八、育ちました(☆)
またしてもしょうもない話を思いついてしまいました。
短めなおまけ話です。
※別サイトとは一部表現に変更があります。
※妊娠関連の明け透けな話題がありますので、苦手な方は回避するようお願いします。
妊娠して以来、締め付ける服装が居心地悪く感じるようになった。ブラジャーを止めてカップ付きタンクトップに変更したが、妊娠中期ともなるとそれでも辛い。ネットではマタニティブラと言う柔らかくて締め付けが少ない下着も売っている。とても可愛らしいので早速購入したが、試しに一緒に注文した授乳用のカップ付きキャミソールの方を気に入ってしまい、特に仕事以外では最近こればかり着用してしまっている。合わせめを横にずらせば片胸を簡単に出す事が出来るので、下着を脱がずに赤ちゃんに授乳できる便利な品だ。まだ生まれる前なので本来の用途には使えてはいないが、お腹も冷えないし肌ざわりも良く、なかなかの着心地でとても重宝している。
「うーん……大きくなったような気がする」
お腹もふっくらして来たが、胸も大きくなった。寝室に造り付けられた姿見の前でパジャマに着替える途中の七海は、上はキャミソール一枚だけという格好で鏡に映った自分の胸を検分した。
「本当に二カップも増えているのかな?」
ふにっと自分で持ちあげてみる。妊婦用の雑誌などにそのように書いてあったのだ。
「確かにデカくなったよな」
「わっ……!」
いきなり背後に現れた黛に、七海は驚いて飛び上がった。自分の胸を触っていた手をパッと離して頬を染める。
「お、お帰り……」
「ただいま」
そう返事をすると黛は顔色一つ変えず、後ろから腕を回して七海の両胸を柔らかく掌で包み込んだ。七海の胸はもともと一般的なサイズで、特に巨乳でも無ければ貧乳でも無かった。しかし近頃は巨乳と言って差支えないサイズに、育ちつつある。
「えーと、黛君……?」
フニフニと御餅のような柔らかさを堪能しながら、黛は事も無げに言った。
「うん、やっぱ確実に育ってる。手に余るし」
ニヤリと鏡越しに笑い掛けられ、七海は真っ赤になる。
無性に恥ずかしくなってしまい、緩い拘束から逃れてパジャマの上着を手に取った。上着に手を通そうとした時―――そこでパッとそれを取り上げられてしまう。
「え、ちょっと」
「これは後で良い」
そう言って朗らかに笑う黛に、案の定ベッドまで連行されてしまった七海であった。
ただイチャイチャしているだけのお話で申し訳ない……!(土下座)
お読みいただき、有難うございました。