう少し何かを言い募ろうとして、結局止めてしまった。

 自分の言葉を振り払うように、軽く首を横に振る。


「……そうか」


「よくしてくれてありがとう。楽しかったよ」


 レオがそう言うと、父は顔をしかめた。


「お前は私の息子だ。親が息子に何かしてやって、何が悪いんだ」


 父のそうやって何でも素直に言えるところが羨ましい。レオは緊張していた頬を緩めた。


「ありがとう、父さん」


 そう言って笑うレオに父は苦笑する。


「お前は本当に変わらないな。……それで、ここを出たあと行く宛はあるのか?」


「うーん…とりあえずフランスを出ようかな。バックパッカーやってみてもいいかも」


 レオの答えに「お前は本当に」と父は呆れたが、ふと何か思いついたようにレオを見遣った。


「行く宛てが無いなら、イギリスに行ってみないか?」


「イギリス?」


「そう」と言いながら父は書斎机からメモを取り出して何かを書き出す。


「お前には話していなかったかな。私の故郷だ」


 父は書き出したメモをレオに渡して、書斎の椅子に背を預ける。


「俺…イギリス人の血も混ざってるの?」


 訝るレオに父は「イギリス人とフランス人と日本人の珍しい組み合わせだよ」と朗らかに頷く。


「元々イギリスに住んでたんだけど、実家との折り合いが悪くてね。私はこんな性格だし」


 組み合わせが珍しいかどうかは知らないが、父は完全にフランス人気質だ。厳格そうなイギリス人と気が合うとは思えなかった。


「でもイギリスの田舎に一人で住むには親父も年だし、私が顔を出すより孫が行く方が喜ぶだろうから」


「顔も見たことない孫が行って喜ぶかなぁ」


「大丈夫。きっと喜ぶ。お前にはリチャードもつけるしね」


「え」


 嫌な顔をしたレオに父は「一人で行かせるわけないだろう」と溜息をつく。


「放っておいたらどこへ行くか分からないから。――行っておいで」


 小さな子供を旅に行かせるような顔をする父に、レオはそんなに子供じゃない、と言いかけたが、渡されたメモに性格に似合わず几帳面な字でイギリスの住所が書いてあるのを見た。父にしてみれば、レオなどまだ子供なのだろう。

 行き先を示してやって、ようやく歩けるようなそんな危うい足取りの。

 いつか、それがありがたいと思える日が来るのだろうか。


(きっと来る)


 そうやって素直に「ありがとう」と言える日が、きっと。

    

  

    ※



 結果として、ちょうど手が欲しかった、とイギリスの祖父はレオとリチャードを受け入れてくれた。

 心配していた厳格さはもちろんあったが、それ以上に祖父はレオを歓迎してくれたのだ。

 祖父は大柄な人だった。けれど父の持つ柔らかな印象もあって、霧の多い土地とは裏腹に朗らかな人であった。馬と葉巻が好きで、今時珍しく馬を何頭も飼っていた。

 それというのも、ロンドンよりももう少し郊外にある祖父の家はとても広かった。

 爵位を持つという祖父の家の敷地は邸から見渡す限りすべてというもので、いくらかは手放したといっても今でも管理に困るほどの面積であった。

 祖父の家の使用人は今では十人ほどで、彼らがフルに働いてようやく広い邸と土地を管理しているようだった。

 祖父の家の使用人も気のいい人ばかりで、レオはリチャードと共にすぐ邸に馴染んだ。

 レオが留学を考えていると相談すると、祖父はものの数日で留学先を考えてくれた。

 祖父はお気に入りのシガールームにレオを呼んで、幾つかの書類を並べて紹介してくれたのだ。リチャードのスパルタ教育のおかげで英語はもう問題なく読めるし話せる。


「ここから学校に通うのは難しいからな。オールド・スクールがいいか、ウェストミンスターがいいか」


「どんな学校? それ」


 イギリスの学校がどんなものかなど知らないレオが首をかしげていると、祖父のそばで給仕をしていたリチャードが「全寮制の学校ですよ」と説明を加えてくれる。


「寮生活かぁ。面白そう」


 レオが笑うと祖父も「そうか、そうか」と笑って、


「いっそのことイートンでもいいか」


「それはいいですね。リトル・ロードの放浪癖も矯正されそうです」


 リチャードの相槌をレオは睨む。


「そのリトル・ロードってやめろよ。ロードはじいさんのことだろ」


 この邸の使用人たちはレオのことをリトル・ロードと呼ぶのだ。祖父の孫だからだろうと受け流していたが、祖父のことをマイロードと呼ぶ彼らにとって、ロードとは深い意味があった。


「いくら父さんがイギリスに帰ってこないからって、俺がこの家を継げるわけないよ」


 祖父の跡を継ぐ孫として、リトル・ロードと呼ばれていたのである。間抜けにも気付いたのは最近のことだ。


「お前が日本に帰らないなら条件は十分だ。私は別に国籍なんぞにこだわらないしな」


 イギリス人とは思えない柔軟さで祖父が笑っているので、使用人たちもそれに倣うのだ。リチャードがあえてリトル・ロードと呼ぶのは単なる嫌がらせだが。


「まぁ、それはおいおい話すとして、今は学校のことだ。いっそのこと、ル・ロゼがいいか?」


「ル・ロゼ?」


「全寮制のいい学校だよ」


 祖父は必要なことを言わないのでレオがリチャードを見遣ると、彼は心得たように頷いた。


「スイスの学校ですよ」


 リチャードの言葉にレオは祖父を見返す。 


「スイスに放り出されたら、俺、もうイギリスには帰らないよ」


「それは困ったな。ル・ロゼもいい学校だが、ここはお前が楽しくやれそうなウェストミンスターにしようか。ただし条件が二つある」


「条件?」


 祖父の妙に真面目な顔に釣られたレオが眉根を寄せると、祖父は厳かに言う。


「悪い遊びには手を出さないこと。休みにはうちに帰ってくること。それだけ守れたらあとは自由にやればいい」


「了解!」


「good.little lord」


 祖父のふざけた調子にレオは苦笑した。




 イギリスでの留学は概ね順調だった。

 男女共学の学校で友人や恋人もできて、とても楽しく過ごした。

 そのあいだにリチャードは正式に祖父に雇われることになって、休暇のたびにその嫌味な執事と顔を合わせることになった。

 父は大学はフランスで、と強く勧めてきたが、結局友人たちと離れるのが嫌でイギリスでの進学を決めた。

 その大学で、レオは友人と起業することになる。

 初めはwebデザインのような小さな企画を手掛けるだけの会社だったが、徐々にSEを起用したりと会社は大きくなり、大学を卒業する頃には上場企業となっていた。

 主要メンバーは十人。CEOは友人のジョンだが、レオは起業当初から社長と呼ばれていたので、結局そのポストに就いた。

 上場する頃には書類仕事もするが取引先や出資者との顔繋ぎが主な仕事となっていて、忙しい毎日を送るようになっていた。

 大学時代からの恋人と婚約したこともあって、プライベートも順調の一言だった。


――思えば、うまく行き過ぎていたのだ。


 レオの人生は、十七歳で一転した。

 日本で暮らしていては絶対に通らなかった道を、レオは一息に駆け抜けていた。

 

 それが、ずっと続くと信じて。



 忙しい毎日を送っていたレオの元にその手紙が届いたのは、冬に近い秋のことだった。

 そろそろ雪でも降るんじゃないかと話す部下と同僚たちの話を聞きながら、久しぶりに戻った自分のデスクでその手紙を取った。

 今では滅多に見なくなった、日本語の手紙だった。

 その字には、見覚えがあった。


(母さん)


 日本を出て七年余り、一度も見ることはなかったが、それは確かに母の字だった。

 母の性格を表すような整った文字は、レオを言いようのない予感に駆り立てる。

 躊躇する指先を叱咤して手紙を開くと、そこには母の短い言葉が書かれてあった。



”あなたを後継者に決めました。すぐに日本へ帰りなさい。”


 

 どういうことだ。

 母にはレオの弟と妹がいるはずだ。彼らはきっと母の英才教育を受けてレオよりもっと優秀に育ったことだろう。

 混乱するレオに母の手紙は追い打ちをかけてくる。



”聞き入れない場合は、まずあなたの会社を奪うことにします。”



 なぜ、という言葉だけがレオの頭を覆い尽くす。

 そんなレオに、同僚の一人が電話を受けて声を上げた。


「どういうことだ、日本のツカヤって奴がうちの株の30パーセントを買い占めたって!?」


 

――全力で駆けていた足をつま先から掬い上げられたようなものだった。

 


 その後、塚谷は系列会社への合併を迫るようになったが、それを止めたのは父のグループ会社だった。父の会社も30パーセントの株を持って塚谷の合併話を食い止めたのだ。

 けれど、もうレオたちの会社は乗っ取られたようなものだった。


「――お父上からご伝言です」


 対応に追われていたレオの元へやってきたのは、祖父のところに居たはずの嫌味な執事であった。


「日本には帰らず、サンテモルクグループの跡継ぎとしてフランスへ帰れ、とのことです」


 父にも再婚相手とのあいだに子供たちが居たはずだ。あの可愛い弟妹たちに、父はこんな仕打ちをするのだろうか。


「……どうしてお前が来るんだ」


 レオが睨むと、リチャードは平然と答えた。


「あなたのお父上が、私の雇い主ですので」


 足元からガラガラと何かが崩れていく音がする。

 まるで、今まで見ていたものがすべて幻想だったというように。

 

「――無駄ですよ。もう何をしても」


 死神のような黒いスーツをまとったリチャードが死刑宣告のように言う。


「日本へ帰るか、フランスへ帰るか、どちらかお決めになった方がいい。あなたが築いてきたものをすべて奪われたくないなら」


 奪われる。

 その言葉にレオの口から乾いた笑い声が漏れた。

 レオは奪われてばかりだ。

 夢も、希望も、努力も、結果さえも。


(それでいいのか?)


 あきらめないことで、レオは今のレオが在る。


(奪われてたまるか)


 状況は最悪。五里霧中とはこのことだ。

 けれど、何もしないで泥に沈むより、何かすれば何かにしがみつけるかもしれない。


「――俺は帰らない」


 そう言い切って、レオは死神に背を向けた。




 それから、レオは何でもやった。

 出資者に協力を頼み、祖父にも頭を下げた。祖父は自分の土地を管理してくれるなら、と実質的な跡継ぎとしての仕事を条件にしてきたが、それだけでいいならと引き受けた。

 祖父の土地管理、会社の立て直しと駆けずり回った。

 

 そんなある日のこと。

 それは起こった。


 レオの婚約者が誘拐されたのだ。


 気の強い女性が多かった仲間内の中で、唯一とても気の優しい女性で、いつもレオを気遣ってくれていた。

 忙しいレオを心配して食事を差し入れてくれるような、そういう優しい女性だった。


 事件自体は金銭目的の誘拐で、彼女にはいつも誰かがついているように気を付けていたので、幸いなことに事件は一両日中に解決して彼女はすぐ開放された。


 彼女の開放を聞いてレオは仕事を放り出して迎えに行ったが、彼女はレオに叫んだだけだった。


「――あなたのせいよ」


 肩から掛けられたコートをきつく握りしめて、顔を上げた彼女はもう微笑んではくれなかった。


「あなた一人のせいで、どうして私たちまでこんな目に遭わなくちゃいけないの!?」


 体の底から吐き出されるような言葉は、ひどく冴え冴えと聞こえた。


「あなたなんていなくなればいいのよ! 疫病神!」



 婚約を解消したあとで知ったことだが、彼女は会社の同僚と関係を持っていた。彼らはレオとの婚約解消のあと、会社を辞めた。


 レオは、何を責めることもできなかった。



「――会社を辞めようと思う」


 大学時代からずっと一緒だった悪友にそう言った時は、もう限界だった。

 けれど、悪友のジョンはテーブルに置いたレオの辞表を指で弾き飛ばしてしまった。


「今、お前に辞められたら会社が潰れる」


「でも」


「逃げろ」


 ジョンはソファを立って、閉められていたカーテンを開けた。

 ここは狭いアパートだ。レオの仕事部屋として用意したものだったが、最近はここで隠れ住んでいたのだ。


「お前を会長職にする。これは代表一同で決めたことだ。それと、お前に護衛と執事をつける」


「執事?」


 訝るレオにジョンは「入ってこい」と暗がりから人を呼ぶ。

 すると音もなく現れたのは、あの死神執事だった。


「リックはお前につくそうだ。理由は俺も分からん」


 ジョンの言葉にリチャードは肩を竦める。


「ちょうど離婚をして身軽な身でしてね。お付き合いしますよ」


「……お前、結婚してたのか」


 レオのしかめ面を笑って、リチャードは「ええ」と答える。


「地球の裏でも表でも、どこでもついて参ります。マイロード」


「やめろ。ロードはじいさんだ」


 どこまでも同じ調子のリチャードに呆れ、レオがジョンを見遣ると彼も肩を竦めた。


「な? 分からんだろ」


 レオが頷くと、ジョンはレオに笑い、


「とにかく、腕利きの護衛と執事を用意してやったから、お前はどこへでも行ってこい。それで時々、本社に帰ってこい。せっかく手に入れた永住権が切れるからな」


「……俺はいいが、本当にそれでいいのか?」


 不可抗力とはいえ、レオはジョンたちにもうすでに多大な迷惑をかけている。

 けれど、ジョンはからりと笑った。


「お前に迷惑をかけられるのは慣れてる。大学のときから無茶ばっかりやってたからなぁ」


 そう言って、ジョンはスーツの懐から手の平大の紙の包みを取り出す。


「お前には何があっても逃げ切ってもらう。――でも、引き金を引くかはお前が決めろ」


 包みの中にはレオが今まで決して手に取らなかったものが横たわっていた。

 仕事柄、危険なこともある。

 けれど、一度も握ったことはなかった。

 

 だが、レオへの引き金はすでに引かれている。


 婚約者の誘拐事件の犯人たちは、調べていくと実は雇われていた。日本人に。

 彼らがようやく口にした名前は、ツカヤ。


――奪われたなら、取り返す。


 レオはこれからきっと、自分の目的のためにもっと誰かを傷つける。

 もう後戻りはできないのだ。

 誰も過去には戻れないことと同じように。


 分かっていてもそれがひどく冷たくて、レオはそれを慰めるように冷たい凶器を手に取った。









 世界を旅することは、レオにとっては何の苦にもならなかった。

 放浪する癖があるレオの性分に合ったらしい。

 イギリスを出て一年後、ようやく会社は株を取り戻して正常化し、三年後には有名企業の仲間入りを果たした。

 その代表一覧の端にレオの名前があるのは少し奇妙な心地がしたものだが、仲間たちの勧めもあって名前を載せてもらった。


『名簿の名前は何にしておく?』


 ペルーに居たレオにわざわざ電話を掛けてきたジョンが訊ねてきたので、レオは答えた。

 レオという名前もすでに過去の名前だ。けれど、他に名前といえば一つしかなかった。


「塚谷利之、で」

  

 それが、いつの間にか忘れていた自分の名前だった。





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